先日、当社のクライアント様より、上記のようなご質問を頂きました。
そこで今日は、私自身の経験や、周囲の起業家仲間で成功している方の状況をふまえ、「起業時のワーク・ライフ・バランス」について解説します。
(いきなり結論)最初は、思いっきり仕事に没頭したほうがいい
結論から言うと、「最初は、思いっきり仕事に没頭したほうがいい」です。
(実際私も、独立開業(起業)した時は、朝3時に起きて、夜は23時くらいまで働いていました。
そして、これを3年くらい続けました。)
なぜ、最初は仕事に没頭したほうがいいのか?と言うと…
バランスが崩れないと、バランスは取れない
逆説的な話になるのですが、バランスというのは「崩れるまでは、最適なバランスは分からない」ものなのです。
例えば、自転車を思い浮かべて下さい。
自転車も、最初は転びながら、徐々に上手になっていきますよね。
- 走り出す
- バランスが崩れる
- バランスを元に戻そうとする
- また崩れる
- また戻そうとする
この繰り返しで、いずれ「最適なバランス」が体感できて、自転車に乗れるようになるのです。
そしてこれは、ビジネスも、人生も、同じです。
大事なのは「力の抜きどころ」を見極めること
独立開業(起業)して、仕事に全力投球していると、そのうち「力の抜きどころ」が分かってきます。
例えば
- あ、この仕事は、頑張っても、そんなに結果に影響しないんだな
- これは、時間的には少しの作業だけど、結果に大きく影響するんだな
のような感じですね。
「パレートの法則(80:20の法則)」でも言われていることですが、結果の80%は、20%の原因からもたらされます。
パレートの法則(80:20の法則)とは?
(例)
- 売上の80%は、20%の優良顧客が支払ってくれている
- ホームページの20%のページに、全アクセスの80%が集中している
- 成績上位20%の社員が、会社全体の売上の80%を担っている
つまり、「大事なものは、限られている」ということです。
これに気づくには、まずは仕事に全力投球するしかない。
私は、そう感じています。
振り切れると、自分が本当に大事にしたいものが見えてくる
仕事に全力投球して(振り切れて)みると、初めて、「自分が大切にしたい”ライフ”が見えてくる」ものです。
いったんバランスが崩れないと、人間、なかなか気づけないのです。
- 暑さを経験しないと、寒さのありがたみに気づけないように。
- 病気にならないと、健康の大切さに気づけないように。
それと同じで、仕事に一回振り切れてみないと、自分が本当に大切にしたい「ライフ(プライベート、家族、自分の趣味など)」も見えてこないのです。
(余談1)私が、「バランスを取るには、まず崩すことが大事」だと確信したキッカケ
さて、ここからは余談なので、読みたい人だけ読んで下さい。笑
私は筋トレが好きなのですが、筋トレには「オーバートレーニング」というものがあります。
簡単に言えば、「トレーニングのやり過ぎで、身体が回復できず、筋肉が逆に衰えてしまうこと」を指します。
筋トレをし始めたばかりの頃の私は、このオーバートレーニングを、過剰に恐れてしまっていました。
そして、無意識に、トレーニング量や強度を制限してしまっていたのです。
しかし、やってみないと、
「本当にオーバートレーニングになるのか?」
「自分の場合、どれくらいやったらオーバートレーニングになるのか?」
は分からないわけです。
同じトレーニング量でも、睡眠や栄養などの違いで、オーバートレーニングになったりならなかったりします。
そのことを知った私は、ある時、トレーニング量や強度を一気に増やしました。
その結果…
実際にやってみたら、一気に成長できた
なんと、恐れていたオーバートレーニングになることはなく、以前よりも遥かに早く成長できた(重い重量を持ち上げられるようになり、筋肉が大きくなった)のです。
ただ、これもやり続けていると、そのうち本当に、オーバートレーニング気味になってきました。
ここで、「あ、自分のとって最適なバランスって、この辺りなんだな」と体感できるわけです。
最初から制限していると、最適なバランスも分かりません。
結果、せっかく成長できるチャンスを失っている可能性があるのです。
このような経験もあって、「バランスを取るには、まず崩すことが大事」だと確信したのです。
(余談2)物理学でも、「バランスを崩す」ことの大切さが証明された
物理化学者のイリヤ・プリゴジン氏は、自然界が「自ら安定した状態を作り出そうとする(つまり、バランスを取ろうとする)」ことを発見しました。
これを、専門用語で「自己組織化」と呼びます。
しかし、自己組織化して安定してしまうと、それ以上の成長(変化)が起こりづらくなってしまいます。
そうなると、徐々に停滞し、いずれ衰退していきます。
すると、「ゆらぎ」という現象が発生します。
つまり、「今までに無かったこと」が起こって、バランスを崩すのです。
これにより、新しい成長のサイクルに入れる、ということなのです。
私は、この話を聞いて、「ワーク・ライフ・バランスも、これと似たようなものだな」と感じました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
結局、自転車の練習も、人生も、同じようなものなのです。
- 走り出す
- バランスを崩す
- バランスを整える
- また崩す
- また整える
この繰り返しです。
ぜひあなたも、「意図的にバランスを崩す」ことを、頭に入れておいてくださいね。
参考になれば幸いです。
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