PPC(リスティング広告)には、アトリビューションモデルという設定があります。
アトリビューションモデルを使うことで、「実は、問合せ獲得に貢献してくれていた、お宝キーワード」と見つけることができます。
今日は、アトリビューションモデルの基礎知識と、その設定方法をご紹介します。
アトリビューションモデルとは?
アトリビューションモデルとは、以下のように説明できます。
アトリビューションモデルとは?
直接貢献ではないキーワードにも貢献度を割り振ることで、間接的な貢献を計測できる設定のこと。
(「アトリビューション=間接効果」という意味合いがあります)
どういうことか?分かりやすく説明しますね。
事例:とある税理士事務所の場合
あなたが税理士で、PPC(リスティング広告)を使っているものとします。
この時、とある見込み客が、次のような行動をして問合せしてきたとします。
- (検索1)最初に、「会社設立 費用」で検索して、広告をクリックし、ホームページに訪れた。しかし、その時はまだ問合せしなかった。
- (検索2)次に、「会社設立 代行」で検索して、広告をクリックし、ホームページに訪れた。しかし、その時はまだ問合せしなかった。
- (検索3)そして、「●●税理士事務所」で指名検索して、広告をクリックし、ホームページに訪れた。そして、問合せしてくれた。
これを図に表すと、以下のようになります。
このように、通常は、「問合せ直前に検索されたキーワードが、コンバージョンに貢献した」と判断されます。
つまり、上記の場合だと、「●●税理士事務所」というキーワードだけが、コンバージョン1とカウントされることになります。
ちょっと待て?その前に検索されたキーワードは貢献していないのか?
しかし、ちょっと考えてみて下さい。
指名検索される前に検索された、「会社設立 費用」と「会社設立 代行」は、コンバージョンに貢献していないのでしょうか?
確かに、問合せ直前に検索されたキーワードは、「●●税理士事務所」だったかもしれません。
しかし、指名検索してもらうためには(ホームページを見て事務所名を覚えてもらうためには)、「会社設立 費用」や「会社設立 代行」といったキーワードも、貢献していると言えますよね。
つまり、デフォルトの設定だと、
- コンバージョンに貢献しているキーワードは、「●●税理士事務所」だけだ
- 「会社設立 費用」と「会社設立 代行」は、コンバージョンに貢献していないから、配信をストップしよう
と勘違いしてしまう可能性がある、ということです。
結果、ホームページに訪れる最初のキッカケを失ってしまい、指名検索すらされなくなってしまう…、ということになってしまいかねません。
問合せ直前に検索されたキーワード以外にも、貢献度を割り振ろう!
これを防ぐために、「問合せ直前に検索されたキーワード以外にも、貢献度を割り振る」ための設定が、アトリビューションモデルなのです。
アトリビューションモデルには、種類がいくつかあるのですが、その中の「減衰モデル」というものについて、簡単に説明します。
減衰モデルを使うと、貢献度は、以下のように割り振られます。
つまり、
- 問合せ直前に検索された「●●税理士事務所」は、貢献度:大
- その前に検索された「会社設立 代行」は、貢献度:中
- その前に検索された「会社設立 費用」は、貢献度:小
のように、コンバージョンへの貢献度を割り振れるのです。
こうすることで、「実はコンバージョンに貢献していた、隠れお宝キーワード」を見つけることができるのです。
アトリビューションモデルを使うと、コンバージョンの数値が小数点になります。
アトリビューションモデルの種類
以下に、選択できるアトリビューションモデルの種類と、それぞれの簡単な特徴を記載します。
ラストクリック(デフォルト)
デフォルトでは、この「ラストクリック」の設定になっています。
「コンバージョン直前のクリックに、全貢献度を与える」のが、ラストクリックです。
ファーストクリックモデル
「最初のクリックに、全貢献度を与える」のが、ファーストクリックモデルです。
線形モデル
「コンバージョンに至るまでの、すべてのクリックに、均等に貢献度を割り振る」のが、線形モデルです。
減衰モデル
「コンバージョンに近いクリックに、より多くの貢献度を割り振る」のが、減衰モデルです。
接点モデル
「最初と最後のクリックに貢献度を多く割り振り、中間のクリックに少なめに割り振る」のが、接点モデルです。
- 最初と最後のクリックに、40%ずつ
- それ以外のクリックに、残りの20%
が割り振られます。
データドリブン
データドリブンは、以下のようなモデルです。
高度なアルゴリズムによって、アカウントのすべての経路(コンバージョンにつながった経路とコンバージョンにつながらなかった経路の両方)を評価し、どの接点の貢献度が最も高かったのかを判断します。
引用:https://support.google.com/google-ads/answer/7002714?hl=ja
簡単に言うと、「過去のデータを元に、アトリビューションモデルの選択すら、Google(機械学習)に任せてしまう」というイメージです。
このデータドリブンモデルは、十分なコンバージョン数のデータがないと、選択することができません。
コンバージョン数が十分増えてきたら、試してみるのもよいでしょう。
お勧めの設定は?
上記のように、アトリビューションモデルには、複数の種類があります。
その中でもお勧めなのが、
- ラストクリック
- 減衰モデル
の2つです。
デフォルトではラストクリックになっているので、減衰モデルに変更してみても良いでしょう。
アトリビューションモデルの設定方法
アトリビューションモデルの設定は、とても簡単です。
(以下では、Google広告について図解しています)
管理画面で、右上の「ツール⇒コンバージョン」をクリックします。
アトリビューションモデルを設定したい、対象のコンバージョンをクリックします。
「アトリビューションモデル」の箇所のプルダウンメニューから、任意のものを選びます。
以上で、設定は完了です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
PPC(リスティング広告)において、コンバージョンの測定は、とても重要です。
ぜひ、アトリビューションモデルを活用して、費用対効果の改善に取り組んでみてくださいね。