
- 「実務経験がない自分でも、本当に行政書士で食べていけるのかな…?」
- 「ホームページを作れと言われても、何をどう書けば信頼されるんだろう…?」
- 「SNSや名刺配りって効果あるのかな?もう迷子だよ…」
- 「ご祝儀案件が続くわけじゃないのは分かってるけど、この先どうすれば…?」
- 「やっぱり失敗したくないし、集客の正解が知りたい…」
上記のようにお悩みなら、この記事はきっとお役に立てます。
士業専門Web集客コンサルタントの、大林亨輔(おおばやし こうすけ)です。
私はこれまで多くの行政書士の先生方を支援し、開業1年目の集客や営業の悩みに寄り添ってきました。
今回の記事では、実務経験ゼロ、人脈・資金が乏しくても実践できる営業方法を体系的にお伝えします。
この記事を読むことで得られること
- 開業直後に陥りがちな「ご祝儀案件」への過信を防ぐ考え方
- ホームページ、名刺、ブログなど新人でも実行できる5つの営業施策
- 他士業とのネットワーク作りなど、見落としがちなポイント
- SNS活用の賛否や、顧客満足を継続につなげる仕組みづくり
それでは、具体的な内容に入っていきましょう。
行政書士開業1年目の営業方法を動画でわかりやすく解説
行政書士開業1年目の営業方法を、動画でも体系的にまとめています。
実際の集客ルートの作り方や、ホームページ・SEO対策・DM(ダイレクトメール)活用の具体例まで、
開業直後に役立つポイントを1本に凝縮しました。
この記事の概要:開業1年目の行政書士が知っておきたい営業の全体像
| ご祝儀案件に頼らず、長期的な集客基盤を構築する | 開業直後の数件の受任に安心していては危険である。
ホームページ開設や他士業との連携など、先を見据えた営業活動が必要である。 |
|---|---|
| ホームページとプロフィールで、人柄を伝える | ホームページは検索ユーザーの信頼を得るための必須ツールである。
プロフィール欄にプライベート情報を織り交ぜることで、敷居が高いイメージを払拭し、共感を得やすくなる。 |
| 既存人脈・他士業へのアプローチを重視する | 家族や友人、前職の同僚への開業報告や行政書士会の活動参加は、信頼関係を活かして仕事を得る近道となる。
他士業とのネットワーク作りも紹介案件を生む礎となる。 |
| SNSよりも、SEO対策・PPC(リスティング広告)を優先する | SNSは「潜在客」がいる媒体であり、受注につながる可能性は低い。
それよりも、検索エンジンからの集客に注力したほうが、安定した売上を確保しやすくなる。 |
| 顧客満足120%を目指し、リピートと紹介を獲得する | 顧客獲得はゴールではなくスタートである。
目の前の顧客に期待以上の価値を提供し、満足度を高めることでリピートや紹介が生まれ、安定した収入につながる。 |
これらについて、以下で詳しく解説していきます。
「ご祝儀案件」に惑わされないで
開業直後に、親戚や知人から数件の仕事が舞い込むことがあります。
私もサポートしている先生方から、「意外と仕事が簡単に取れるんだな」と安心してしまったと聞くことがあります。
しかし、これはあくまでビギナーズラック。
最初の数件に頼り切ってしまうと、その後仕事が途絶えたときに焦りやすくなります。
ですから、長期的な視点で営業ルートを作る準備を始めることが欠かせません。
行政書士:開業1年目の営業方法5選
(1) ホームページを作る:開業直後こそ、人柄が伝わるプロフィールが鍵
どんな媒体を使うにしても、検索されたときに事務所の情報が見つからなければ信用されません。私が支援してきた先生方の多くも、ホームページやブログからの問合せが最も安定しています。
そのため、ホームページは行政書士の開業準備に欠かせないツールです。
なぜホームページは必須なのか【体験談】
ある先生は、開業してまもなく、「行政書士会や商工会の人脈」「異業種交流会で出会った見込み客候補の人たち」と熱心に名刺交換をしていました。
しかし、名刺を見た方が事務所名で検索しても何も情報が出てこなかったため、問合せがほとんど来ませんでした。
そこでホームページを開設し、事務所概要や取扱業務を載せ、さらにプロフィール欄に趣味や家族の話を書いたところ、共通点を見つけた見込み客から親近感を持たれ、問合せが増えました。
この経験からも、ホームページで人柄を伝えることの重要性がよくわかります。
プライベートを盛り込むメリット
行政書士という肩書きは、敷居が高く感じられがちです。
プロフィールに趣味や家族のエピソードなどを盛り込むと、「親しみやすい人柄」を伝えられます。
例えば、趣味や家族とのエピソード、地元のおすすめ店などを具体的に書くと、共通点を見つけた読者が親近感を抱きやすくなります。
一点、例えば、趣味として「読書」のように書くだけでは、見込み客には共感してもらえません。
以下のように、少し深堀りして書いてあげると、「私も同じだ」「この人は仲間だ」と思ってもらえる可能性が上がり、結果、開業直後でも選ばれやすくなります。
プロフィール(趣味欄)の書き方(一例)
- 筋トレ:が好きで週に3回はジム通いをしています。息子とポケモンを楽しむことも癒しの時間です。
- 読書:ステイ・スモールというビジネス書が愛読書です。この本にある「規模の拡大ではなく、持っている知識をどんどん発信して共有していく」という考え方は、私の仕事の土台になっています。
- 地元ネタ:松本市のカフェ「○○」のコーヒーが大好きで、毎週末立ち寄っています。
これらを盛り込むことで、肩書きだけではなく「人柄」が伝わり、相談者のハードルが下がります。
ちなみに、行政書士のプロフィールの書き方のコツは、以下の動画でも詳しく解説しています。
(2) 開業のお知らせを送る:既存人脈へのアプローチ
SNSよりも先にやるべき営業が、家族や友人、前職の同僚への開業報告です。
既に自分を知っている人は信頼が築きやすく、仕事につながる可能性が高いからです。
名刺を用意して、家族や友人に渡したり、開業のハガキを送ったりといったアナログな手法は思った以上に効果があります。
名刺3種類の作り方と配り方
- 開業準備中の名刺:開業前の人脈づくりのために。
- スタンダード名刺:取扱業務はもちろん、趣味や得意分野、簡単なプロフィールを載せて人柄を伝える。
- 業務特化名刺:建設業許可や相続手続きなど、特定業務に特化した情報を載せる。
名刺は相手のニーズに応じて使い分けると効果的です。
また、開業報告のハガキや手紙に一言メッセージを添えて近況を伝えると、記憶に残りやすくなります。
なお、行政書士の名刺作成については、以下の記事もご参照ください。
>> 行政書士は名刺を3種作ろう│仕事・紹介を生むポイント解説
(3) 他士業とのネットワーク作り:ご近所の先生に挨拶
行政書士の仕事は単独で完結することが少なく、税理士や社会保険労務士など他士業との連携が欠かせません。
支部活動や勉強会などに積極的に顔を出し、同業だけでなく他業種の先生方にも積極的にご挨拶をすることをお勧めします。
こうした行動がきっかけとなり、仕事の相談や紹介につながるケースを多く見てきました。
行政書士会や商工会議所での行動例
- 新人研修や支部の懇親会には必ず参加し、名刺交換後にフォローの連絡をする。
- 商工会議所青年部や地域の異業種交流会に加入し、イベント運営などに積極的に携わる。
- セミナーや勉強会を自主開催し、講師として登壇することで専門家として認識してもらう。
人脈は一朝一夕には築けませんが、継続的な行動によって確実に広がっていきます。
(4) PPC(リスティング広告):今すぐ客にアプローチする
リスティング広告は、見込み客が「建設業許可 名古屋」のように具体的なキーワードで検索したタイミングで広告を表示できるため、短期的な成果が見込めます。
地域名や業務名を組み合わせたキーワードを選ぶことで、クリック単価を抑えながらホットな見込み客にアプローチできるのです。
少額の予算からテストを始め、反応を見ながら調整していくのがポイントです。
(5) ブログ更新とSEO:長期的に信頼を築く種まき
ブログを定期的に更新すると、ホームページ全体の情報量が増え、検索エンジンから評価されやすくなります。
私のクライアントの先生方の中には、開業1年目の売上のほとんどがブログ経由からの問合せだった方もいらっしゃいます。
ブログ更新はすぐに成果が出るわけではありません。
SEO対策を始めてから検索結果の1ページ目に表示されるまでに、3~6か月かかる場合が約半数を占めるというデータもあります。
だからこそ早めに種まきを始め、継続的に記事を書いていくことが大切です。
ブログを継続するためのポイント
- 検索エンジン(SEO)ではなく、あくまで「人が読んで役に立つ」ことを前提に考える。
- キーワードを自然に含める。例:「建設業許可の更新手続きの注意点とは?行政書士が解説」。
- 記事の最後に、問い合わせフォームや無料相談へのリンクを設置する。
ブログは長期的なファンを育て、リピートや紹介につながる重要な資産になります。
SNSは、頑張らなくていい
「SNSを頑張らなきゃ」
「先輩行政書士がみんな、X(旧Twitter)とかやってるし、自分もやらないと…」
そう思っているなら、ちょっと待ってください。
実は、SNSを頑張っても、そこまで仕事にはつながりません。
なぜかというと、SNSというのは「暇な人」が見ている媒体だからです。
マーケティング用語で言うと「潜在客」がいる場所であり、あなたに相談・依頼したい「今すぐ客」はSNSにはいません。
では、今すぐ客はどこにいるのか?というと、それこそ「検索」なのです。
悩みや課題がある人は、必ず検索します。
特に行政書士の業務のような「建設業許可」や「相続」について、SNSで調べる人は、あまり多くありません。
だからこそ、前述のような「ホームページ」「SEO対策」「PPC(リスティング広告)」が重要なのです。
ちなみに、SNSについては、以下の記事も参考になると思います。
>> 士業はSNSをやらないほうがいい?本当に効果がある集客方法とは
顧客獲得はスタート地点:継続的な満足が次の依頼を生む
見込み客の獲得はゴールではありません。
本当に大切なのは、「目の前のお客様に120%の価値を提供し、満足してもらうこと」です。
私が支援した先生方の中には、最初に依頼をいただいたお客様から、次の案件や紹介を何件も受けた方が多くいらっしゃいます。
お客様の声をホームページに掲載したり、更新時期に連絡を入れるなど、フォローアップを徹底することがリピートと紹介を生むのです。
よくあるご質問
Q. 行政書士が開業初期に取るべき集客方法とは?
A. 開業直後は「ご祝儀案件」に頼り切るのではなく、ホームページの開設、開業の知らせや名刺配布、他士業とのネットワーク作り、PPC広告、ブログ更新など複数の営業方法を組み合わせることが重要です。
オフラインとオンラインを併用し、自分の人柄や専門性を伝えることが成功の鍵です。
Q. ホームページの作り方のポイントは?
A. ホームページは「行政書士事務所の顔」として検索ユーザーに信頼感を与えます。
実際の調査では、企業やサービスを調べる際に86.3%が検索エンジンを利用し、SNS利用は3.4%に過ぎません。
さらに42.5%がホームページのない企業に不安を感じると回答しています。
(データ引用元)
【HPは重要!】42.5%が、ホームページが無いと「信用できる会社か不安になる」と回答
これらのデータからも、ホームページを整え、プロフィールに趣味や家族などプライベートな情報を盛り込み人柄を伝えることが重要です。
Q. プロフィール欄にプライベートな情報を書くメリットは?
A. 行政書士という肩書は敷居が高く見られがちですが、趣味や家族の話を加えることで共通点を見つけた読者に親近感を与えられます。
人は自分と似た人に好意を抱きやすいため、プライベート情報が共感を生み、問い合わせや契約に繋がりやすくなります。
Q. 開業のお知らせを送ることにはどんな意味があるのか?
A. 家族や友人、前職の同僚など既存の人脈に開業を知らせることで、信頼関係を活かした仕事の紹介が期待できます。
名刺3種類(開業準備名刺・スタンダード名刺・業務特化名刺)を用意し、相手のニーズに合わせて配布することで効果が高まります。
また、ハガキや手紙による報告は単純接触効果を生み、記憶に残りやすくなります。
Q. 他士業とのネットワーク作りのコツは?
A. 税理士や社会保険労務士など他士業との連携は、紹介や相談の機会を生みます。
行政書士会の支部活動や商工会議所のイベント、勉強会に参加し、雑務や運営を率先して手伝うことで信頼を得られます。
まずは先に与える姿勢が大切であり、人は親切にしてくれた人へお返しをしたくなる「返報性の原理」が働きます。
Q. リスティング広告やブログ更新の効果が出るまでどれくらいかかるのか?
A. リスティング広告は、検索意図が明確なユーザーに即座にアプローチでき、短期的な成果が見込めます。
一方、ブログ更新やSEO施策は長期的な取り組みであり、調査によると特定キーワードで検索結果の1ページ目に表示されるまでに3~6か月かかる人が全体の約50%を占めています。
この結果からも、ブログやSEOは早めに始め、継続的に記事を追加する必要があります。
Q. SNS集客はやるべきか?
A. SNSは無料で使える集客ツールですが、複数媒体に手を出すと時間が奪われます。
まずはホームページを固め、SEO対策・PPC(リスティング広告)で、検索エンジンからの集客を強化しましょう。
SNSは、その後からでも決して遅くはありません。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
本記事のポイントまとめ
- 開業直後の「ご祝儀案件」に安心せず、長期的な集客基盤を築きましょう。
- ホームページは人柄を伝えるメディア。開業1年目は特に、プロフィールにプライベートを盛り込み、共感を得ましょう。
- 既存人脈へのアプローチや他士業とのネットワーク作りを通じて、信頼関係を広げましょう。
- SEO(ブログ更新)、PPC広告で、「検索」からの集客を目指しましょう。
- 顧客獲得はスタート地点。120%のサービスとフォローアップでリピートと紹介を獲得しましょう。
この記事が、あなたの行政書士開業1年目の集客を成功させるきっかけになれば嬉しいです。
焦らず一歩ずつ、着実に実践していきましょう。






