先日、クライアントのMさん(税理士)から、以下のような相談を受けました。
いろいろ考えて、こんなコンサルティングサービスを提供してみたらどうかなと考えているんですが、どう思いますか?
つまり、「新商品(新サービス)開発」の相談です。
今日は、こういった商品開発の際のポイントについて、解説します。
商品開発の時に気をつけたい、3つのポイント
商品開発と言うと、多くの場合、「サービス内容」「利益率」「価格設定」などの話がメインになりがちです。
確かに、そういった点も大事です。
しかし、私は、もっと大事なポイントがあると考えています。
それが、以下の3つです。
(1)自分の時間が、過度に取られないか?
新サービスを企画する時には、「自分の時間が、過度に取られないか?」という視点が、とても大事です。
「時は金なり」という諺もありますが、いくら単価が高くても、時間が取られてしまうサービスだと、うまく続かなくなります。
お金はいくらでも増やせますが、時間は増やせません。
自分の手持ち時間全てを使い切って仕事をするのは、得策ではないのです。
最初は頑張れても、いずれ疲弊し、後悔することになります。
そのため、「余力を残して提供できるサービス内容・価格設定にする」ことを、強くお勧めします。
例:1対1ではなく、グループコンサルティングにする
先ほどの税理士Mさんのケースで言えば、1対1のコンサルティングは、確かに単価は上げやすいです。
(顧客1人のために時間を使うことになるので、単価アップできる口実になりますよね。)
しかし、1対1のコンサルティングが、10件20件と増えてしまったら、時間を取られすぎることになります。
であれば、例えば「グループコンサルティング(1対多)」の形式にする、という選択肢も考えられますよね。
1対多であれば、1件あたりの顧客単価は、低く設定することになるでしょう。
しかし、多くのクライアントが集まれば、時間あたりの単価は、1対1のコンサルティングよりもアップすることだってあります。
士業やコンサルタントは、労働集約型のビジネスです。
過度に時間を取られると、身動きが取れなくなってしまいます。
このように、「なるべく時間を取られないようにする」という視点は、とても大事です。
(2)自分が本心からやりたいか?ワクワクするか?
私の経験上、「儲かるから、コレをやろう!」と思って始めたことは、だいたい挫折します。
「儲かるから」という理由だけだと、モチベーションが続かず、やればやるほど苦しくなってしまうことにもなります。
私がお勧めしている判断基準は、「自分が本心からやりたいサービスなのか?」「そのサービスを提供することを考えると、夜も眠れないくらいワクワクするか?」です。
ワクワクするものの方が、最終的には、上手くいくのです。
例:コンサルティングではなく、セミナー形式にする
先ほどの税理士Mさんのケースを考えてみましょう。
実はMさん、対面のコンサルティングは、「そこまで得意でもなく、ワクワクもしない」とのことでした。
よくよく聞いてみると、Mさんがワクワクするのは、「セミナー形式で、10~20人くらいの前で話している時」だったのです。
であれば、根本的に、コンサルティングではなく、セミナー形式の新サービスにしてしまったほうが、上手くいくだろうと予想できます。
セミナーをDVD化したりすれば、より多くの人に価値を届けることもできますよね。
(3)自分が発信するメッセージに気をつける
(1)と(2)は、新商品(新サービス)開発のお話でした。
この(3)は、「新商品(新サービス)を開発した後、どうやって集客していくか」についてのお話です。
結論から言うと、「自分が付き合いたいお客様に刺さるメッセージ(表現)にする」というのが、大事なポイントになります。
どういうことか?
分かりやすいように、事例を挙げて解説します。
例:税理士が「顧問契約」を集客したいなら
税理士の顧問契約を例に挙げてみましょう。
税理士のスタンスとして、大きく分けると「自計化推進派」と「丸投げお任せ派」の、2つのスタンスがあるかと思います。
- 自計化推進派:記帳は関与先でやってもらう
- 丸投げお任せ派:記帳もすべて丸投げできるようにする
極論すれば、好みの問題でもあるので、どちらのスタンスが良い悪いということはありません。
しかし、大事なのは「自分が付き合いたいお客様に刺さるようなメッセージを伝えていく(情報を届けていく)べきだ」ということなのです。
上記のように、求める顧客像によって、その顧客に刺さるメッセージを伝えていく(情報を届けていく)ことが大事なのです。
- あなたは、どんなお客様と付き合いたいでしょうか?
- その人達は、どんな情報に興味がありそうでしょうか?
これらを考えた上で、ブログやSNSで情報発信すると、あなたに合う顧客を集客できます。
まとめ
先ほどお伝えしたように、「儲かりそうだから」という理由でスタートすると、失敗します。
「あなたの時間」「ワクワク(感情面)」「発信するメッセージ」もふまえ、新商品(新サービス)の企画・開発に取り組んで頂ければ幸いです。