「ホームページでの集客を考えているのですが、会社設立の案件を狙うか?創業融資の案件を狙うか?、迷っています。」
先日、当社のお客様である税理士の先生(ここでは、Sさんとします)から、上記のような相談を受けました。
その際の、私からのアドバイス内容をシェアしたいと思います。
Sさんは税理士ですが、他の士業(行政書士、社労士、弁護士、司法書士など)も、集客のポイントとなる考え方は同じです。
ぜひ参考にして下さい。
会社設立よりも、創業融資をお勧めした4つの理由
結論から申し上げますと、税理士Sさんには、「ホームページでは創業融資を打ち出して集客し、そこから顧問契約につなげる」ことをお勧めしました。
理由はいくつか挙げられますが、主な3つは以下の通りです。
(1)その地域では、会社設立の価格競争が起こっていた
一つ目の理由は、価格競争という部分です。
Sさんが活動している地域では、多くのライバル事務所も同様に「会社設立ホームページ」での集客を狙っていました。
会社設立は、会計事務所のみならず、司法書士や行政書士もライバルになります。
そのため、必然的にライバル数は多くなってしまう傾向にあるのです。
士業の業界に限らず、競合が多くなればなるほど、価格競争(ダンピング)が起こります。
会社設立の案件も例に漏れず、価格競争が起こっていました。
そのため、会社設立に後発で参入しても、効率のいい集客は見込めないと判断しました。
その結果、創業融資の方をお勧めした、という訳です。
(2)創業融資サポートの方が、長生きできる(寿命が長い)
2つ目の理由は、サービスそのものの寿命です。
会社設立は、言ってみれば、手続きだけのサービスです。
こういった”手続きだけ”のような、言わば「結果に差がつきづらいサービス」は、先ほどお伝えしたように、価格競争に陥りやすくなります。
また、手続きだけのサービスは、どんどんIT化が進んでいきます。
今は、クラウド会計ソフトが記帳代行もしてくれる時代です。
今後、簡単な手続きだけであれば、どんどんIT化や人工知能に仕事を奪われていくでしょう。
一方、創業融資は、手続きだけのサービスではありません。
融資がおりるかどうか?の成功確率を左右するので、「結果に差がつくサービス」とも言えます。
結果に差がつくサービスは、価格競争に巻き込まれづらくなります。
また、IT化などにも耐えられるでしょう。
このように、サービスそのものの寿命という意味でも、創業融資の方がメリットがありました。
(3)本命サービスである、税理士顧問契約につながりやすい(顧客の本気度が高い)
3つ目の理由は、「顧問契約へのつながりやすさ」です。
Sさんは、会社設立や創業融資の案件だけ取れればいい、とは考えていませんでした。
これらは言わばフロントエンドのサービスであって、最終的には、税務顧問につなげたかったのです。
そうなると、重要になるのが、「お客様の”本気度”」です。
言葉がアレですが、会社設立だけする人は、事業に対する本気度が低い場合があります。
この場合、バックエンドの税務顧問を提案しても、断られる可能性が高くなってしまいます。
一方、創業融資まで考えて起業する人は、本気度が高いと予測できます。
融資を計画的に返済していく必要もあるので、その部分でも税理士のサポートが魅力的に写ります。
このように、本気度が高いという意味でも、創業融資の方が一歩リードしていたのです。
(4)Sさんの強みが活かせるのが「創業融資」だったから
4つ目のポイントは、「これまでの経験や強みが活かせるかどうか?」です。
Sさんは、「融資を獲得するための、事業計画書の作り方」のような書籍を出版していました。
本を出している、というのは、一つの強みでもあり、アピールポイントになります。
また、前職で一般企業の財務部門に在籍していたそうです。
そこでは、資金繰りや、金融機関との折衝も行っていたとのこと。
こういった経験を活かせるメリットを考えても、創業融資の方をお勧めした、という訳です。
ホームページ集客のポイント2つ
ここまでで、方向性としては「創業融資をホームページで集客し、その後、税務顧問も提案する」という形でまとまりました。
では、実際にホームページを作っていくことになりますが、ここでもポイントがあります。
集客のためのポイントは数多くありますが、Sさんにお伝えした重要ポイントは、以下の2つです。
(1)特化型ホームページにすること
1つ目のポイントは、「サービス特化型のホームページにすること」です。
サービス特化型にすることで、以下のようなメリットがあります。
- ホームページの反応率(問合せ率)が高まる
- SEOに強くなり、アクセスアップで有利になる
- 専門家に見えやすくなり、信頼してもらえる
詳細は、以下のページでも詳しく解説しておりますので、そちらをご参照下さい。
(2)ライバル状況に合わせたアクセスアップ対策を行うこと
2つ目のポイントは、アクセスアップ対策についてです。
ホームページは、「制作したら終わり」ではありません。
お客様に見に来てもらえるように、アクセスアップ対策を行う必要があります。
アクセスアップの主な方法は、SEO対策か、PPC(リスティング広告)です。
違いとしては、ものすごく簡単に言うと、「時間をかけるか?」「お金をかけるか?」の違いです。
SEO対策は、極論すれば無料でもできる反面、上位表示までに時間がかかります。
一方、PPC(リスティング広告)は、広告費がかかる反面、スピーディーにアクセスを集めることができます。
どちらが良い悪い、というものではなく、その地域の検索状況やライバル状況を加味して考える必要があります。
今回のSさんの場合、検索状況を調べてみたところ、ライバル事務所も多い関係で、PPC(リスティング広告)だと、結構な広告費がかかってしまうことが予想されました。
Sさんとしては、「なるべく広告費をかけたくない」という意向でしたので、SEO対策でのアクセスアップをお勧めしました。
SEO対策で大切な「網羅性」という考え方について
SEO対策を行う上で大事な考え方として、「網羅性(もうらせい)」というものがあります。
意味合いとしては、以下のように言われています。
そのホームページに、検索キーワードに関連する情報が広く盛り込まれているかどうか?
関連情報が広く盛り込まれているホームページの方が、SEOで上位表示されやすくなる
例えば今回のSさんの場合、「創業融資」を含む検索キーワードで検索された時に、上位表示されたい訳です。
しかし、創業融資に関する情報だけをホームページに詰め込めばいいのか?というと、それだけでは不十分なのです。
網羅性を満たすために、創業融資の関連情報である、例えば「事業計画書」や「金融機関との折衝の仕方」などの情報も盛り込んだほうがいいのです。
このように、ホームページのテーマに関連する情報(コンテンツ)を多く掲載していくことで、SEOに強いホームページにすることができるのです。
士業のSEO対策や、PPC(リスティング広告)のコツを学びたいなら
士業には、他の業界とは異なる、アクセスアップのコツがあります。
それぞれ、以下のページで詳しく解説しておりますので、合わせてご参照下さい。
>> 士業がすべきSEO対策とは? キーワードの選び方や、上位表示のコツを解説
>> PPC(リスティング広告)って何?な人もすぐ分かる!初心者向け解説
さらなる集客を目指すなら
今回は、「創業融資に特化したホームページを作って、そこにSEO対策でアクセスを集める」という戦略をご紹介しました。
これに加えて、さらなる集客を目指したいなら、セミナーとフェイスブック広告を活用するマーケティング手法もあります。
イメージとしては、以下のような感じです。
セミナーとフェイスブック広告を活用するメリットは、「まだ検索するに至っていない潜在顧客をターゲットにできる」という点です。
SEO対策やPPC(リスティング広告)は、言ってみれば「検索してくる人しか集客できない」方法です。
一方、フェイスブック広告は、「まだ検索するに至っていない潜在顧客」の人にも、広告を出せるのです。
潜在顧客は、ライバルも狙っていないことが多いので、この段階でアプローチできると、費用対効果が高まりやすいのです。
今回のSさんの例で言えば、例えば「創業融資を獲得するための事業計画書の作り方セミナー」などを開催し、そこから個別相談につなげて成約、といった流れも考えられますよね。
興味がある方は、以下のページで、セミナー集客のコツを解説していますので、合わせてご参照下さい。
>> ホームページで売りづらいサービスは、【セミナー⇒個別相談】で売れる
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでご紹介したのは税理士のホームページ集客のアドバイス事例でしたが、他の士業も考え方は同じです。
- 価格競争に巻き込まれづらいか?
- 本命サービスにつながりやすいか?
- 自分の強みを活かせるか?
- 地域ごとの検索数やライバル状況は、どうなっているか?
これらのポイントを頭に入れて、ホームページ集客に取り組んで頂ければと思います。
参考になれば幸いです。
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