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価格設定の方法3つ。値段をいくらにすべきか?の答え

価格設定の方法3つ。値段をいくらにすべきか?の答え

「価格設定の方法(商品・サービスの値段をいくらにしたらいいか?)を、教えてもらえますか?」

士業事務所のコンサルティングをしていると、こういったプライシングのご相談を受けることがあります。

そこで今日は、利益の出る価格設定の方法を3つご紹介します。

値段の決め方で迷っている方は、必見です。

価格設定の前に。売上アップの基本公式をおさえよう

価格設定の話をする前に、まず、売上アップの基本公式をおさえておきましょう。

何事も、全体像を把握してから実践したほうが、効率もよく、上手くいく確率も高くなります。

売上アップの基本公式は、以下のものになります。

売上アップの基本公式「客数×単価×リピート率」

つまり、売上アップするための対策は、「客数を増やすか?」「単価を上げるか?」「リピート率を上げるか?」のいずれかしか無い、ということです。

客数×単価が最大になる単価(価格)を見極めよう

要するに、価格設定で目指すことは、「客数×単価が最大になる単価(価格)を見極める」ということです。

(リピート率まで含めて話すと複雑になるので、ここでは”客数”と”単価”に話を絞ります)

単純化した表で表すと、以下のようなイメージです。





























個数(客数)単価売上額

5人

1万

5万円

4人

2万

8万円

3人

3万

9万円

2人

4万

8万円

1人

5万

5万円

通常、単価が上がれば、売れる個数(客数)は減っていきます。
そして、”客数”と”単価”の掛け算が、売上額になります。

上の表で言うと、オレンジの覧(単価3万円で3人に売れた場合)の売上が最大になっているので、ここが最適、と言えます。

このように、売上が最大になる値段を見極めることが重要になってくるのです。

士業にとって、価格設定が大事な2つの理由

士業にとって、価格設定はとても重要なものです。

それは、以下の2つの理由によります。

(1)士業は労働集約型ビジネスだから

1つ目は、「士業は労働集約型ビジネスだから」です。

ここで言う労働集約型というのは、「人が働かないと仕事が回らない」という意味合いです。

依頼が入ったら、ボタンをポチッと押せば仕事完了、とはならないですよね。
必ず、あなたが働いたり、スタッフの方が働いたり、人手(時間や労力、人件費)がかかります。

労働集約型ということは、売上の限界がマンパワーに依存する、ということでもあります。
働ける時間には限りがあるので、必ず売上の限界が決まってしまう訳です。

そのため、士業には、薄利多売的な売り方は難しくなります。
(製造業であれば、”大量に作ることで1個あたりのコストを抑える”ということもできますが、士業の場合はそうはいかないですよね。)

先ほど出した売上アップの公式で言うと、「客数」ばかり増やし続けるのは難しい、ということです。

士業は薄利多売が難しいので、客数ばかり増やすのは限界がある

だからこそ、士業は、可能な限り高い値段で、かつ少数の優良顧客を獲得していかないと、売上を上げていくのが難しくなってしまう、ということなのです。

(2)人口減少により、確実に顧客数が減るから

現在、日本の人口はどんどん減少してきています。
これは、顧客数が減っている、とも言えます。

つまり、先ほどの売上アップの公式で言うと、これまた「客数」を増やすのが難しくなってくる訳です。

※外国人向けのサービスを行うという対策もありますが、ここでは紙面の関係上割愛し、別の機会にお話できればと思います。

人口減少という現実から見ても、やはり適正な値段を付けるのは必須である、と言えます。

価格設定の方法(プライシング)を3つご紹介

それでは、価格設定(プライシング)の方法を3つご紹介します。

解説するのは、以下の3つです。

  • (1)市場価格を参考にする
  • (2)可能な限り低く設定して、徐々に上げる
  • (3)アンケートを使う

順番に解説しますね。

(1)市場価格を参考にする

1つ目の方法が、「市場価格を参考にする」というものです
つまり、他の事務所が出している値段を参考にしましょう、ということです。

市場価格というのは、時間をかけて適正化されていきます。
例えば、相続登記なら数万円程度、障害年金申請なら得られた年金の2ヶ月分、のような形です。

市場価格は、顧客にも受け入れられやすいので、無難に成功しやすい方法とも言えます。

市場価格を参考にし、あなたの方が一般的なサービスよりも質が高いなら、値段も高めに設定できるでしょう。
逆に、質が劣っているのであれば、安めの値段にする必要があります。

ただ、ここで注意点があります。
何かと言うと…

注意!大事なのは「良く見えるかどうか?」

先ほど、「質が高ければ高く、低ければ安く」という話をしましたが、大事なポイントがあります。

それは、「質が高いかどうか?」よりも、「質が高く見えるかどうか?」の方が重要である、ということです。

これを読んでいるあなたなら理解していると思いますが、これはなにも「質の悪いサービスを、高い値段で売りましょう」という話ではありません。
もちろん、サービスの質は高め続けていく必要があります。これは大前提です。

例えば、あなたが初めていくレストランで、メニューを見ている場面を想像してみてください。
この時、あなたは、「美味しいかどうか?」は分からないので、「美味しそうかどうか?」で選ぶはずです。

他にも、あなたが映画を観に行く場合。
観るまでは「面白いかどうか?」は分からないので、「面白そうかどうか?」で映画を選んでいるはずです。

実際に良いかどうか?は、体験するまで分からない

士業のサービスも、これと同じです。
いくらサービスの質が高かったとしても、その良さが伝わらなければ、依頼にはつながらないのです。

この「良さそうに見せる」ためには、例えば以下のような対策が効果的です。

  • お客様の声を載せる
  • 推薦者の声を載せる
  • 何かしらの表彰された実績や、著書などを載せる
  • 実績数を載せる
  • 仕事風景の写真を載せて、安心感を伝える
  • セミナーなどを開催して関係性を築く

こういった情報を使って、「良さそうに見せる」ことで、市場価格よりも高めに設定できるようになります。

(2)最低価格でスタートして、徐々に上げる

2つ目の方法は、「最低価格でスタートして、徐々に上げる」というものです。

なぜ、低い値段からスタートすべきなのか?というと、理由は2つあります。

1.ホームページを改善しやすいから

仮に、最低価格にして、反応が悪かったとしましょう。
この場合、必然的に、改善点は「値段以外」になります。
(最低価格にしているわけなので、これ以上値段を下げる、という選択肢がないからです)

例えば、「文章が魅力的じゃないのか?」や「アクセスの質が悪いんじゃないか?」など、値段以外の改善点に注力できるようになります。

しかし、これが最低価格でスタートしなかった場合、話がややこしくなります。
こうなると、「値段が高いのかな?」という懸念点も出てくるので、懸念事項が増え、ホームページの改善がしづらくなります。

このように、「最低価格でスタートすれば、価格以外の部分の改善に専念できる」という利点があるのです。

2.士業ビジネスの性質上、後から値段を下げづらい

例えば、最低価格じゃない価格でスタートして、仮に1件でも受任できてしまったとしましょう。
しかし、その後の伸びがよくない…。

こういった場合、既に1件受任できてしまっているので、後から値段を下げると、先に受任された人(既存客)は、あまり気持ちが良いものではありません。

製造業なら「大量生産により原価を抑えることが出来たので~」のような理由が立ちやすいのですが、こと人力ビジネスである士業の場合、言い訳がましく聞こえてしまうので、後から値段を下げづらいのです。

であれば、最初から下げておいた方がやりやすいのです。


以上の2つの理由から、低いところから徐々に上げる、という方法をお勧めします。

最低価格でスタートして、売れるようであれば、少し上げる。
まだ売れるようであれば、少し上げる。

このようにして、適正な価格に近づけていくのがベターです。

(3)アンケートを使う

3つめの方法は、「アンケートを使う」というものです。

詳しい方法は、「一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト」という本で解説されています。
マーケティングで有名な、神田昌典さんが監修している本です。

Screenshot

一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト

主藤孝司さん著、神田昌典さん監修の、価格戦略の決定版。値段の決め方で悩んでいる方は、一見の価値ありです。

詳しくは、書籍をご参照頂ければと思いますが、流れとしては、以下のような形で進めます。

  • (1)アンケートをとる
  • (2)アンケートの結果をグラフにまとめる
  • (3)グラフを見て、価格を決定する

参考までに、以下のようなグラフを書いて値段を決めていきます。

価格戦略のグラフ1

価格戦略のグラフ2

私も、サービスの価格設定で迷った時には、この方法を使って値段を決めたことが何度かあります。

アンケートをとる手間はありますが、非常にロジカルな価格戦略なので、興味のある方はぜひご覧ください。

値段をいくらにするか迷ったら、複数の価格帯を用意しよう

さて、ここまでで価格設定の方法を3つご紹介しました。
しかし、「最終判断で迷ってしまう…」という人もいると思います。

そういう方には、「複数の価格帯を用意する」ことをお勧めします。

例えば、「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」のようにするのも1つの方法です。
既存のサービスをスタンダードプランに位置づけて、それにプラスアルファのサービスを付加したものをプレミアムプランにする、と考えると分かりやすいでしょう。

他にも、「エコノミープラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」のように、3つの価格帯を用意する方法もあります。

複数の価格帯を用意すれば、迷いがなくなり、テストも簡単にできる

複数の価格帯を用意することで、どの価格帯が選ばれやすいのか?を簡単にテストすることができます。

ぜひ、実践して頂ければと思います。

まとめ:つまり、価格設定もテストしよう、ということ

いかがでしたでしょうか?

マーケティング業界では、「すべてのマーケティングは、テストである」という格言があります。

どんな対策であっても、正直、やってみないと効果は分かりません。

そのため、まずはやってみる。
そして、その結果を元に改善を繰り返す。
この「テストを繰り返す」という意識が、マーケティングでは大事になります。

そしてこれは、価格設定でも同じです。

テストを繰り返して、あなたの事務所にとって最適な値段を見つけ出して頂ければと思います。

参考になれば幸いです。

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