あなたは、ホームページを作る時に、3C分析を行っていますか?
「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」とも言いますが、自分の独りよがりで集客を頑張るよりも、周りの状況を見て対策していったほうが、成果は出やすくなります。
ここでは、ホームページ集客における3C分析の簡単な方法をご紹介します。
3C分析とは?
まず、3C分析とは何か?について解説します。
3Cとは、以下の3つのことを指します。
- Customer:市場・顧客
- Competitor:競合
- Company:自社
マーケティングでは、常に上記の三者が複雑に絡み合って、影響しあっています。
だからこそ、この三者をしっかり分析してマーケティングに活かそう、というのが、3C分析の始まりです。
3C分析を考案したのは、ビジネス・ブレークスルー大学などでも有名な、大前研一さんです。
大前研一さんは、次のように話しています。
およそいかなる経営戦略の立案に当たっても、三者の主たるプレイヤーを考慮に入れなければならない。
すなわち、当の企業=自社(Company)、顧客(Customer)、競合相手(Competitor)の三者である。
~大前研一~
このように、3C分析は、ホームページ集客に限らず、マーケティング全般において重要である、と言えます。
なぜ3C分析が必要なのか?2つの理由
(1)独りよがりにならないため
ホームページで集客しようとすると、ともすれば、独りよがりになりがちです。
例えば、「私の強みは●●です!」のような、独りよがりなメッセージになってしまうようなケースです。
しかし、独りよがりなメッセージは、顧客(Customer)には響きません。
顧客のニーズがわからない状態で強みを打ち出しても、「そういう強みを求めてるんじゃないんだよなぁ…」と思われてしまい、問合せは増えないでしょう。
また、打ち出した強みを上回る強みを持っている競合(Competitor)がいたら、どうでしょうか?
あなたが「実績100件です!」と言っている隣で、競合が「実績300件です!」と言っていたとしたら?
これでは、負けるのは目に見えていますよね。
このように、3C分析を行わないと、独りよがりになってしまって、上手くいかないことが多いのです。
(2)ポジショニングのため
マーケティングでとても大事な考え方が、「ポジショニング」です。
ポジショニングとは、簡単に言うと「顧客のニーズと競合の状況を踏まえ、自社が最も輝ける場所を見つけ出すこと」と言えます。
- 顧客(Customer)には、どんなニーズがあるのか?どんな悩みがあるのか?
- 競合(Competitor)は、顧客のニーズに対して何を行っているのか?顧客の悩み解決のために何を行っているのか?
- それに対して自社(Company)は、顧客と競合の立ち位置を踏まえて、何をすべきか?
当たり前ですが、自分自身のリソースは限られています。
顧客の全ての悩みを解決することはできませんし、全ての競合を上回るのも難しいものです。
だからこそ、自分が輝ける場所を探して、そこに集中する。
これがポジショニングであり、ポジショニングするためには、おのずと顧客と競合と自社の関係を把握しなければなりません。
つまり、3C分析が必須である、ということなのです。
最低限、これだけはやろう!簡単な3C分析の方法
「3C分析が大事なのは分かった。でも、何を分析すれば良いのか?分からない…」
こういった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、簡単な3C分析のやり方をご紹介します。
ホームページ集客における3C分析は、最低限、以下の項目を分析することをお勧めします。
顧客(Customer)
まずは、顧客(Customer)の分析からです。
マーケティングは、常に「顧客のニーズありき」だと考えて下さい。
顧客のニーズがないところでは、商品やサービスは売れません。
では、顧客のニーズを知るにはどうすればいいのか?
お勧めは、以下の2つの方法を用いてニーズを調査することです。
(1)検索キーワードからニーズを逆算する
検索キーワードには、検索ユーザー(つまり顧客)のニーズが色濃く表れています。
例えば、「相続税 相談 税理士 新宿」で検索する人には、どんなニーズがあるでしょうか?
これはズバリ、「新宿で相続税に悩んでいるので、税理士に相談したい」というニーズがあることが分かりますよね。
検索キーワードを効率よく調べるには、Googleが提供している「キーワードプランナー」を使うのが便利です。
例えば、「相続税対策」と入れて調べると、以下のように、関連キーワードの検索数なども表示されます。
また、「ラッコキーワード」というツールも便利です。
こちらも、例えば「障害年金」と入れて調べると、以下のように関連キーワードをズラッと表示してくれます。
これらの検索キーワードから逆算することで、「このキーワードで検索する人は、どんなニーズを持っているのか?」を見極められるのです。
(2)ヤフー知恵袋でニーズを見極める
顧客のニーズをより深く調べることができるのが、Yahoo知恵袋です。
例えばここに、「相続税対策 土地」と入れて検索してみます。
すると、以下のような検索結果が表示されます。
この検索結果を見てみると、「相続税対策で、3000万円分の土地を買うのと、3000万円分のマンションを買うのでは、どちらのほうが節税効果が大きいですか?」という質問が書かれています。
つまりこの人は、「相続税対策の方法として、土地を買うのが良いのか?マンションのほうが良いのか?知りたい」というニーズがあることが分かりますよね。
Yahoo知恵袋に質問する人は、世の中の一部の人です。
基本的に、誰か一人しか抱えていない悩みというものはなく、細かい状況は異なるにしても、他にも似たような悩みを抱えている人は大勢います。
なので、「相続税対策の方法:土地とマンションはどっちが得?」のような解説ページを作ってあげれば、顧客のニーズに応えることになるので、結果的に集客できるようになる、ということです。
このように、Yahoo知恵袋を使うことで、検索キーワードに隠れているニーズを深掘りできます。
Webマーケティングの初心者の方でもできる方法なので、お勧めです。
競合(Competitor)
マーケティングを行う上で、競合(Competitor)の存在は欠かせません。
競合分析も、やろうと思えば、それこそ無限の項目を調査していくことができてしまいます。
しかし、細かく調査しようとすれば、時間がかかりすぎてしまいます。
そこで、ホームページ集客をする際に、最低限調べておきたい分析項目を、以下にご紹介します。
(1)競合の「キャッチコピー」を調査しよう
まず最初に確認すべきなのは、競合のホームページの「キャッチコピー」です。
キャッチコピーは、そのホームページの集客力を大きく左右するので、キャッチコピーの調査は必要不可欠なのです。
結論から言うと、「かっこいい感じのキャッチコピーを付けている競合は弱い」と判断できます。
ここで言う「かっこいい感じのキャッチコピー」とは、例えば、以下のようなものです。
- 税務で会社を強くする
- あなたの会社の法務パートナー
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これらのキャッチコピーは、見た感じかっこいいですよね。
しかし、これを顧客が見ても、「どんなメリットが得られるのか?」が全く伝わってきません。
極論すると、顧客は、「自分にどんなメリットがあるのか?」という視点で、いろいろな商品・サービスを比較しています。
顧客に与えられるメリットが明確に伝えられていないキャッチコピーは、すぐに”戻るボタン”をクリックされて、他のホームページを見に行かれてしまいます。
もしあなたの競合のホームページが、こういった「かっこいい感じのキャッチコピー」だったら、それはチャンスです。
なお、以下のページで、キャッチコピーの良し悪しを解説していますので、こちらも合わせてご参照下さい。
(2)競合の「料金表」を調査しよう
もう一つ調べておきたいのが、競合の「料金表」です。
多くの人は、値段が分からないものを買うのは不安です。
だからこそ、必ず料金表を見ます。
ただ、料金表というのは、「あれば良い」というものではありません。
料金表の役割は、「その料金表を見るだけで、顧客が自分自身で、”自分に向いているのはこのサービスで、値段は●●円なんだな”と判断できること」です。
もしライバルの料金表が、以下のような分かりづらい料金表を出していたら、これはチャンスです。
これは、相続の料金表の事例ですが、顧客はこれを見ただけでは、自分が必要なサービスがどれなのか?を選ぶことができません。
そのため、合計金額も分かりません。
これでは、顧客は不安なので、問合せすらしてくれないでしょう。
良い料金表というのは、例えば以下のようなものです。
このような、「知識のない顧客でも、パッと見てすぐに”自分に向いているのはこのサービスで、値段は●●円なんだな”と判断できる料金表」は、優れていると言えます。
もし競合の料金表が、前者のようなものばかりだったら、あなたにとってはチャンスです。
なお、料金表については、以下のページで詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
>> 料金表の作り方:ポイント12個まとめ。顧客心理を捉える事例もドサッとご紹介!
自社(Company)
最後が、自社(Company)の分析です。
自社の分析とは、簡単に言うと「自分の強みは何か?を見つけること」です。
自分の強みを見つけて、それを最大限活かすことで、費用対効果高く集客できるようになります。
ただ、「自分の強みが分からない、見つからない…」と悩んでいる人も、少なくないでしょう。
安心して下さい。
実は、自分の強みというのは、自分が決めるものではないのです。
どういうことか?と言いますと…
実は、あなたの強みを決めるのは「顧客」なのです
結論から言うと、あなたの強みを決めるのは、「顧客」です。
あなた自身ではないのです。
自分ではコレが強みだ!と思っていても、顧客から見ると、自分が思いもよらない別のものが強みだったりします。
これを証明する、とある事例をご紹介します。
とある弁護士事務所の事例です。
(ここでは、この事務所の代表弁護士さんを、Aさんとします)
その事務所は、離婚相談を取り扱っていました。
Aさんは、自分の事務所の強みは、「離婚相談の実績数が多いこと」だと思っていました。
実際、ホームページでも、実績数の多さを打ち出していました。
しかし、近隣にライバルが出てきて顧客を奪われ始めたので、当社に相談に来られたのです。
そこで私は、顧客にアンケートを取ることを提案しました。
すると、驚くべき回答が返ってきたのです。
なんと、お客様の多くが、「その事務所が雑居ビルの中にあったから」という理由で、その事務所を選んでいたのです。
どういうことか?
離婚相談に来るお客様の心理として、「知り合いに、法律事務所を出入りしているのを見られたくない」という気持ちがあります。
近所にバレたら、噂されてしまうからです。
そうなると、一軒家の法律事務所には、お客様は出入りしづらいのです。
知り合いに見られた時に、言い訳できないからです。
一方、雑居ビルに入っていれば、雑居ビルを出入りしているのを知り合いに見られても、「美容室に行っていたのよ」などと言い訳できます。
このように、「雑居ビルに入っているから、知り合いに見られてもバレない」というのが、この事務所の真の強みだったのです。
実際、これをホームページで打ち出したところ、問合せが増えたのです。
いかがでしょうか?
このように、多くの場合、「自分が思っている強みと、顧客が自分を選んでいる理由は、違う」ものなのです。
(売り手側と買い手側は、まったく正反対に位置しているので、フォーカスが違うのはある意味当然のことと言えます。)
だからこそ、「強みは、顧客に聞くのが一番」なのです。
一番簡単なのは、お客様にアンケートを取ることです。
例えば、以下のようなアンケートがお勧めです。
こういったアンケートを使って、自分の強みを客観的に把握することで、ライバルに勝てる、あなたが輝けるポジションを見つけ出すことができるのです。
まとめ
3C分析は、それこそ、やろうと思えばどんどん深掘りして分析できます。
しかし、時間は有限ですので、ある程度のところで見切りをつける必要もあります。
そのためにも、「最低限、何を知っておくべきか?」を把握しておくのは、とても大事なことなのです。
ホームページ集客に取り組む際には、ここで挙げたポイントをチェックすることを忘れないでくださいね。
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