こんにちは、大林(プロフィールはこちら)です。
マーケティングは、あなたのビジネスの段階によって、やるべきことが異なります。
ここでは、私自身の経験や、当社のクライアントを見てきた中で気付いた、『5ステップのマーケティング戦略』をご紹介します。
あなたの現状打破のキッカケになれば幸いです。
5ステップのマーケティング戦略とは?
一口に「マーケティング」と言っても、実は、以下のような複数の段階があります。
順番に解説していきますね。
(Step1)無知
最初は、マーケティングについて何も知らないところからスタートします。
例えば、以下のような状況です。
- 独立開業したばかり
- ホームページはあるが、名刺代わりに作っただけ
- 今までは紹介だけでやってこれたが、今後が不安
こういった状況を自覚すると、次のステップへと進んでいきます。
(Step2)新規顧客の獲得(つまり、集客)
マーケティングを学び始めた頃に大事になるのが、「新規顧客の獲得」です。
つまり、「集客」です。
士業やコンサルタントに限らず、どんなビジネスにおいても、顧客がいないと話になりませんよね。
この段階でよく出てくる話としては、以下のようなものがあります。
- ポジショニングをどうするか?
- 値決めをいくらにするか?
- どの分野に専門特化するか?
- ライバルと差別化するには、どうすればいいか?
- 自分の強みは何か?
こういったポイントをクリアしていくと、徐々に集客できるようになってきます。
しかし、いつまでも新規顧客ばかり集めようとしても、マンパワーの関係などから、限界が来ます。
そこで、次の段階へと進んでいきます。
(Step3)既存顧客への価値提供
新規集客に限界を感じると、多くの場合、既存客に目を向け始めます。
「既存顧客を大切にして、そこに価値提供することで、売上を伸ばそう」とするのです。
この段階では、以下のような話がよく出てきます。
- LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を高めるには?
- 顧客に価値を教育して、絆を深めよう
- CS(顧客満足度)を高めよう
- 既存客にアップセル・クロスセルして、客単価を上げよう
- リピート率をアップさせるには、何ができるか?
マーケティングの大家であるフィリップ・コトラー氏も、次のような言葉を残しています。
新規顧客の獲得には、既存顧客維持の5倍のコストがかかる
(1:5の法則、とも呼ばれます)
この言葉からも分かるように、既存客に目を向けることで、効率よく売上をアップさせることができます。
しかし、この状態も、永遠には続きません。
(Step4)頭打ち
ある段階まで行くと、急にエアポケットに入ったかのように、頭打ちになります。
正直、精神的に一番つらいのは、この時期です。
例えば、以下のような状況に陥ります。
- 売上が伸びなくなる
- マンパワーの限界を感じる
- 組織の問題が出てくる
- なんだか、仕事が楽しく感じられなくなってくる
- 家庭・プライベートでも、問題が出てくる
こうなってくると、自分がビジネスを始めた理由(目的)を考え始めるようになります。
- 自分は、何のために働いているのか?
- 自分の一生を使って、何を成し遂げたいのか?
- 自分にとっての幸せとは何なのか?
こういった、自己探求の段階とも言えます。
しかし、このターニングポイントを乗り越えると、急に未来が輝き出します。
(Step5)天職(好き・ワクワク)をベースに生きる
頭打ちの段階を乗り越えると、自分の天職に巡り会います。
「自分が一番好きなこと」「すごくワクワクすること」に集中し始めます。
天職と言っても、何も「今の仕事と別のことをすることになる」ということではありません。
例えば弁護士を例に挙げても、いろいろな道が考えられます。
- 書くのが好きなら、「契約書の作成」をベースにしたビジネスモデルに切り替わる
- 話すのが好きなら、「法廷」に立つことをメインに仕事を請け負うようになる
- 教えるのが好きなら、例えば「弁護士の卵を教育する」という仕事に携わるようになる
もちろん、職業そのものが変わっていく人もいます。
「好きなことをしてお金を稼げるようになる」という、好循環に入っていくのです。
各自が好きなことをやっている訳なので、この段階では、「競争」というものが存在しなくなります。
この段階は「共創」の段階なので、お互いが自分の好きな分野を持ち寄って、いろいろなコラボレーションが生まれたりもします。
結局、好きなことをやる人が最強
「好きこそものの上手なれ」という言葉もありますよね。
好きやワクワクをベースに仕事ができるようになると、仕事そのものが楽しくなっていきます。
アメリカの小説家のジョン・スタインベック氏は、こんな言葉を残しています。
天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である
好きなことに熱中していると、本人に努力しているつもりがなくても、いつの間にか高みへと上り詰めています。
無理しなくても、どんどん仕事の質が上がり、引き合いも増え、顧客満足度も上がっていくのです。
しかし、一足とびに「好き」の段階に至るのは難しい
こう言うと、「じゃあ、最初から”好き”の分野に飛び込んでいけば良いのでは?」と思われる方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし、実は一足とびには、「好き」の段階に至るのは、なかなか難しいのです。
物事には、順序があります。
例えば算数の勉強だって、最初に四則演算を学んで、分数を学んで、方程式を学んで、微分積分を学んでいく、といったように、順序がありますよね。
マーケティングもこれと同じで、順序があるのです。
一足とびに行こうとすると、誤った方向に進んでしまうことにもなりかねません。
この5ステップを、一歩一歩歩んでいくことが大事なのです。
「好き・ワクワク」にスムーズに移行しやすい人
どのステップが良い悪いではない。どれも大事。
先ほど挙げた各ステップでは、それぞれの段階で必要な学びがあります。
例えば、「Step2:新規顧客の獲得」で出てくる「ポジショニング」もそうです。
ポジショニングだって、その段階では必要な学びなのです。
実際、売上アップにも効果があります。
しかし、いつまでもその段階の知識だけに固執していると、伸び悩むのです。
新規顧客獲得で言えば、「いつまでも新規に頼り続けるビジネスモデルだと、いずれ疲弊していく」ということです。
イメージ図としては、以下のような感じです。
このように、「各段階で必要な学びがある」のと共に、「そこに固執し過ぎてはいけない」ということなのです。
まとめ:この5ステップは、指標として活用してください
いかがでしたでしょうか。
ここで示した5ステップは、指標として活用することをお勧めします。
自分がどの段階にいるのか分かれば、「今は何に注力すべきなのか?」が分かりますよね。
また、今の段階がわかれば、「次の段階は何か?」が分かるので、慌てずにすみます。
例えば、売上が伸び悩んできたら、「そうか、きっと、ステップ4の”頭打ち”の段階に入ってきているんだな」と予測できますよね。
そうなれば、その段階ですべきことを、一つ一つこなせばいいのです。
このように、この5ステップは、自分の段階を確認するための指標としてご活用頂くことをお勧めします。
参考になれば幸いです。
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