「士業の方は、よくある”事務所案内”を作っちゃいけないんです」
こういう会話から始まった、チラシ戦略のプロ:長谷川なみさんのインタビュー。
(上のお写真:右側の女性です)
なぜ事務所案内(パンフレット)を作っても効果がないのか?
士業が作るべき紙媒体とは何なのか?
これらについて、長谷川さんに詳しくお聞きしました。
「チラシ・事務所案内」の、よくある失敗ベスト4
(1)何の疑問も持たずに、”A4巻き三つ折りの事務所案内”を作ってしまう…
士業やコンサルタントの方は、「人が商品」とも言えるべき職業なので、その人自身の良さや価値が伝わらないと意味が無いんです。
これって、言ってみたら、初対面の人にいきなりラブレターを渡すようなものなんですよね。
初対面の人にいきなりラブレターを渡すようなもの。
確かにその通りだな、と感じました。
サービス内容が羅列されているだけ、個性がない、読みたくならない…。
こういった事務所案内は、ゴミ箱に一直線です。
また、事務所案内は、A4巻き三つ折り(A4サイズのものを三つ折りにした形)で作られることが多いものです。
しかし、この三つ折りも、大きな失敗なのです。
なぜかと言うと、「開かないと中が見えない」からです。
パッと見では表紙しか見えず、わざわざ開かないと内容が読めないので、訴求力が落ちてしまうのです。
(2)顔が見えない…
事務所案内に載っている写真が、イラストや、よく分からないビルの写真だけ。
デカデカと事務所名が書いてあったり、地図が載っているだけ。
こういった「人気が感じられない」事務所案内は、読まれません。
極論すれば、「事務所名の部分を差し替えたら、どんな事務所でも使いまわせてしまう」ような内容は、誰にも興味を持たれない、ということです。
(3)1つの事務所案内に、情報を詰め込みすぎ…
事務所の地図、サービス内容の羅列、簡単な代表挨拶…。
サービス内容も、簡単な説明と値段しか書かれていない…。
多くの場合、こういった事務的な内容を書くだけに終止してしまうものです。
しかし、こういった詰め込みすぎな事務所案内は、結局1つ1つの情報を浅くしか書けなくなります。
結果、訴求力が落ちます。
(4)サービス内容だけを書いたチラシを作ってしまう…
「あなたに依頼すると、どんなメリットがあるのか?」です。
サービス案内や、セミナー紹介のためのチラシを作る士業の先生も、多いかと思います。
しかし、言葉があれですが「お客様は、サービス内容や、セミナー内容には、興味がない」のです。
お客様が興味があるのは、「あなたに依頼すると、どんなメリットがあるのか?」。
ここが表現できていないと、チラシは即ゴミ箱行きです。
士業のチラシ戦略:成功の秘訣は「2種類の事務所案内」
では、どうすれば、集客&売上アップに役立つ事務所案内が作れるのか?
その最大のポイントは、「2種類の事務所案内を用意すること」だそうです。
2つに分けて、それぞれに役割を持たせて使いこなす必要があるのです。
そうではなく、目的別に作り分け、内容(コンテンツ)もお客様が興味を持つものにする。
これが大事なポイントです。
どういうことか?
分かりやすく説明します。
(1)無料相談に集客するためのチラシ(事務所案内・パンフレット)
まず1つ目は、「無料相談につなぐためのチラシ(事務所案内・パンフレット)」です。
具体的には、以下の様なものです。
具体的なポイントを解説していきます。
(Point 1)役割は、ずばり「集客」
このチラシはずばり、「集客用」として作ります。
つまり、無料相談に来てもらうことだけに特化する、ということです。
多くの人は、初対面の人に全く興味がありません。
そのため、事務所案内と言いながらも、パッと見は雑誌の1ページのような、読みたくなる雰囲気を出すことが重要です。
(Point 2)伝えるべきは「人柄」。サービス内容は一切書かない
この事務所案内には、サービス内容は一切書きません。
まだ会ったばかりの、信頼関係が出来ていない状態でサービスを案内しても、売込みだと思われて終了です。
そうではなく、最初に伝えるべきなのは「人柄」なのです。
- なぜ自分が士業を目指したのか?
- どんな未来を描いているのか?
こういったストーリーやエピソードで共感を得て、ライバルと差別化します。
また、裏面には少し砕けた感じのプロフィールも載せます。
こういったインパクトがあることで、自然と覚えてもらえるようになります。
そして、裏面の最後に、無料相談の案内をさらっと載せておきます。
(Point 3)使う場所
この事務所案内は、集客用として、いろいろな場面で使えます。
- 名刺交換の際に渡す
- 交流会で配る
- セミナーをやる時に、受講者の机に資料と一緒に置いておく
- 無料相談の部屋に置いておき、相談前に目を通してもらう(先に読んでもらえれば、信頼感が高まります)
サービス内容が書かれていないので、渡しても「売込みだ」と思われづらいのがメリットです。
だからこそ、初対面の人にもどんどん渡せて、興味を持って読んでもらえるのです。
(2)成約(クロージング)するためのチラシ(事務所案内・パンフレット)
そして2つ目は、「成約(クロージング)するためのチラシ(事務所案内・パンフレット)」です。
実際、長谷川さんのクライアントさんには、これを使って、成約率70%を超えている方もいらっしゃるそうです。
つまり、無料相談に10人来たら、そのうち少なくとも7人受注できる、ということです。
これって、ものすごい高確率ですよね。
具体的には、以下の様なものです。
以下に、ポイントを記載します。
(Point 1)1つのサービスに特化して作る
この事務所案内は、言わば「営業補完ツール」とも言えます。
無料相談の時に、これをお客様に見せながらサービスの説明をすることで、成約率(受任率・受注率)が上がります。
作り方のポイントは、「1つのサービスに特化して作ること」です。
扱っているサービス内容すべてを並列に載せようとすると、お客様にはまったく響きません。
そうではなく、1つのサービスに絞って、その良さや価値を伝えきる必要があるのです。
(つまり、複数のサービスを案内したいなら、2つ3つ作った方がいい、ということです)
(Point 2)書くべきことは「強み」「独自性」
先ほどの集客用のものとは違い、この事務所案内では、サービスの強みや独自性をしっかり伝えていきます。
このタイミングでのサービス案内なら、無料相談によって信頼感が高まっているので、売込みと受け取られないのです。
中面に、「強みや独自性」「選ぶ上での判断基準(専門家の選び方)」などをしっかり書きます。
また、お客様の声なども載せておくと、さらに信頼感が高まります。
(Point 3)使う場所
使う場面はずばり、「無料相談の時」です。
この事務所案内を一緒に見ながらサービスの説明をしていく、といったイメージです。
お客様も、言葉だけで説明されるよりも、イラストや図も一緒に見ることで、理解度が格段に高まります。
結果、成約に至りやすくなる(受任率・受注率がアップする)、ということです。
編集後記:士業にお勧めの「ラブレターチラシ」とは?
いかがでしたでしょうか。
長谷川さんにインタビューさせて頂いて、私も「紙媒体には、紙媒体のノウハウがあるんだな」とあらためて感じました。
集客用と成約用で紙面を分ける、というのは、目からウロコでした。
長谷川さんは、ここでお伝えしたノウハウを体系化した「ラブレターチラシ」という独自サービスを提供されています。
ラブレターチラシとは、キャッチーなネーミングですよね。
長谷川さんに、このネーミングの由来をお聞きしたところ、このように話されていました。
ラブレターは、もらったら凄く嬉しい。
でもチラシ(事務所案内)は、それこそ読まれずにゴミ箱直行。
これは凄く悲しいことだな、と思ったんです。
- 1.同じ紙である
- 2.相手に想いを伝えるツールである
- 3.できることなら結ばれたい、と思って書いている
この共通点を上手くマッチさせられないか?と考えた結果、ラブレターチラシが生まれました。
お客様と、商品・サービスが両思いになれるような、そんなチラシや事務所案内をこれからも作っていきたいですね。
長谷川さんのチラシ集客ノウハウは、メルマガでも公開されています。
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長谷川さん、今日は本当にありがとうございました!