「Webで集客するには、何をすればいいですか?」
こういったご質問をよく頂くのですが…
実は、「何かをする」よりも、「余計なことをしない」方が、結果的に上手くいくことが多々あります。
今日は、「しないWebマーケティング」という視点で、ポイントをお伝えします。
なぜ、「しない」ことで集客できるようになるのか?
多くの場合、集客しよう!と思い立つと、新しいWebマーケティングをやりたくなります。
- 「知り合いが、Facebookで集客できた!って話していたな」
- 「この前のセミナーで、有名な講師の人が、メルマガが効果的って言ってた」
- 「最近は、ライン@が流行っているらしい」
こういうふうに考えて、ついつい意識を持っていかれがちです。
しかし、当たり前のことですが、あなたのリソースは限られています。
例えば、時間。1日は24時間、1年は365日ですので、使える時間は限られています。
また、マンパワーにも限りがあるでしょう。
使える予算にも、限りがあると思います。
こういった制限がある中で集客するためには、何でもかんでもやることを増やすのは、現実的ではありません。
やることが多くなればなるほど、どれも中途半端になってしまい、成果は出づらいものです。
私のところに相談に来られる士業の方の中にも、多くのことをやり過ぎてしまっている方がいらっしゃいます。
マーケティングには「選択と集中」という言葉もありますが、やるべきことを絞って、そこに集中したほうが、成果は出やすいものです。
「しない」Webマーケティング:6つのポイント
(1)流行のWebマーケティングは、しない
どんな時代にも、流行りのマーケティング手法が存在します。
ある時期はFacebook、その次はライン@、またその次は…。
こんなふうに、技術革新が進むにつれて、流行はどんどん入れ替わっていきます。
まるで、ファッションのトレンドを見ているかのようです。
もちろん、誰よりも先に新たな方法を取り入れて、先行者利益を得る、という考え方もあります。
しかし、流行りのWebマーケティング手法が、あなたにとって向いているか?と言うと、必ずしもそんなことはありません。
同じことをやっても、上手くいく人と、そうでない人が必ずいます。
では、新たなマーケティング手法が出てきた時、それを取り入れるかどうか?をどう判断すればいいのか?
その効果的な判断基準が、こちらです。
「そこに、自分の見込み客はいるのか?」を考えよう
マーケティングの大原則は、「自分の見込み客がいるところにアプローチすること」です。
当たり前のことですが、これができていないケースが結構多いのです。
例えば、あなたがターゲットにしている見込み客が、高齢の方だとします。
この場合、例えばTwitter(ツイッター)は、有効な集客手段になるでしょうか?
おそらく、高齢の方がツイッターを使っていることは少ないはずなので、上手くいかないでしょう。
実際、以下のように、高齢の方のツイッター利用率は、低めの推移になっています。
もしターゲットが高齢の方なら、手配りチラシをポスト投函したほうが、効果が高いことも考えられます。
このように、新たなWebマーケティングに取り組むのであれば、「そこに、自分の見込み客はいるのか?」を判断基準にして、やるかやらないか?を決めるようにしましょう。
(2)集客したい業務分野と合わないことは、しない
あなたが集客したい業務分野と、あるWebマーケティング手法が、合わない場合もあります。
一般的に、Webマーケティングの王道とされるのは、「ホームページを作って、そこにSEO対策やPPC(リスティング広告)でアクセスアップ対策を行う」というものです。
しかし、この集客対策の問題点が1つあります。
それは、「検索されないと集客できない」という点です。
(厳密には、PPCは、検索されなくても広告を表示させる事ができるのですが、ここでは話がややこしくなるので、詳細は割愛します)
SEOもPPCも、「検索してくるユーザーを集客する」ことを前提にしているので、そもそも検索されづらいものは、この方法だと集客しづらいのです。
では、こういった場合、どうすればいいのか?
例を挙げて解説します。
(例)社会保険労務士が顧問契約を獲得したい場合
例えば、社労士が顧問契約を獲得したい場合。
実は、顧問契約を求めて検索してくるユーザーは、ゼロではありませんが、かなり少ないのが現実です。
また、社労士顧問を求めているような企業は、ある程度の規模になっていることが多いものです。
この場合、「Webでパッと検索して、出てきた事務所を比較して、良さそうなところに電話して決める」のようには、なかなかなりません。
会社規模が大きくなればなるほど、稟議などに時間がかかるため、Webだけだと決めづらいのです。
こういった場合、Facebook広告&セミナーを活用した集客法の方が、うまくいくことが多いです。
※ちなみに、先ほどお話した「Facebook広告」「セミナー」の活用法は、以下のページで解説していますので、合わせてご参照下さい。
>> 士業のためのフェイスブック広告を用いた集客テクニックを解説
>> ホームページで売りづらいサービスは、【セミナー⇒個別相談】で売れる
(3)必要のない売上を求めない
ビジネスとして運営している以上、売上を求めるのは当たり前のことです。
しかし、必要ない売上まで求め続けてしまうと、あなたが苦しくなってしまいます。
売上は大事ですが、売上を増やすこと自体があなたの目的ではないはずです。
売上は、あなたが目指すゴール(ビジョン、夢、目標)に辿り着くための、ガソリンのようなものに過ぎません。
ガソリンを得ること自体が目的ではなく、目的地にたどり着くことが最重要であるはずですよね。
であれば、極論すると、あなたが目指すゴールに辿り着ける売上(ガソリン)さえあれば良い、とも言えます。
人によっては、目指すゴールに辿り着くために、多くの社員を必要とすることもあるでしょう。
その場合には、固定費も増えますので、それをまかなえるだけの売上が必要になります。
しかし、全員が全員そうなのか?と言うと、必ずしもそうではないはずです。
それこそ、人によっては、年商500万円で十分に辿り着けるゴールを目指しているケースもあるでしょう。
であれば、その人にとっては、年商500万円で十分なはずです。
売上の大小が、あなたの価値を決めるのではありません。
あなたが目指すゴールに辿り着けるかどうか?が重要なのであり、周りの評価は関係ないのです。
必要のない売上まで求めようとすると、無理な集客をしようとしてしまいがちです。
そうなると、費用対効果も悪化しますし、サービスの質が落ちてしまうことにもなりかねません。
これは、お客様のためにもならないですよね。
そういった意味で、「自分のゴールを明確にして、必要十分な売上を把握しておく」のは、とても大事だと言えますね。
(4)合わない顧客を相手にしない
仕事をしていれば、必ず「合わないお客様」が出てきます。
これは、人間であれば、当然のことです。
例えば、あなたが税理士だとして、格安の顧問契約サービスをウリにしているとします。
この場合、顧問料の安さを求めてくる顧客は、良いお客様ですよね。
自分のウリに惹かれて来てくれているわけなので、付き合いやすいでしょう。
しかし、顧問料の安さではなく、サービスの質の高さを売りにしている事務所にとっては、どうでしょうか?
この場合、顧問料の安さを求めてくる顧客は、合わないお客様になってしまいます。
(どちらが良い悪いという話ではなく、ただ単に「合う合わない」がある、ということです)
お客様とのミスマッチは、あなたにとっても、お客様にとっても、悲しいものです。
では、こういったミスマッチを防ぐには、どうすればいいのか?
簡単な方法が、1つあります。
それは…
「当事務所のサービスは、こういう方向きです」と明記する
合わないお客様とのミスマッチを防ぐ方法。
それはズバリ、ホームページに「当事務所のサービスは、こういう方向きです」と明記しておくことです。
もっと言えば、「こういう人はお断りです」ということを、ちゃんと書いておけば良いのです。
これだけだと分かりづらいと思うので、例を挙げてみましょう。
例えば、「質の高さをウリにしているので、安さを求めてくる人には来てほしくない」のであれば、以下のように書けば良いのです。
当事務所の顧問料は、他事務所と比較すると、高めです。
これは、当事務所が、決算書作成などの税務手続きだけを行っているのではなく、お客様の業績アップのための経営コンサルティングも行っているためです。
実際、当事務所のお客様からは、
・お願いして約1年で、年商1.7倍になりました!
・コストが大幅に削減されて、利益率が2倍になりました!
のような、喜びのお声を頂いております。
そのため、もし「顧問料を徹底的に安くおさえたい!」とお考えなら、当事務所のサービスは向かないと思います。
逆に、「業績アップを実現するための、積極的なアドバイスがほしい」とお考えなら、当事務所のサービスの良さを十分感じて頂けると思います。
上記のように書くことで、良い意味で「顧客を選べる(お客様をフルイ分けできる)」のです。
(5)自己流マーケティングをしない
Webマーケティングに限らず、成果を出すためには、「守破離」の原則を守ることが大切です。
- 守:はじめは、王道の方法を守る(真似る)
- 破:より良くなるように改善する
- 離:新たな知識(ノウハウ)を開発できる
要するに、いきなりオリジナルを求めずに、まずは成果実証済みの方法を真似しましょう、ということです。
「学ぶ」の語源は「真似る」から来ているそうですが、何事も最初は真似するのが一番の近道です。
よく「成果の出る方法があるのに、自分なりに勝手にアレンジしてしまって、成果が出ていない」という人を見かけます。
例えば、士業のホームページ集客の場合、当社は「3ステップ集客ノウハウ」を実践することを勧めています。
王道のWebマーケティングを、忠実に実践すること。
これが最短ルートなのです。
(6)結果に一喜一憂しない
「頑張ってホームページを自作したのに、問合せがありません…」
「PPC(リスティング広告)を2週間前から始めたのですが、集客できません…」
こういった不安を抱えて相談に来られる方がいます。
結論から申し上げますと、「何かやったけど集客できなかった」というのは、“失敗”ではなく、単なる”1つの出来事”です。
その出来事から、何を学び取れるか?が重要なのです。
- 「失敗した」と受け取るのか?
- 「この方法は上手くいかないんだ。じゃあ、こっちの方法はどうだろう?」と考えられるのか?
この違いが、最終的な成果に大きな差を生みます。
かの有名なエジソンも、白熱電球を発明した時に、「多くの失敗を乗り越えられた秘訣は何でしょうか?」とインタビューされて、こういった言葉を残したそうです。
失敗ではない。
うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ。
失敗は積極的にしていきたい。
なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。
失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう。
私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。
すべてのマーケティングは、テストである
上記のエジソンの名言からも分かる通り、すべてはテストなのです。
「この方法で成果が出るかどうか?」を試しているに過ぎません。
マーケティングも、これと同じです。
1つの方法が上手くいかなかったなら、原因を分析して、また再チャレンジすればいいのです。
華やかな方法ではありません。
地道で、ある意味とても地味なやり方です。
しかし、だからこそ、特別な才能は必要ないのです。
必要なのは「テストを繰り返して、改善し続けること」それだけです。
再チャレンジを繰り返すと、感覚的にポイントが掴めてきます。
そうなると、1つ1つの施策の成功率もどんどん上がっていきます。
こうやって、小さな改善をコツコツ続けられた人が、最終的に大きな成果を得られるのです。
まとめ
この「しない」という考え方は、私がクライアントへのコンサルティングを行う時も、よくお伝えすることです。
今の時代、多くの情報が溢れかえっています。
そうなると、かえって「何をして良いのか?分からない…」という状況に陥りがちです。
そういった状況を打破するのが、「しないWebマーケティング」なのです。
ある意味、断捨離やミニマリズムといった考え方に似ていますね。
余計なことに気を取られずに、本当に大切なことに集中する。
情報過多な現代だからこそ、とても重要な考え方であると言えます。
ぜひあなたも、「しない」という考え方を覚えておいていただければ幸いです。
あわせて、以下の記事もよく読まれています