社労士(社会保険労務士)は、企業活動において重要な3大要素である「ヒト・モノ・カネ」の『ヒト』に関する業務をこなす専門家です。
労働・社会保険に関する問題や年金の相談など、幅広い業務に携わり企業の土台を支える存在ですが、自分の裁量で仕事ができ、なおかつ年収アップも見込める独立開業を目指すケースは少なくありません。
夢の開業へ向けて歩みだした社労士は、どのような独立開業準備を経て、新たな顧客開拓を目指していくかご存知ですか?
この記事では、社労士の独立開業準備に必要な手続きと、効果的な3つの集客方法について詳しくご紹介していきます。独立開業の成功をイメージしながら、ぜひ参考にしてみてください。
社労士の独立開業準備に必要な手続き
開業社労士になるためには、難関の社労士国家試験に合格した上で「社会保険労務士名簿」の登録、社会保険労務士会への入会が必須になります。
ここからは、独立開業に必要な社会保険労務士名簿の登録方法や、社会保険労務士会の入会方法について詳しくご紹介していきます。
社会保険労務士名簿の登録方法
社会保険労務士名簿に登録するには、「社会保険労務士法 第25条の29 登録即入会」で定められた、以下の2つの条件のどちらかを満たす必要があります。
- 労働社会保険諸法令に関する実務経験2年以上(試験前後不問)
- 全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を修了
国家試験に合格しただけでは、開業どころか社労士を名乗ることもできません。これらの社会保険労務士名簿への登録は、社労士として業務を行うために必須です。
登録に必要な書類
社会保険労務士名簿の登録に必要な書類をしっかり揃えておきましょう。
- 社会保険労務士登録申請書 (正本用の1枚と副本用の2枚)
- 労働社会保険諸法令関係事務従事期間証明書
- 社会保険労務士試験合格証書の写し
- 住民票(マイナンバー記載が無く、3カ月以内に取得したもの)
- 顔写真1枚(縦3cm×横2.5cmで背景が無地)
- 戸籍抄本1通(マイナンバー記載が無く、3カ月以内に取得したもので、申請時の氏名が合格証・従事期間証明書・事務指定講習修了書と異なる場合のみ)
社会保険労務士名簿への登録は入会と併行して行われ、必要な書類も異なるので気をつけておきましょう。
申請書の提出先
用意した申請書は、事務所の設置を計画している都道府県の社労会(社会保険労務士会)に提出します。社労会によって書類の提出方法は異なるため、事前に必ずチェックしておきましょう。
登録費用
登録時には、登録免許税と登録手数料の2つが必要になるのでお忘れなく。
- 登録免許税 :30,000円(収入印紙)
- 登録手数料 :30,000円
この費用とは別に、開業会員になるための入会金も必要になります。
社会保険労務士会の入会方法
社会保険労務士名簿への登録と併せて、事務所を設置する都道府県の社会保険労務士会へ入会する必要があります。
入会に必要な書類
社会保険労務士名簿の登録とは別に書類を用意する必要があります。
- 会員情報届出書
- 顔写真1枚(縦3cm×横2.5cmでカラー白黒可、裏面に氏名を記入)
- 会則等遵守誓約書
- 振替払込請求書兼受領証の写し
- 口座振替依頼書(記入済)
入会に必要な費用
開業を目指す社労士は、開業会員への入会が必須です。開業会員に入会する場合は、以下の入会金と年会費が必要です。
- 入会金:50,000円
- 年会費:96,000円
他県から異動入会をする場合は、以前の県会の種別などで入会金が異なる可能性があります。事前に電話などで問い合わせをし、確認しておきましょう。
事務所の開設
多くの士業が目標とする自分の事務所開設ですが、社労士の場合、資金に余裕がない場合は自宅で開業するという選択肢があります。
自宅で開業することで固定費を抑えられるため、その分、お客様の開拓に費用を投入することができます。事務所を借りるかどうかについては少し売上に余裕が出てきてから検討するといいでしょう。
開業費用の準備
自宅とは別に事務所を構える場合は、十分な活動費を用意しておきましょう。賃貸費用や通信費用などを含め、最低でも150万円以上の活動費を用意しておくと安心です。
独立開業後の効果的な集客方法3選
ここからは、独立開業した社労士が特に力を入れるべき効果的な集客方法を3つご紹介していきます。
経営を安定させるために欠かせない顧客開拓方法になるため、ぜひ参考にしてみてください。
紹介営業
社労士の顧客開拓のメインとなる営業スタイルは、紹介営業です。
最も普及している顧客開拓であり、開業後の経営をいち早く安定させるために力を入れる必要があります。知人を通して社労士を必要としている企業を紹介してもらうことは、全くの他人へ営業をかけるよりも成約を見込めるという大きなメリットがあります。
顧客先のコネクションを利用した紹介が効果的で、労務問題に関する話題が出た場合はアプローチする大チャンスです。
紹介営業によって見込み客を獲得できた場合、協力者を優遇対応してあげることで、次回の紹介に繋げることもできます。独立開業で成功したい社労士は、ギブアンドテイクの精神を絶対に忘れてはいけません。
異文化交流会やセミナー集客
経営者が集まる異文化交流会での名刺交換から仕事に繋げるという流れは、コミュニケーションスキルや営業スキルが要求されます。
異文化交流会はあくまで人脈を広げるという目的を忘れず、いきなり営業トークを始めて敬遠されないように気をつけましょう。また、講演会やセミナーを開催することで、労働基準法や育児の制度に興味を持つ顧客にピンポイントでアプローチをすることが可能です。
講演会やセミナーでの顧客開拓は、あくまでも営業という目的のもとに、ボランティアでたくさんの人に集まってもらえる計画を立てましょう。
Web集客
インターネットを活用した集客や宣伝は、独立開業準備と並行できる顧客開拓方法です。特に顧客開拓において高い集客力を見込めるのが、ホームページを活用したWeb集客です。
ホームページに集客を任せることで、社労士独自の業務を効率よくこなせることは大きなメリットであり、収入アップへと繋げることができます。
見込み客の発掘と、そこからの情報提供もホームページで完結することができるため、コンバージョンが見込める高いクオリティのホームページを制作することが推奨されます。
社労士のホームページで顧客獲得の効率化を図りたい場合、一目で分かるメッセージ性や、顧客の心を掴める訴求性の高い文章力は必須です。また、拠点とする地域の顧客のニーズを事前に調査し、競合を差別化を図るという点もホームページ製作には欠かせません。
FacebookやTwitterを使ったアピールもWebマーケティングにおいて効果が見込めます。
仕事の様子や成果、悩みをSNS上で公開することで、親しみやすい感情や関心を徐々に育てていくことができます。Facebookの場合「いいね」をもらった時に「知人の知人」まで知ることができるため、見込み客を探すために有効なツールとなります。
SNSを活用する場合、直接的な営業アピールはマイナスイメージをすぐに持たれてしまうため、まずは自身の性格やライフスタイルを知ってもらい、多くのフォロワーを獲得して維持することを大事にしましょう。
まとめ
社労士の独立開業準備に必要な手続きや、開業後に特に力を入れたい効果的な集客方法を3つ説明してきましたが、参考になりましたか?
独立開業準備は必要な書類や費用を準備するだけはなく、見込み客を紹介してもらえる可能性がある知人と交流、顧客開拓へ繋がるコミュニケーションスキルや営業スキルの向上、戦略的なホームページ制作なども視野に入れた準備が必要になります。
その中でもホームページ制作は、独立開業後のスタートダッシュを切るためにしっかり準備をしておきたいところ。
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