「自分は話下手で、営業が苦手…」
「せっかく相談に来てもらっても、”検討します”と言われてしまい、受注できない…」
こういったお悩みを抱えているなら、以下でご紹介する11の心理テクニックを活用してみてください。
話下手でも使えるテクニックですので、営業力強化、受注率アップに役立ちます。
営業力を高めるための心構え
営業な苦手な方の中には、「営業=売込み」という、後ろめたい気持ちをお持ちの方がいらっしゃいます。
もしあなたも、同じような思い込みをされているなら、まずはこの後ろめたさを手放しましょう。
営業とは、「売込み」ではありません。
営業とは、本来、「お客様の問題解決」なのです。
例えば、離婚相談を扱っている弁護士を例に挙げてみましょう。
この弁護士のもとには、離婚で悩む相談者がやって来ます。
この、「目の前で悩んでいる相談者にとって、最適なサービスを提案してあげること。そして、迷いなく決断してもらえるように導いてあげること」こそ、真の意味での”営業”なのです。
営業力がないと、あなたの魅力や、あなたの商品・サービスの価値を100%伝えきることができません。
そうなると、その相談者は、依頼するかどうか?を決断できないことになります。
それはつまり、その相談者の悩みが、いつまでたっても解決されない、ということになるのです。
営業力を高めることで、あなたのもとにやってくる、悩める相談者の決断をお手伝いしてあげることができるのです。
結果的にその人は、あなたのサービスを受けて、悩みを解決できる、という訳です。
心理テクニックは、マインドコントロールではない
よく、「心理テクニック=マインドコントロール」のように思われる方がいます。
しかし、心理テクニックは、マインドコントロールではありません。
マインドコントロールとの違いは、”誰に対して心理テクニックを使うのか?”にあります。
どういうことか?
分かりやすく説明しますね。
あなたのサービスを求めていない人に行うと、「マインドコントロール」になる
簡単に言えば、「あなたのサービスを求めていない人に心理テクニックを使うと、それはマインドコントロールになってしまう」と言えます。
サービスを必要としていない人を操作して、あたかも必要であると思い込ませて、申し込ませる。
これは、マインドコントロール以外の何物でもありません。
絶対にやってはいけないことです。
あなたのサービスを求めている人に行うと、「決断の手助け」になる
一方、「あなたのサービスを求めている人に心理テクニックを使えば、それは、その人の決断の手助けになる」のです。
先ほどお伝えしたように、営業は本来、「お客様の問題解決」です。
あなたのサービスの価値をしっかり伝えて、迷いなく決断してもらえるようにすることが必要になります。
しかし、人間は、何かを決断することを恐れます。
「間違ったらどうしよう…」という不安があるからです。
この不安を解消し、問題解決に迷いなく進んでもらうために、心理テクニックを活用してください。
このように、同じ心理テクニックを使うにしても、あなたが持っている心構え次第で、結果に大きな違いが出てきます。
営業は、「お客様の問題解決」である。
心理テクニックは、「サービスを求めている人の、決断の手助け」である。
この心構えを、忘れないようにしてください。
営業力強化&受注率アップ!心理テクニック11個を紹介
それでは、営業力の強化に役立つ、11個の心理テクニックを解説していきます。
使う場面に応じて分けて解説しますので、あなたの立場に置き換えて、使いやすいものからぜひ使ってみてください。
対面相談の前に活用できる心理テクニック×5
士業やコンサルタントといった職業の場合、申込前に対面相談を行うことが多いと思います。
しかし、実は、対面相談が始まる前の段階で、受注率をアップさせることができるのです。
その方法を5つ解説します。
(1)ザイオンス効果
ザイオンス効果とは、「接触回数が多ければ多いほど、好感度が増す」というものです。
ここで重要なのは、「接触時間」ではなく、「接触回数が大事である」という部分です。
対面相談で2時間も3時間も話すよりも、対面相談の前に接触回数を増やしたほうが、効果が高いのです。
例えば、「対面相談の前に手紙を送る」という方法も効果的です。
事前に手紙を送ることで、「この人は信頼できる人だ」という印象を与えることができます。
ハガキであれば、1枚数分で書けるので、時間もかからずお勧めです。
(2)メラビアンの法則
メラビアンの法則とは、「話の内容よりも、見た目の方が重要である」という法則のことです。
少し前に「人は見た目が9割」という本が出て、一躍有名になった法則でもあります。
メラビアンの法則によると、人間が相手の信頼感を測る基準は、以下の通りであると言われています。
- 視覚情報(その人の見た目、服装など):55%
- 聴覚情報(口調、話の早さなど):38%
- 言語情報(話の内容など):7%)
このように、人間は、話の内容以上に、その人の見た目で判断していることが分かります。
この法則の活用例として、例えば「対面相談前に、動画メッセージを送る」のも効果的です。
動画で簡単な挨拶を送っておくことで、見た目の信頼度を伝えることができます。
なお、これは、セミナーを開催する時にも効果的です。
セミナー開催前に、短くても挨拶動画などを送っておくことで、会う前に好印象を伝えられるので、信頼感&受注率アップに役立ちます。
(3)初頭効果
初頭効果とは、「最初の印象で、その人の印象が決まる」というものです。
言ってみれば、「第一印象で、その人の印象が決まってしまう」ということです。
最初に”明るい人だな”という印象を与えれば、その人の行動すべてが好印象に写りやすくなります。
逆に、最初に”暗い人だな、話しづらいな”という印象を与えてしまうと、すべての行動がマイナスに写りやすくなります。
士業やコンサルタントの場合、最初の印象の多くは、「電話対応」で決まります。
電話に最初に出た時の「はい、●●事務所の▲▲です」という一言で、印象が伝わっています。
電話は相手が見えない分、印象の大部分が声で判断されます。
そのため、以下のような部分に気をつけておきましょう。
- 顔が見えなくても、笑顔で話す(表情は、声に色濃く出ます)
- ハキハキと話す
- 周囲の音に気をつける(自宅事務所だったりすると、テレビの音が入ったりすることもあるので、要注意です)
こういった点に気をつけて、第一印象の好感度を高められるようにしましょう。
(4)好意の返報性(こういのへんぽうせい)
好意の返報性とは、「自分に良いことをしてくれた人に、恩返ししたい」と思う心理のことです。
人間は、自分に良いことをしてくれた人に、お返しをしようとします。
これも、営業力の強化に使えるのです。
例えば、あなたが税理士で、顧問契約を獲得したいとしましょう。
そうした場合、例えば対面相談の前に、「利益の出る会社を作るための3つのポイント」のような、お役立ち資料をPDFなどで送ってあげるのも効果的です。
相談者から見れば、「この税理士さんは、自分の求めている情報を先に教えてくれる、頼れる人だ」という印象を与えられます。
こういった、お客様が求めている情報をPDFなどにして送ってあげると、受注率のアップにつながってきます。
(5)ウィンザー効果
ウインザー効果とは、「当事者の言葉よりも、第三者の言葉のほうが信頼度が増す」という心理のことです。
極論すると、いくら自分自身で「私にはこんな強みがあります!」と言い続けても、証拠がないので疑われます。
しかし、第三者から「●●さんは、こういった強みがある、とても信頼できる方です」と言ってもらえると、すごく信頼されるのです。
Amazonでも、書籍のレビューが掲載されていますが、これもウインザー効果を狙ってのことです。
良いレビューが多いと、その書籍も売れやすくなるのです。
これを活用するには、例えば「お客様の声を集めた事例集」などをPDFなどににして、対面相談前に送る、という方法が考えられます。
多くのお客様の声があれば、その分信頼度がアップするので、営業力を高めるのに効果的です。
対面相談時に活用できる心理テクニック×5
いざ、お客様との対面相談の場になった!
この時にも、活用できる方法がいくつかあります。
(1)一貫性の原理
一貫性の原理とは、「人間は、自分の行動の一貫性を保とうとする」という心理のことです。
これを活用した営業テクニックに「Yesセット」というものがあります。
これは、「何度もYesと言っていると、提案を断りづらくなる」という心理を活用したテクニックです。
例えば、以下のような形で会話を進めていくことで、Yesを繰り返してもらえるようになります。
- (あなた)今日は暑いですね ⇒ (相談者)そうですね
- (あなた)無料相談の前に、こちらの簡単なアンケートに協力してもらえますか? ⇒ (相談者)いいですよ
このように、サービスの提案前に小さなYesをたくさん貰っておくのです。
こうすることで、Yesが積み重なり、いざサービスの提案をした時にも「Yes(つまり、申し込みます)」と言ってもらえる可能性が高まります。
(2)両面提示
両面提示とは、「良い面だけではなく、悪い面も伝えることで、逆に信頼感が高まる」ことを指します。
この逆が片面提示なのですが、良い面だけを伝えても、逆に疑われやすくなってしまうものです。
そうではなく、良い面も悪い面も両方伝えてあげましょう。
例えば、「当事務所のサービスは、他と比べると値段が高いです。しかし、●●と▲▲の点で優れているので、お役に立てると思います」のように使うのです。
「他と比べると値段が高い」というデメリットも伝えてあげることで、信頼感を高めることができます。
ここで大事なのが、メリットとデメリットを伝える順番です。
先にデメリットを伝え、後にメリットを伝えるようにしましょう。
先にメリットを伝えてしまうと、「当事務所のサービスは、●●と▲▲の点で優れています。しかし、他と比べると値段が高いです」のように、後に来たデメリットの方が強調されてしまうので、注意しましょう。
(3)コントラスト効果
コントラスト効果とは、「先に伝えられた情報が基準になって、後に伝えられた情報を判断する」という人間心理のことです。
これは、ジュエリーショップなどがよく使う心理テクニックです。
例えば、50万円のダイヤの指輪を売りたいとします。
この時、いきなりこの50万円の指輪をお客様にお勧めすると、「高い」と思われて終わりです。
しかし、最初に180万円の指輪をお勧めしたら、どうでしょうか?
最初に180万円を見た後に、50万円の指輪を見せられると、安くなったように感じられて、購買率が上がるのです。
士業やコンサルタントも、これを活用できます。
つまり、「先に、高いプランの方を見せて、後に安いプランを見せる」方が、受注率が高まるのです。
(4)ゴルディロックス効果(松竹梅の法則)
ゴルディロックス効果とは、「人間は、複数の選択肢があると、スタンダードなものを選ぼうとする」心理のことです。
日本語では、松竹梅の法則とも呼ばれます。
例えば、以下のように、エコノミー・スタンダード・プレミアムの、3種類のプランがあるとします。
このようになっていると、真ん中のスタンダードが、最も選ばれやすくなるのです。
つまり、あなたが一番売りたいプランを真ん中にして、その前後に別のプランを用意してあげることで、受注率を高められる、ということです。
(5)誤前提暗示(ごぜんていあんじ)
誤前提暗示とは、「前提を与えられると、その中で選ぼうとする」心理のことです。
例えば、相談者は、「このサービスを申し込みますか?どうしますか?」と提案されると、Yesか?Noか?で答えることになります。
単純計算、50%はNoなので、断られる可能性が高まります。
しかし、「AプランとBプランがありますが、どちらがよろしいですか?」と提案されると、Aプランか?Bプランか?で答えることになります。
どちらを選ばれても、結局は申し込みしてもらえる、ということです。
よく、ファーストフード店では「ランチセットは、A・B・Cの3つがありますが、どれにしますか?」と聞かれますが、これも誤前提暗示を使っています。
「単品にしますか?セットにしますか?」ではなく、「3つあるセットの中でどれにしますか?」という聞き方なので、セットが選ばれる可能性が飛躍的に高まるのです。
これによりファーストフード店は、客単価を上げているのです。
サービス申し込み後に使える、心理テクニック
「このプランでお願いします」
「先生、よろしくお願いします」
このように受注につながると、とても嬉しいものですよね。
しかし、ここで安心してはいけません。
以下の心理テクニックも活用して、よりお客様満足度を高めていきましょう。
バイヤーズリモース(購入後の後悔)
バイヤーズリモースとは、「申し込んだ後に、”これで良かったんだろうか?”と不安になる心理」のことを指します。
日本語では、購入後の後悔、とも呼ばれます。
人間は、自分の決断に自信を持てないものです。
バイヤーズリモースの心理が働くと、せっかく申し込みに至ったのに、「やっぱりやめます」のようにキャンセルされてしまう場合もあります。
お客様をしっかり問題解決に導くためにも、バイヤーズリモースは事前に防止しておく必要があるのです。
そこで効果的なのが、「申し込んだ理由(決め手)を聞く」というものです。
申込が決まったタイミングで、「お申込みありがとうございます。ちなみに、このサービスの、どの部分を良いと感じてくれたのでしょうか?」と聞けば良いのです。
これによって、以下の2つの効果が期待できます。
「自分の決断は正しかった!」という気持ちが固まる
お客様が、自分自身で「このサービスの良い部分」を探して話してくれるので、ある意味、自己説得しているような形になります。
「このサービスの、この部分がいいと感じたんだ。素晴らしいサービスに申し込めたんだから、この決断は正しいんだ!」
このように、お客様が自己説得してくれるようになります。
お客様の満足ポイントが分かる
もう一つのメリットは、「お客様の満足ポイントが分かる」ということです。
例えばお客様が「他よりもスピーディーに解決できるというところが、とても嬉しいと感じました」と話したとします。
ということは、この人は、「スピーディーに解決できること」に一番魅力を感じていることが分かります。
つまり、その後の対応も、なるべくクイックレスポンスを心がけてあげれば、お客様の満足度が高まるのです。
このように、顧客満足度アップにも役立つのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
営業力を高めるために必要なのは、”話し上手になること”ではないのです。
お客様の問題解決のために、親身に相談に乗り、決断をサポートしてあげること。
ここが実践できるかどうか?が大事なのです。
あなたもぜひ、これらの心理テクニックを活用してみてください。
そして、なかなか決断できずに悩んだままになってしまっている相談者を、一人でも多く救ってあげてください。
参考になれば幸いです。
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