
先日、新しいワイヤレスイヤホンを買いに、家電量販店へ行きました。
以前使っていたものが壊れてしまったため、買い替えようと思ったのです。
私はスポーツジムで音楽を聴きながらトレーニングすることが多いので、イヤホンは欠かせません。
ところが、売り場へ行ってみると、困ってしまいました。
たくさんの商品が並んでいるのですが、正直、どれを選べばいいのか分からなかったのです。
これはイヤホンの話ですが、私はそのとき、
「士業のホームページでも、まったく同じことが起きているかもしれない」
と思いました。
機能を説明されても、選べなかった
売り場を見ると、
- 「高音質」
- 「ノイズを抑える」
- 「クリアな音」
- 「快適な装着感」
など、それぞれの商品の特徴が紹介されています。
どれも大切な機能なのだと思います。
ただ、私が知りたかったのは、そこではありませんでした。
私の希望は、とても単純です。
- 「スポーツジムで使いたい」
- 「ジャンプやダッシュをしても、耳から外れにくいものがいい」
- 「音質には、そこまでこだわらない」
これだけです。
結局、その場でAI(チャットGPT)に自分の使い方を伝えて、候補を3つほど挙げてもらい、その中から購入しました。
この経験から感じたのは、
お客様が知りたいのは、商品の機能そのものではなく、「自分の用途に合っているか」なのだ
ということです。
「スポーツをする人には、これ」でよかった
もし売り場に、
- ランニングやジムで使いたい人向け
- 通勤・通学で使いたい人向け
- 音質にこだわりたい人向け
という、「用途別」の案内があったら、私はもっと簡単に選べたと思います。
商品の機能は同じでも、「誰が、どんな場面で使うものなのか」が分かるだけで、選びやすさは大きく変わります。
マーケティングでは、つい自分たちの商品やサービスを説明したくなります。
「こんな機能があります」
「こんなことができます」
提供する側は商品をよく知っているので、どうしてもこの視点になりがちです。
でも、お客様の頭の中にあるのは、商品ではありません。
自分が今抱えている「困りごと」なのです。
お客様は「相続手続き」を探しているわけではない
これは士業のホームページでも同じだと思います。
例えば、「相続手続き代行」というサービスについて考えてみます。
事務所側からすると、
- 「必要書類を収集します」
- 「この書類を作成します」
- 「この手続きを代行します」
と説明したくなります。
これらはサービスの機能です。
もちろん必要な情報ですが、お客様が最初から知りたいこととは限りません。
例えば、
- 「亡くなった親がペットを飼っていたけれど、どうすればいいのだろう」
- 「相続人の中に外国人がいるけれど、普通の相続と同じなのだろうか」
と悩んでいる方もいるでしょう。
その方にとって重要なのは、「相続手続き代行」というサービス名ではありません。
「自分のこの悩みを、この先生は解決してくれるのか」
そこなのです。
サービスではなく、「悩み」を入口にする
だから私は、士業のホームページを作るときにも、「何ができるか」だけでなく、「誰の、どんな悩みを解決するのか」を具体的にしたほうがいいと考えています。
つまり、「用途別(お客様の悩み別)で、サービス紹介ページを分ける」のです。
例えば同じ相続業務でも、
- ペットがいる相続にお困りの方へ
- 相続人に外国人がいる方へ
- たくさんの相続人がいて、みんな遠方に住んでいて手続きを進められない方へ
というように、お客様の悩みごとに情報を用意することができます。
扱っているサービスは同じでも、入口を変えるのです。
私はこれまで士業のWeb集客を支援する中で、「お客様は、士業を探しているのではなく、自分の悩みを解決してくれる専門家を探している」と伝え続けてきました。
今回イヤホンを買ったとき、私自身がお客様の立場になったことで、そのことを改めて実感しました。
AIが便利だった理由も、同じだった
今回、AIが便利だったのは、商品知識が豊富だったからだけではありません。
私が、
「ジムで使う」
「ジャンプする」
「外れにくいものがいい」
という自分の状況から相談できたからです。
つまり、商品から探したのではなく、悩みから探せたのです。
これからAIを使って士業を探す人が増えていけば、
「相続に強い行政書士を教えて」
だけではなく、
「こういう状況で困っているのだけれど、誰に相談すればいい?」
という探し方も、より自然になっていくと思います。
そう考えると、ホームページに具体的な悩みや事例を残しておくことは、人にとってもAIにとっても、その事務所の専門性を理解する手がかりになるのではないでしょうか。
まとめ
イヤホン売り場には、たくさんの商品があり、たくさんの機能が紹介されていました。
それでも私は、選べませんでした。
足りなかったのは、情報量ではなかったのだと思います。
「あなたなら、これが合います」
そう分かるための視点でした。
マーケティングも、同じなのかもしれません。
自分たちが何を提供できるかを一生懸命説明するよりも、まずはお客様がどんな場面で困っているのかを想像してみる。
そこから見える景色は、少し違ってくるように思います。
あなたのホームページは、「機能」紹介だけになっていませんか?
ぜひ、お客様の「悩み(用途)」の視点で、ホームページを改善してみてくださいね。





