
先日、当社にホームページ制作をご依頼くださった社会保険労務士のK先生から、興味深いお話を伺いました。
当社へ依頼する前に、士業向けのホームページ制作会社を3社ほど比較されたそうです。
しかし、ある会社は運営者の顔写真や動画が見当たらず、不安を感じたとのこと。
別の会社は、ホームページが長く更新されておらず、「今もきちんと運営しているのだろうか」と感じたそうです。
一方、当社のホームページには、代表である私の顔写真があります。
サービスを説明する動画もあり、ブログやYouTubeも継続的に更新しています。
そうした部分が安心感につながり、最終的に当社を選んでくださったそうです。
このお話を聞いて、私は改めて、
人は「機能的価値」だけで商品やサービスを選んでいるわけではない
と感じました。
機能的価値は、選ばれるための土台
マーケティングでは、商品やサービスの価値を考えるときに、
「機能的価値」
という言葉を使うことがあります。
例えば、ホームページ制作会社であれば、
- 集客できるホームページを作れる
- SEOや広告について提案できる
- デザインや文章の質が高い
- 納品後も運用を支援できる
といった価値です。
士業であれば、
- 専門的な手続きを正確に進められる
- 期限までに申請を完了できる
- 複雑な問題を分かりやすく説明できる
といった部分が機能的価値になります。
もちろん、これらは大切です。
専門家として一定の技術や知識がなければ、安心して仕事を任せてもらうことはできません。
ただ、機能的価値だけでは、お客様は判断しづらいことがあります。
多くの会社や事務所が、
「高品質です」
「丁寧に対応します」
「豊富な実績があります」
と伝えているからです。
最後の決め手になる「情緒的価値」
そこで重要になるのが、
「情緒的価値」
です。
簡単に言えば、
その会社や人と関わることで生まれる感情です。
例えば、
- 安心して相談できそう
- 誠実に対応してくれそう
- 自分の話を丁寧に聞いてくれそう
- この人なら任せても大丈夫そう
といった感覚です。
今回のお客様も、制作会社の技術力だけを比較していたわけではありません。
顔写真が見えること。
動画で本人の話し方や雰囲気が分かること。
現在も継続的に情報発信していること。
そこから、
「実在する人が、今も責任を持って仕事をしている」
という安心を感じてくださったのだと思います。
顔写真や動画は、情報ではなく、安心を伝えるためのものでもあるのです。
ホームページの更新は、「今もここにいます」という合図
ホームページが何年も更新されていないと、訪問者は不安になります。
サービスの内容が変わっていないのか。
今も営業しているのか。
問い合わせをして、きちんと返事が来るのか。
運営側は問題ないと思っていても、初めて見るお客様には判断できません。
反対に、ブログや動画が継続的に公開されていれば、
「今も活動している」
「この分野について学び続けている」
ということが伝わります。
情報発信には、集客やSEOのためだけではなく、事業が動き続けていることを示す役割もあるのだと思います。
士業こそ、情緒的価値を伝える必要がある
この考え方は、士業にもそのまま当てはまります。
士業の仕事は、お客様から見れば違いが分かりづらいものです。
同じ資格を持ち、同じような業務を扱っていれば、機能的価値だけでは比較が難しくなります。
だからこそ、
- なぜその仕事をしているのか
- どのような相談者を助けたいのか
- どんな考え方で仕事と向き合っているのか
- どのような人柄なのか
を伝える必要があります。
これは、自分を必要以上によく見せることではありません。
自分の顔や考え方をきちんと見せ、お客様が安心して判断できる材料を用意しましょう、という意味合いです。
私は、マーケティングとは、無理に人を説得することではなく、
「この人なら大丈夫そうだ」と自然に感じてもらえる環境を整えることだと考えています。
AI時代にも、積み重ねた信頼が残る
これからは、人だけでなく、AIを通じて会社や専門家を探す機会も増えていくと思います。
AIは、ホームページに掲載された専門情報やプロフィール、お客様の声、継続的に公開された記事など、複数の情報をもとに候補を整理します。
だからこそ、一時的なテクニックではなく、
- 専門性のある情報を発信する
- 自分の考え方や人柄を言葉にする
- お客様の声を丁寧に残す
- 事業を継続していることを示す
といった積み重ねが、これまで以上に大切になると感じています。
情緒的価値は、雰囲気だけを演出すれば生まれるものではありません。
日頃の仕事や発信から伝わる誠実さがあってこそ、本当の安心につながります。
まとめ
今回のお客様は、ホームページ制作会社の機能や実績だけではなく、
「安心して任せられるか」
という感覚を大切にしていました。
機能的価値は、選ばれるための土台です。
しかし、似たようなサービスが並んだとき、最後に背中を押すのは、安心や共感といった情緒的価値なのかもしれません。
技術を磨くことと同じくらい、自分の顔や考え方を誠実に伝えること。
その両方がそろって、初めて信頼は形になるのだと思います。
あなたの商品やサービスから、お客様にはどのような「気持ち」が伝わっているでしょうか。





