
- 「毎日やることが多すぎて、頭の中が常にゴチャゴチャしている…」
- 「気づいたらスマホを手に取ってしまい、あっという間に30分が過ぎている…」
- 「1日が終わったとき、”あれ、今日は結局、何やったんだっけ?”と充実感がない…」
こんなふうに、自分の時間を誰かや何かに奪われているような感覚、ありませんか。
今回ご紹介する『とっぱらう―自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』は、そんな悩みを解決するための本です。
著者はGoogleやYouTubeで働いてきた経験をもとに、私たちが無駄にしている時間をどう取り戻し、どう「自分のため」に使うかを教えてくれます。
私自身もこの本を読んでから、仕事や日常の時間の使い方が大きく変わりました。
本記事では、本書のエッセンスの中から特に実践的で効果を感じたポイントを3つに絞ってご紹介します。
士業専門Web集客コンサルタントの、大林こうすけ(おおばやし こうすけ)です。
ここでは、当社スタッフの小倉杏奈との対話もはさみながら、この本の魅力をお伝えしていきたいと思います。
本の概要紹介
『とっぱらう―自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』は、単に「効率よく働く」ための時間術ではありません。
著者はGoogleやYouTubeでプロダクト開発に関わってきた人物で、情報の洪水にさらされる環境の中で「どうすれば自分の時間を守れるのか」を追求してきました。
その答えが、この本で紹介されている4つのステップです。
- ハイライト:その日一番大事な仕事を決める
- レーザー:注意をそらす要因を徹底的に減らす
- エネルギー:体と心を整えて、集中力を持続させる
- チューニング:一日を振り返り、改善していく
これらはすべて、特別な才能や強い意志力がなくても実践できる内容です。
一般的な時間管理の方法って「やることリストを1つでも多く片付ける」みたいな内容が多いよね。
この本のポイントは、ただ単に「効率を高める」んじゃなくて、「自分のために時間をつくる」っていうところなんだよ。
他人の期待に応えるだけじゃなくて、自分の人生を取り戻すっていうところがポイントなんだ。
ポイント①ハイライト & スプリント
本書の中で特に印象的だったのが「ハイライト」と「スプリント」という考え方です。
ハイライトとは?
ToDoリストは他人からの依頼で埋まりがちですが、ハイライトは「自分が今日クリアしたいこと」にフォーカスします。
例えば、私の場合だったら「Youtube撮影のための資料作成」のようなイメージです。
目標ほど大きくなく、ToDoよりも意義のあるサイズ感だからこそ、日々の満足感につながります。
スプリントとは?
期間をあけずに集中することで、「一度やった作業を思い出す(どこまでやったっけ?など)」という認知の負荷をなくし、短時間で大事な仕事を終えられるようになります。
私自身、以前はYouTube動画を作るときに、以下のように週ごとに工程をバラしていました。
- 1週目:ネタ出し
- 2週目:資料の下書き
- 3週目:資料作成
- 4週目:撮影
しかし、この本をきっかけに「4日間まとめて、集中して取り組む」というスプリント方式にしてみたのです。
つまり、以下のような感じです。
- 月曜日:ネタ出し
- 火曜日:資料の下書き
- 水曜日:資料作成
- 木曜日:撮影
このようにしたら、認知の負荷が減って驚くほど効率が上がりました。
時間にして、以前の約70%の時間で終わらせることができたのです。
以前のやり方でも、「そんなに非効率じゃないはず」と思っていたのですが…
まとめて処理することで効率はまったく違うのだと実感しました。
ちょっと試してみたくなります。
集中のリズムが途切れないだけで、効率も仕上がりもまったく違ってくるんだ。
ポイント②注意の切り替えを減らす
私たちの脳は、「作業の切り替え」に膨大なエネルギーを消耗します。
簡単な実験(ぜひやってみてください!)
簡単ですよね。
次に、数字を「1234567」と言ってみてください。
これも簡単ですよね。
ところが、「A1、B2、C3…」のように交互に言おうとすると、どうでしょうか?
急に時間がかかり、ミスも増えてしまいます。
“作業量”は同じなのに、結果はまったく違うのです。
これは仕事でも同じです。
例えば、「資料を作りながら、ちょっとメールをチェック…」「Zoom会議の合間に、ちょっとSNSをチェック…」といったマルチタスク。
一見、効率的に思えますが、実は逆効果なのです。
研究によると、マルチタスクをすると30%余計に時間がかかり、ミスは約2倍に増えるといわれています。さらに、カリフォルニア大学のグロリア・マーク教授の調査では、注意が途切れた後、再び集中するまでに平均23分15秒かかることも分かっています。

私自身も、起業当時は仕事中にメール通知が来るとすぐに対応していましたが、集中が途切れてしまい、全体的な効率が落ちていました。
メール返信は、「仕事そのもの」ではなく、「仕事のための仕事」なので、仕事している気になるだけで、実際の仕事は進んでいないんですよね。
そこで、メール対応の時間を固定し、「その時間まではメールは見ない!」ようにしたところ、効率が一気に上がったのです。
つまり、注意を奪うものを減らして「一度に一つのこと」に取り組むだけで、作業の質もスピードも大きく変わるのです。
切り替えのたびに集中がリセットされるから、効率も成果も落ちてしまう。
だから、スマホの通知はオフにして、メールソフトやSNSも閉じておいたほうがいいんだよね。
ポイント③60分おきに休憩する
仕事に集中していると、「もう少し進めたいから、休憩は後回しにしよう」と思うことがありますよね。
ですが実際には、休憩を取らない方が効率は落ちてしまいます。
(参考)F1レース
どんなに速いマシンでも、ピットインせずに走り続ければすぐに性能は落ちてしまいます。
むしろ、短時間のピットインで燃料やタイヤを整えるからこそ、最後まで高いパフォーマンスを維持できるのです。
人間の脳も同じです。
脳科学的には、60分~90分に1回はタイマーをかけて、意識的に休憩を挟むことが推奨されています。
例えば、こんな休憩方法があります。
- 目を閉じて数分間ぼんやりする(人間は、視覚から情報の70%以上を取得していると言われるので、目を閉じるだけでも脳が休まります)
- 席を立って歩く
- トイレ休憩で軽く体を動かす
- ランチ後に10~15分の昼寝(パワーナップ)
私自身も、以前は「休憩=時間の無駄」と考えていましたが、今では逆に休憩を取らない方が大きな損失だと感じています。
短い休憩で脳をリセットすると、その後の集中力が驚くほど回復するのです。
少し立ち止まるだけで、その後のパフォーマンスが全然違う。
僕も休憩を意識するようになってから、1日の後半の生産性がかなり変わったんだ。
Web上の「とっぱらう」感想・レビュー
X(旧Twitter)を調べたところ、以下のような感想・レビューを見つけました。
何も考えずに受け入れてしまっているデフォルトを探してとっぱらう!本書を読んでいる最中にスマホからアプリを10個以上削除しました。ホーム画面もスッキリ!
『とっぱらう』 pic.twitter.com/d072Lrh3yb
— ほったけんた (@mottajapan) September 14, 2025
28冊目「とっぱらう」読了。何件か書店を回って、やっと見つけた1冊。まずは寝室のスマホを持ち込まないことから始めてみる。タイムマネジメントに関心が高い私に合っていました😊#読了 #読書好きな人と繋がりたい #とっぱらう #時間術大全 pic.twitter.com/EJPoip84sJ
— やさいぱん (@shosntm) August 30, 2025
今話題の本。
「Make Time」という英語を「とっぱらう」というタイトルに変換した編集者さんのセンスを脱帽。元々は「時間術大全」として出ていた本の新装版だけど、このタイトルにしたことでまた新しい命を吹き込まれたんじゃないかなと個人的には思います。… pic.twitter.com/Dbb5rNr4y7
— 宮寺拓馬(書籍編集者) (@takuma_miyadera) August 22, 2025
とっぱらう
時間ハック系の本は買ってしまう
短時間で沢山をこなすのではなく、大事な事をやるための時間を作るテク?を解説してくれるらしい
めっちゃタスクこなしたから、幸せとか有能って訳じゃないんだよねー
重箱の隅の些細な事ばかり突かずに、大事な事をやりたい pic.twitter.com/rdNXr4coq1
— ざき@IoTエンジニア (@zaki134rp) September 25, 2025
やっぱり再現性が高い方法なんだと思うよ。
まとめ
今回ご紹介した本『とっぱらう―自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』には、日々の仕事をより効率的に、そして自分らしく進めるためのヒントが詰まっています。
- 1日の「ハイライト」を決め、「スプリント」で一気に処理する
- 注意の切り替えを減らし、集中を持続させる
- 休憩を戦略的に取り入れる
これらを意識するだけでも、時間の使い方は大きく変わります。
私自身、実践してみて「ただがむしゃらに頑張る」のではなく「集中と休息のバランスを整える」ことの大切さを実感しました。
ちなみに、禅には「少即是多(しょうそくぜいた)」という言葉があります。
余計なものを削ぎ落とし、少ないことに集中するほど、結果的に豊かな成果が得られるという意味です。
忙しさに流されるのではなく、本当に大切なことに集中する。
その積み重ねが、自分の時間を取り戻し、仕事も人生もより充実させる近道になるのだと思います。
ご興味があれば、ぜひ本書を手に取ってみてください。






