
- 「どの業務を選べばいいんだろう?」
- 「今、伸びてる専門分野って、何だろう?」
士業は、扱う業務が多いので、どの業務に特化するか?迷っている方も多いと思います。
事実、集客できている事務所とそうでない事務所には、明確な“差”が生まれつつあります。
そしてその差は、本人の努力や誠実さだけで決まっているわけではありません。
むしろ―
「どの業務(専門分野)に注力しているか」
「どういう見せ方をしているか」
という“戦略面”が、成果を大きく左右しているのです。
士業専門Web集客コンサルタントの、大林亨輔(おおばやし こうすけ)です。
私はこれまで、全国の士業の方々に向けて、Web集客やマーケティングの支援を行ってきました。
その中で気づいたのは、反響の出ている事務所には“選ばれる理由”があるということです。
今回の記事では、直近の2024~2025年時点で、
特に伸びていると感じる業務や分野について、
士業別に具体的な動向や背景、差別化のヒントを交えて解説していきます。
「今後どの業務に力を入れていこうか…」と悩んでいる方にとって、
少しでもヒントになれば幸いです。
(よろしければ、ブックマークして後で読み返していただけると嬉しいです)
行政書士
入管業務(ビザ)
少子高齢化と労働力不足が深刻化するなかで、
日本ではここ数年、外国人労働者の受け入れが大きく進んでいます。
以下は、就労ビザの申請件数の推移ですが、明らかに右肩上がりで伸びていますよね。
制度面でも、特定技能ビザをはじめとした在留資格の緩和や拡充が進み、
国としても積極的に外国人材を迎え入れる方針を打ち出しています。
こうした背景のもと、企業側も“外国人を雇いたい”というニーズが高まり続けており、
行政書士が関与できる「ビザ申請」「在留資格変更」「更新」などの手続きは、今後さらに増えていくと見込まれます。
また、制度の変化と連動して助成金や支援金制度なども整備されつつあり、
人手不足に悩む企業にとっては、“外国人雇用+制度活用”が非常に現実的な選択肢となってきています。
実際に、当社のクライアントでも
「ビザ専門」で安定集客を実現している行政書士事務所が複数あります。
中には、月10件以上、安定して集客できているケースも。
また、以下のように、リピートや紹介が生まれやすいのも魅力の1つです。
リピート・紹介も期待できる
- 就労ビザを取得した外国人が、家族を日本に呼びたいとなり、家族滞在ビザも必要になる
- 外国人のコミュニティで、「あの行政書士事務所でビザ取得できたよ」と紹介される
このように、入管業務は「需要が伸びている × リピートや紹介も生まれやすい」分野であり、行政書士として、これから本格的に取り組む価値が非常に高い業務だと考えています。
なお、入管業務(ビザ)の魅力については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>> 行政書士の「入管業務」は儲かる!データを元に将来性・魅力を分析
創業融資
融資業務は、成功報酬のため、1件あたりの単価が高いのが嬉しいところです。
さらに、私が行政書士の新たな差別化戦略として注目しているのが、
「銀行融資診断士」とのダブルライセンスです。
この資格は、2022年に創設された比較的新しい資格で、
金融機関や創業支援の分野で活用される
“融資の目利き”を育成する専門資格として設計されています。
ポイントは、難易度が比較的低く、かつ実務との親和性が高いこと。
行政書士が日常的に扱う手続きと、非常に相性が良いのです。
たとえば:
- 会社設立手続きとセットで「創業融資支援」までサポート
- 飲食店営業許可の取得+融資サポートで、「開業パッケージ」を提案
このように、もともとの行政書士業務に“+αの提案価値”を加えることで、
他事務所との差別化を実現しやすくなります。
また、「銀行融資診断士の資格を保有している」というだけでも、
見込み客に“融資に強い事務所”という印象を与えることができ、信頼感や安心感の醸成にもつながります。
(銀行融資診断士、っていうネーミングを見るだけで、その資格を知らない人でも、「この人は融資に詳しそう」と伝わりますよね)
実際に、当社がサポートしている行政書士事務所の中にも、
この資格を取得し、「創業融資」に特化したホームページを展開している方がいらっしゃいます。
このように、業務内容だけでなく「資格保有 × 見せ方」で差をつけられる戦略は、
営業が苦手な行政書士の方にとっても、非常に効果的な集客手法となり得ます。
相続業務(差別化と見せ方の工夫)
相続業務は、多くの行政書士が「取り組みたい」と考える分野の一つです。
高齢化が進む日本において、ニーズのある領域であることは間違いありません。
しかし実際には、
「税理士や司法書士、弁護士などとの競合が激しく、行政書士では選ばれにくい」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
たしかに、相続業務自体は行政書士の独占業務ではありません。
そのため、「行政書士である理由」が見えにくいままでは、なかなか選ばれにくいのが実情です。
だからこそ大切なのが、“誰のための相続か”を明確にすることです。
つまり、サービスの中身を変えるのではなく、“見せ方”を変えることが、最大の鍵となります。
たとえば、以下のような切り口でサービスページを分けることで、
ユーザーに「これは自分のためのサービスだ」と感じてもらいやすくなります:
- おひとり様の相続(身寄りがない方、親族との関係が薄い方)
- 子どもがいないご夫婦の相続(配偶者にすべて残す方法など)
- 相続人が外国籍の国際相続(在外親族との手続き支援)
- ペットを飼っている方の“遺言”による備え
ここで大切なのは、提供するサービスの実態はほとんど同じであっても、
「お客様の悩みごと」に合わせて訴求の仕方を変えるだけで、問合せ数が大きく変わるということです。
これは、私が支援してきた行政書士事務所の中でも、
実際に成果が出ている“相続特化型のホームページ戦略”の特徴でもあります。
人は、「この先生、私のことを分かってくれてる気がする」と感じたときに、
初めて「相談してみよう」と思うものです。
競合の多い分野だからこそ、
“サービスの中身だけではなく、悩みに寄り添う見せ方”が、選ばれる大きな分かれ道となります。
社会保険労務士
障害年金(特に精神疾患)
障害年金は、社会保険労務士が扱える専門業務の中でも、
“成果が出やすい分野”として注目し続けている業務のひとつです。
中でも近年、特に伸びているのが、
「精神疾患」に関する障害年金の申請サポートです。
うつ病、不安障害、発達障害、統合失調症―
こうした疾患に悩む方の増加に伴い、年金請求の件数も年々増加傾向にあります。
実際に厚労省の統計でも、精神疾患による申請は他の障害を大きく上回る伸び率を示しており、
今後もニーズが高まっていくと考えられます。
以下は、障害年金の申請件数の推移ですが、精神疾患の件数が明らかに多いことが分かりますよね。
ポイントは以下です。
- 特に都市部では「精神疾患に特化」することで、既存のライバルと差別化しやすい
- 病名別(うつ/発達障害/統合失調症など)にLP(ランディングページ)を用意することで反応率が向上
- 受給者本人だけでなく、ご家族(親・配偶者)からの相談も多い
など、“絞れば絞るほど反響が取りやすい”構造になっていることが挙げられます。
また、精神疾患の当事者は
情報収集や比較が苦手なこともあるので、
「安心感・信頼感のある言葉選びやデザイン」も非常に重要です。
実際に、当社がご支援している社労士の中にも、
「精神疾患特化のホームページを出した月から、毎月20件以上の問い合わせが安定して入るようになった」
という成果を出されている方が複数いらっしゃいます。
社会的意義も高く、収益性も見込めるこの分野は、
これから社労士業務に力を入れていく方にとって、検討してほしい分野の一つだと私は考えています。
なお、障害年金業務の魅力については、以下の記事でも詳しく解説しています。
>> 社労士向け「障害年金は儲かる?」特化事務所の生の声も紹介
社労士の顧問契約は、導線設計が重要
社会保険労務士の方々とお話ししていると、
よく聞かれるのが「顧問契約を増やしたい」というご相談です。
たしかに、社労士のビジネスモデルにおいて、
毎月の安定収入を生み出せる“顧問契約”は理想的な存在です。
しかし一方で、
「ホームページで顧問契約をメインで打ち出しても、なかなか反応が取れない」
というケースも非常に多くあります。
その理由は明確で、顧問契約は“予防的サービス”であるがために、
「検索されづらい」「顧客の気持ちがホットじゃない(今すぐ必要なものじゃない)」からです。
つまり、まだ困っていない人からすると、
「毎月お金を払ってまで社労士と契約する理由が見つからない」状態なのです。
では、どうすればよいか?
答えはシンプルで、
“今、困っている人”の悩みから入ることです。
たとえば:
- 社会保険に未加入のままなので、手続きが必要
- 問題社員がいて、解雇や指導の仕方に悩んでいる
- 会社の中でこんなトラブルがあった、早くなんとかしないと
こういった“お尻に火がついている状態の悩み”に対して、
まずはスポット業務や相談対応をきっかけに接点を持つ。
その中で
「今後、同じようなトラブルを未然に防ぐために、顧問契約という選択肢もありますよ」と案内する。
この導線が、もっとも自然で反応が出やすいのです。
実際、社労士顧問をとれている事務所ほど、
この“顧問につながる入り口の設計”が非常に上手です。
顧問契約を前面に出すのではなく、
「治療的な悩み」をきっかけにし、そこから“予防的な関係”へとつなげていく。
この流れを意識することで、
無理に売り込むことなく、顧問契約へつなげる仕組みができあがります。
社労士業務において、「集客」と「継続」をつなげるためには、
この“段階的な導線設計”という視点が欠かせないのです。
税理士
相続税申告・生前対策
高齢化の進行などにより、相続・生前対策は、
需要が伸びている分野の一つになりつつあります。
実際、野村資本市場研究所のデータによると、相続市場は右肩上がりで成長していますし、
国税庁のデータでも、年間死亡者数は2040年頃まで増加すると予測されています。
さらに、2024年には「相続登記の義務化」や「贈与税の暦年課税の見直し」など、
制度面でも変化があり、ユーザー側の関心や不安も高まっているタイミングです。
ちなみに、当社のクライアントも、相続・生前対策の集客に成功しており、以下のようなお声も頂いています。
当社クライアントのお声
内2件が相続税申告、3件が生前対策関係です。
問い合わせ件数だけで見ると非常に多いわけではありません。
一方で、受注率は80~90%くらいなので、
1回1回の確度がかなり高いです。
恐らく他の相続専門の会計事務所と比べて
空回りは少ないと思っています。
郵便局や電車のつり革広告など色々試していましたが、
ここまで効率がいいのはwebが初めてです。
業種特化型の税務顧問
もう一つ、着実に成果が出ているのが「業界特化によるブランディング」です。
たとえば:
- 歯科医院・クリニック専門の税務顧問
- 介護・福祉施設に強い税理士
- 飲食業に特化した税務顧問&コンサルティング
このように業種を絞ることで、“○○業界に詳しい先生”という印象を持ってもらいやすく、
顧問契約への敷居をグッと下げることができます。
業界に特化していくことで、
- 業界独自の経費処理や補助金・助成金の知見が蓄積される
- 顧客の言葉を深く理解できるようになる
- 同業からの紹介や口コミが生まれやすくなる
など、中長期的な集客効率・紹介率の向上にもつながっていきます。
司法書士
家族信託
司法書士業務の中でも、今特に注目されているのが、「家族信託」です。
高齢化が進む中で、認知症対策や資産凍結リスクに備えたいというニーズが高まっており、
生前対策の選択肢として「信託」という手段が一般化しつつある状況です。
「親の認知症が進んだら、財産が凍結されるのでは?」
「施設に入った後の自宅の売却って、家族だけでできるの?」
こうした不安の声に対し、柔軟に対応できるのが家族信託の特徴です。
そしてこの家族信託は、司法書士がリードしやすい構造が整っています。
なぜなら、信託契約書の作成・信託登記の手続きなど、
家族信託に必要なプロセスは、司法書士のスキルと業務範囲に合致しているからです。
(なお、司法書士は、会社設立手続きだと、税理士と比較された時に、不利になることがあります。
税理士は「設立は0円+顧問料」で利益を伸ばしているので、どうしても設立で報酬を頂く必要があると、選ばれづらくなってしまうのです)
その点、家族信託は:
- 報酬単価が高い
- 「生前対策 × 想いの継承」という、信頼性を重視する領域で差別化しやすい
- 顧客側の“情報格差”が大きいため、丁寧な解説=価値につながりやすい
といった特長があります。
実際、私が支援している事務所でも、
「家族信託に特化したホームページを出したことで、月5件以上の問合せが安定的に入るようになった」
という成功事例もあります。
弁護士
離婚・慰謝料請求
弁護士業務の中でも、Web集客との相性が非常に良いとされるのが、
この「離婚」「慰謝料請求」「男女問題」といった分野です。
その理由は、ズバリ―
“相談者の感情が強く揺れている状態”であるため、検索・問合せに直結しやすいからです。
離婚や浮気・不倫による慰謝料請求は、冷静な損得勘定よりも、
「誰かに助けてほしい」「今すぐ相談したい」という、
“衝動的なニーズ”が働くジャンルでもあります。
実際、こうした悩みを抱えた方は、
- 「離婚 弁護士 相談」
- 「不倫 慰謝料 相場」
- 「浮気 証拠 裁判」
など、切羽詰まったキーワードで検索する傾向が強く、
SEO/リスティング広告/LINE予約導線との相性が抜群に良いのが特徴です。
さらにこの分野は:
- 成功報酬型の料金体系になり、顧客単価が高くなりやすい
- 相談者側の「味方になってくれる人を探している」という心理が強い
など、集客だけでなく事務所の収益面でも好循環を作りやすい構造を持っています。
ただ、離婚に特化したホームページも増えてきている中、
ただ単に「離婚のことなら、ご相談ください」と打ち出しても、集客は難しいものです。
そうではなく、例えば
「相手の弁護士から、突然手紙が来た方へ」
「離婚を検討している会社経営者様へ」
のように、ターゲットを明確にし、「これは、あなたのためのサービスなんですよ」と分かりやすく打ち出すのがポイントになります。
ターゲットを明確にし、寄り添う見せ方ができるかどうかが、
競合が多い中でも選ばれるかどうかを大きく左右するのです。
時代のニーズに応える“選択”を
士業の仕事は、法律や制度に基づいた“手続き”であると同時に、
依頼者の悩みや不安に応える“サービス”でもあります。
だからこそ、
「どの分野に注力するか」という戦略は、
単なる業務選択ではなく、事務所の未来そのものを左右する重要な意思決定です。
本記事でご紹介した業務や分野は、
いずれも私が現場でクライアントを支援する中で、
実際に成果が出ている“伸びているテーマ”です。
もちろん、地域性やご自身の得意・不得意、これまでの経験との相性もあるかと思います。
競合が多い今の時代において、
努力や誠実さだけでは結果が出づらくなってきているからこそ、
「何に注力するか」と同時に、
「どう見せるか」という視点が必要になります。
この記事が、そうした未来設計の一助となれば幸いです。
どの業務に特化するか?お悩みの士業様へ
もしあなたが、注力すべき専門分野を決めかねているなら…。
当社が提供している、士業専門ホームページ制作ライトプランでは、お申込前に、「どの業務が安定集客できるか?」を無料診断しています。
プランの詳細は、以下のページで詳しく解説していますので、ご興味あればご確認のうえ、無料診断をご利用ください。