士業専門Web集客コンサルタントの、大林亨輔(おおばやし こうすけ)です。
今日は、「行政書士にお勧めの、稼げる専門分野」というお話をします。
行政書士は、どの業務を専門分野にするか?で、売上も大きく違ってきます。
開業したばかりだったり、新人の行政書士の方には特に役立つお話だと思いますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
動画での解説はこちら
この記事の要点を、以下の動画で解説しました。
専門分野を決めるメリット×3
(1)集客・営業に強くなる
検索エンジン(GoogleやYahoo)は、専門的なサイトを上位表示させます。
例えば、「●●行政書士事務所」よりも、「建設業許可の特化サイト」のほうが、建設業許可に関連するキーワードで検索された時に有利なのです。
独立開業しても、そもそも集客できないと、お金になりません。
そういった意味でも、集客しやすい専門分野を選択するのは、とても大切なのです。
レストランで考えてみる
専門分野の絞られていないホームページは、言ってみれば、どんなメニューもある「ファミリーレストラン」のようなものです。
一方、専門分野が絞られているホームページは、「専門店」のようなものです。
例えば、サイゼリヤ(イタリアン専門)や、マクドナルド(ハンバーガー専門)ですね。
街を歩くと、昔ながらのファミレスは、あまり見かけませんよね。
ハンバーグもある、ラーメンもある、和風定食もある。
でも、お客様から見ると、あまり魅力的に見えないのです。
「何でもある=専門的ではない=そこまで美味しくない(専門店のほうが美味しそう)」のように思えてしまうのですね。
一方、専門店は人気ですよね。
前述のサイゼリヤやマクドナルドはもちろん、「行列のできるラーメン屋」などもあったりします。
このように、お客様から見ると、専門店のほうが魅力的なのです。
(2)顧客に覚えてもらえる
一般の人にとって、「行政書士」は、普段あまり関わりがありません。
一般的に、行政書士がどんな仕事をしてくれる人なのか?も、あまり知られていません。
つまり、行政書士は、「何屋さんか?」が分かりづらいのです。
例えば、就労ビザ関連のキーワードで検索してくるお客様を考えてみましょう。
そのお客様が、以下の2つのホームページを見つけたとします。
これを見たときに、お客様にとって、「何屋さんか?」が分かりやすいのは、どちらでしょうか?
圧倒的に、右側の「専門分野(就労ビザ)が決まっているホームページ」のほうが分かりやすいですよね。
右側のホームページは、パッと見るだけで「あ、この人は”就労ビザ申請”の人なんだ」と分かります。
専門分野を絞ることで、一目で何屋さんか?が伝わり、ホームページの反応率が高まります。
つまり、より集客できるようになる、ということです。
(注意)お客様は、「行政書士を探している」のではない
そうではなく、「自分の悩みを解決してくれる専門家」を探しているのです。
自分の悩みを解決してくれるなら、その人は行政書士だろうが、何かのコンサルタントだろうが、お客様にとっては極論「誰でもいい」のです。
専門分野を決めれば、何の専門家なのか?(何屋さんなのか?)が分かりやすくなり、結果、お客様に選ばれるようになります。
これ、ちょっとした違いに思えるかもしれませんが、全然違うので、覚えておいてくださいね。
(3)他の行政書士と差別化できる
行政書士は、令和6年4月1日時点で、51,619名もいます。
※日本行政書士会連合会のデータより
特に、東京や大阪などは激戦です。
「専門分野がない=集客は不可能」と言っても過言ではありません。
こういった、多くの行政書士事務所と差別化するためにも、専門分野を決める必要があるのです。
専門分野を決める、3つのヒント
ニューヨーク・タイムズで、ベストセラー1位に輝いた本「自分に集中する技術」によると、自分の能力が最大限に発揮できるのは、以下の3つの要素がかねあわさった分野だと言われています。
【情熱 + 専門的能力 + 有用性】
これだと少し分かりづらいので、簡単な言葉に言い換えると、以下のように言えます。
- (1)好きか?
- (2)得意か?
- (3)需要があるか?
この3つについて、順番に考えていきましょう。
(1)好きか?
よく、「好きなことを仕事にしよう」などとも言われるように、好きかどうか?というのは、専門分野を選択する1つのヒントになります。
しかし、ここで1つ、注意点があります。
それは、「情熱は、後から生まれる」ということです。
カル・ニューポート(「今いる場所で突き抜けろ!強みに気づいて自由に働く4つのルール」の著書)は、以下のように話しています。
情熱は、熟練の副産物である。
私たちは、職人になる必要がある。
顧客の役に立つために、スキルを磨くことに集中せよ。
つまり、別の言葉でいうと、好きかどうか?は最初は分からなくてもOK、ということです。
その業務が「嫌い」じゃなければいいので、最初から情熱いっぱいです!のような業務が見つからなくても大丈夫なので、ご安心ください。
(2)得意か?
過去に、すでに何かしらの実務経験があるなら、それを活かして専門分野を選択するとよいでしょう。
過去の経験を活かす例
- 県の建設業課にいた=建設業
- 中小企業で総務・経理をしていた=記帳代行
- 日本語教師の経験がある=入管業務
あなたの過去の経験を棚卸しして、専門分野につながりそうなものを探してみましょう。
(3)需要があるか?
いくら素晴らしい商品・サービスであっても、需要がなければ、売れません。
ホームページなどを使って集客しようと考えている場合、Web上の需要は「キーワードの検索数」で決まります。
Googleキーワードプランナーなど、マーケティングツールで調査し、需要がある専門分野を選択しましょう。
なお、専門分野の選び方は、以下の「士業専門3ステップ集客ノウハウ:ベーシック講座」の中でも解説していますので、こちらもぜひご参照ください。
【無料】「士業専門3ステップ集客術:ベーシック講座」は、こちら
あなたが今日、手に入れるもの
- 士業専門3ステップ集客法ベーシック講座(セミナー動画:全83分)
- 数年で廃業する士業、10年後も生き残る士業。その「わずかな違い」×3
- Webへの苦手意識をなくす、「7つの金言」
- 売込み感ゼロ、営業が苦手な士業でもできる「受任率アップ法」
1人士業・小さな事務所を応援したい想いから、定価4,980円⇒今なら無料でどうぞ!
行政書士にお勧めの専門分野×3
それでは、行政書士にお勧めの専門分野を、3つご紹介します。
もちろん、ここで話したものをやれば絶対に成功できる!というわけではありません。
逆に、ここに紹介されていない業務だから絶対に集客できない、というわけでもありません。
あくまで、参考としてとらえていただければ幸いです。
(お勧めの専門分野1)入管業務(ビザ申請)
まず1つ目のお勧めは、「入管業務(ビザ申請)」です。
売上は「客数」×「単価」×「リピート率」で計算できますが、入管業務は、この3つをすべて満たしている、稼げる業務分野です。
実際、当事務所のクライアントの中にも、入管業務に特化して年間1,000万円以上稼げている行政書士さんもいらっしゃいます。
①「客数」が右肩上がりで伸びている
まず「客数」について詳しく見てみましょう。
ISA(出入国在留管理庁)のデータによると、外国人の入国者数は、このように年々増えてきています。
また、以下のグラフでも分かるように、外国人労働者の数も、年々右肩上がりに増えてきています。
このように、客数が年々増えている入管業務は、集客面でも有利と言えます。
②「単価」も10万円以上で高い
入管業務は、単価も10万円以上になっているものが多いです。
入管業務の報酬単価の相場:
- 就労ビザ:10万円
- 永住許可:10万円
- 配偶者ビザ:15万円
- 帰化申請:20万円
このように、高い単価を確保できていることも、魅力の1つと言えます。
③「リピート・紹介」もされやすい
入管業務は、リピートや紹介もされやすいというメリットもあります。
例えば、以下のような感じです。
リピート・紹介の例
- 就労ビザを取得後、家族を日本に呼ぶため、家族滞在ビザも取得したい
- 外国人同士で、「●●事務所でビザを取ったよ」と紹介される
このように、リピートや紹介も期待できる入管業務は、非常にお勧めの専門分野の1つと言えます。
なお、入管業務の魅力については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>> 行政書士の「入管業務」は儲かる!データを元に将来性・魅力を分析
(お勧めの専門分野2)許認可
2つ目のお勧めの専門分野は、「許認可」です、
許認可業務の例
- 建設業許可
- 飲食店許可
- 旅館営業許可
- 風俗営業許可
など
許認可は、行政書士の独占業務です。
行政書士の王道業務、とも言えますね。
お勧めの主な理由は、以下のとおりです。
①自分一人で業務を完結できる
許認可業務は、他の士業との連携がなくても、自分ひとりで業務を完結できることが多いです。
特に、独立開業したばかりのころは、人脈も乏しいもの。
これでは、スムーズな連携も難しくなってしまいます。
(例:相続なら、司法書士、税理士、場合によっては弁護士とも連携する必要があります)
その点、1人で業務を完結できる許認可業務は、独立開業したばかりでも取り組みやすいと言えます。
また、例えば飲食店営業許可などは、行政書士側からお客様のところに出向けば対応できるケースがほとんどです。
そのため、副業で行政書士をやっている場合にも、時間の融通がききやすく、取り組みやすいと言えます。
②紹介されやすい
許認可は、行政書士の独占業務です。
そのため、他の士業(税理士、社会保険労務士、司法書士、弁護士など)から紹介が入ってきやすい、というメリットがあります。
他士業からの紹介の例
③法改正などで新たな分野が出てくる
許認可は、法改正などで、新たな分野が出てくるのも面白いところです。
例えば、最近の例でいうと、「民泊」「ドローンの飛行許可」などですね。
新たな分野は、みんなが同じスタートラインです。
独立開業したばかりでも、ベテランでも、同じ条件からのスタートなので、新人行政書士さんにも取り組みやすいと言えます。
お勧めの許認可を1つご紹介しましょう。
許認可で代表的なものの1つが、「建設業許可」ですね。
建設業許可には、以下のようなメリットがあり、とても魅力的です。
建設業許可の魅力
- 単価が高め(10万円以上)
- リピートが発生しやすい(決算届、更新)
- 派生する周辺業務があり、顧客単価がアップしやすい(経営事項審査、入札参加資格申請、建設キャリアアップシステム、電気工事業者登録、解体工事業登録など)
(お勧めの専門分野3)融資・補助金
3つ目は、「融資・補助金」です。
お勧めの理由は、以下のとおりです。
①成功報酬なので、単価が高い
融資・補助金は、「成功報酬(例:実行額の4%など)」のような報酬設定になっていることが多いですよね。
実行額によっては、かなり単価の高い仕事になるので、売上効率がよく、魅力的な専門分野と言えます。
②需要あり
資金繰りは、企業の一番の課題と言っても過言ではありません。
そこをサポートできることで、ある意味「社長の右腕」のような立ち位置になれて、とても重宝されます。
③顧客の依頼のハードルが低い(集客しやすい)
例えば補助金は、お客様にとっては「リスクゼロでお金がもらえる」という、ありがたい制度です。
このように、依頼への心理的なハードルが低いので、集客しやすいのです。
お勧めできない専門分野×3
ここまでで、お勧めの専門分野を3つご紹介しましたが…
逆に、お勧めできない専門分野についても、お話しておきたいと思います。
もちろんこれも、「この業務は絶対に稼げない」というわけではありません。
実際、当社のクライアントの中にも、ここに該当する業務をやっていますが、うまくいっている事務所もあります。
なので、あくまで参考のお話としてお聞きいただければと思います。
(お勧めしない業務1)相続
お勧めしない業務の1つ目は、相続です。
相続は、「行政書士であることの魅力が発揮しづらい業務」とも言えます。
また、以下のように競合が多く、集客も大変な傾向にあります。
相続の競合の例
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 金融機関
- 不動産会社
- FP(ファイナンシャル・プランナー)
- 葬儀社
- 保険代理店
- 介護事業者
- その他、民間企業
こういった理由から、私は、積極的にはおすすめできない業務だと考えています。
(お勧めしない業務2)会社設立
お勧めしない業務の2つ目が会社設立です。
例えば、税理士は「無料で会社設立+税務顧問」というサービスをよくやっていますね。
お客様から見ると、「無料で会社設立できるし、結局税理士を探すつもりだったから、税理士にお願いしよう」のように、魅力的に見えてしまいがちです。
つまり、ビジネスモデル的に不利なのです。
また、単価もそこまで高くないので、数をこなさないと売上があがりづらい、という懸念もあります。
ただ、「絶対無理」というわけではなく、例えば、以下のようにすれば、チャンスはあります。
「会社設立」で集客するヒント
- NPO法人の設立や、医療法人の設立など、難しい分野に特化する
- 創業融資など、かせぎやすい業務とセットで打ち出す
(お勧めしない業務3)単価が低い業務
3つ目は、「単価が低い業務」です。
単価が低い業務の例
- 自動車登録
- パスポート申請代行
など
単価が数千円では、かなりの数をこなさないと、売上にならず、効率が悪いです。
仮に、自動車登録(単価8,000円)で、年間1,000万円稼ごうとしたら、何件の仕事をこなさなければいけないのか?計算してみましょう。
自動車登録で、年間1,000万円稼ぐには…
1,250件÷12ヶ月=104件受任/月
月に104受任って、集客するのも、業務量としても、非現実的ですよね…。
このように、自動車登録に限らず、単価が低い業務は、労働集約型の働き方である行政書士には向かないので、ご注意ください。
なお、「行政書士の、単価の高い仕事」については、以下のページでも解説していますので、あわせてお読みください。
>> 行政書士の「単価の高い仕事」はどれ?年収1千万を目指すお勧め業務
専門分野に関する、よくあるご質問
(Q1)専門分野の仕事以外、来なくなるの?
よく、「専門分野を決めると、それ以外の仕事は来なくなってしまうのでしょうか?」と心配されることがありますが…
そんな事はありません。
ご安心ください。
例えば、既存客に「こんな業務、できますか?」と、周辺業務を依頼されることも、よくあります。
当社の事例
なぜだろう?と思って、その整体師さんに聞いてみたところ、以下のように話していました。
「士業も整体院も、形のないものをあつかう業種っていう意味では同じですよね。」
「それなら、うちの整体院のホームページも作ってもらえるんじゃないかと思って。」
すごく意外だったのですが、このように、専門分野を絞っても、その周辺から依頼が来ることもよくあるので、ご安心ください。
(Q2)地方でも、専門分野は絞ったほうがいいでしょうか?
都内など、ライバルが多いなら、差別化のためにも専門分野は必須です。
逆に、地方だと、絞りすぎると需要が少なくなることも、稀にあります。
実際の相談事例
そこで、当社で「経営管理ビザ」の関連キーワードの検索数を調べたら、その地方では、あまり検索数がなかったのです。
そこで、その先生には、「ビザ全般」を扱うホームページを提案し、ホームページを制作。
結果、しっかり検索数を確保できるようになり、集客にも成功しました。
(Q3)これから独立開業。1つに絞れません…
「これから行政書士で独立開業するのですが、専門分野を1つに絞れません…」というお悩みも、よくお聞きします。
例えば、相続も会社設立も建設業許可も、ホームページにのせておけば、何かのキッカケで問合せが来て、受任できるかもしれない。
そんなふうに思ってしまいますよね。
その気持ち、すごく分かります。
「ゼロから生まない」
そういうときには、「消去法で、やらない業務を決めていく」ことをお勧めします。
マーケティングには「ゼロから生まない」という言葉があります。
これは、「やったことがないことを、やろうとしないで」という意味です。
ゼロから何かを始めるのは、ものすごくエネルギーがいることなので、成功率も低くなってしまうのです。
だからこそ、「これまでに一度もやったことがないこと」や「経験を積むのが大変そうなこと」は、最初から「やらない」と決める。
そして、消去法で残った業務からスタートする、というのも1つの手です。
「どの専門分野にすればいいのか?」迷っている方へ
「これからホームページを作りたい」
「独立開業するから専門分野を決めたい」
「でも、どの専門分野にすればいいのか?分からない…」
もしあなたが、上記のようにお悩みなら。
当社にご相談いただければ、「ホームページ制作前に、安定集客できるか?」を調査し、専門分野をアドバイスさせていただいております。
ご興味ある方は、以下のボタンをクリックし、当社のホームページ制作プランの詳細をご確認ください。