「幸せって、なんだろう?」
「どうすれば、幸せになれるんだろう?」
「幸せの見つけ方とは?」
こういった疑問の一つの答えになればと思い、今日は「あなたにとっての幸せを見極める、7つのポイント」というお話をします。
(三ツ星レストランで働いていた有名シェフが、ひょんなことから、移動販売車でキューバサンドイッチを売り始める、というストーリーです)
素晴らしい映画との出会いに、感謝します。
世の中の幸せの基準とは?
世の中には、いろいろな幸せの基準がありますよね。
思いつくものをざっと上げるだけでも、例えば次のようなものがあります。
- 経済(お金)
- 地位
- 時間や余裕
- 素敵なパートナー
- 社長や士業であれば、経営規模(売上・スタッフ数)
書店に行っても、「幸せになる方法」「大富豪100人に聞いた、幸せをつかむ習慣」のような本がズラッと並んでいます。
こういった要素も、確かに大切なものです。
しかし、こういったものを全て手に入れても、幸せになれるか?というと、そうではありません。
どういうことか?と言いますと…
“結果”には、幸せはない
結論から言うと、結果に幸せはありません。
- ~~になったら、幸せになれる
- ~~を手に入れたら、幸せになれる
そういった考えは、全て妄想です。幻想です。
何かを手に入れて、一時的な高揚感を得られるかもしれませんが、それは長くは続きません。
なぜかと言うと、人間の欲望には終わりが無いからです。
何かを手に入れると、最初は嬉しいですが、やがて慣れて嬉しさもなくなってきます。
すると、その上のものが欲しくなります。
それを手に入れれば、またその次が欲しくなります。
このように、人間はどんどん次を得ようとするので、キリがありません。
こういった意味で、結果には幸せはない、と言えるのです。
世の中の幸せ像に踊らされないで!
社会から押し付けられた成功を目指すほど、悲惨なことはありません。
例えば、とある社長の事例を見てみましょう。
(分かりやすいように、経済面にフォーカスした事例です。)
Aさんは、若くして自分の会社を立ち上げました。
ほそぼそと始めた会社でしたが、コツコツ頑張って、年商1000万円を突破しました!
「よし、次は年商2000万円だ!」
そうやって目標を高く掲げて、がむしゃらに働き続けました。
そうやって行くと、年商はどんどん上がっていきました。
社員も、どんどん増えていきました。
会社は、どんどん大きくなっていき、上場を果たしました。
周りから見たら、明らかな成功者です。
しかし、Aさんはある時、ふと思うのです。
「あれ、自分、幸せじゃない…」
がむしゃらに頑張ってきたのに、ずっと手に入れたかった未来を手に入れたのに、なぜか幸せじゃない…。
「こんなはずじゃなかった!こんなはずじゃなかったのに…!」
こうやって、燃え尽き症候群になってしまう社長は、珍しくありません。
いかがでしょうか。
もちろん、経済面の豊かさを目指すこと自体は、何も悪くありません。
(というか、この後お話しますが、悪いことなんて1つもないのです)
Aさんが幸せを感じられないのは、「世間一般の幸せ像を、自分の幸せ像だと勘違いしてしまったこと」が原因です。
「売上を立てて、社員数も多い会社の社長こそ、良い社長だ」という世間の価値観を、無意識に自分に課してしまったのです。
あなたが目指している”それ”は、あなたの幸せですか?
世の中には、いろいろな価値観があって、私たちは無意識に影響を受けています。
なので、時々立ち止まって考えてみてほしいのです。
- 私は本当に、それを望んでいるのだろうか?
- 周りがそうだから、同じ価値観を追いかけているだけでは?
- 自分の価値を証明するために、自分を追い込んでいるだけではないか?
- 自分の自信の無さを、事務所規模や売上規模で隠そうとしているだけでは?
これらを自問自答せずに、世の中の幸せ像に踊らされてしまうと、「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔してしまうことになりかねません。
あなたにとっての幸せを見極める、7つのポイント
では、自分が求める幸せを見極めるには、どうすればいいのか?
その助けになればと思い、7つのポイントをご紹介します。
(1)子供の頃の「好き」の感覚を思い出す
子供は、何に対してもまっすぐです。
そこに「周りの価値観」が入ってくる余地がありません。
自分が良いと思ったら良い。
これが子供の感覚です。
だからこそ、自分が子供だった頃の「好き」の感覚を頼りにするのは、理にかなっています。
例えば、自分が子供の頃に好きだった映画に、何か共通点はないか?探るのも良いでしょう。
多くの場合、好きな映画には、共通のストーリーやテーマが隠されていたりします。
また、子供の頃に好きだった遊びを掘り下げてみるのも良いでしょう。
例えば私の例で言うと、私はミニ四駆や、マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームが大好きでした。
限られたリソースを最大限活かして、いかに相手を上回るか?を考えるのが好きだったのですね。
これが今では、コンサルタントという仕事に生かされています。
コンサルティングでも、クライアントの限られたリソースを最大限活かして、結果を出していくことが求められるからです。
このように、子供の頃の「好き」の感覚は、まじりっけない100%の自分を見つけるヒントになります。
(2)結果ではなく、過程が楽しい
先ほど、「結果には幸せはない」とお伝えしました。
「美人も3日見れば飽きる」と言われたりしますが、結果からは、長い幸福感は得られないものです。
では、何が大切なのか?
それは、「プロセス(過程)」です。
幸せに生きている人は、結果に向かっている今この瞬間(プロセス)を楽しんでいます。
- ダンスが好きな人は、今この瞬間のダンスに命をかけています。
- 歌が好きな人は、今この瞬間の一曲に命をかけています。
そして、例外なく楽しんでいます。
私が大好きな『賢者の書(喜多川泰さん著)』という本には、以下のようなストーリーが書かれています。
T君は、人の話を聞くことが大好きでした。
いつも楽しそうに話し相手の話を聞いていました。
そうやって話を聞いてくれるT君のもとには、たくさんの人が集まってきます。
そのうち、「T君に話をすると、気持ちが軽くなって、体調が良くなる」という人が出始めました。
こうしてT君は、お医者さんになりました。
お医者さんになっても、やることは基本的に「人の話を聞くこと」です。
それだけで、相手は元気になってしまうのです。
T君は、とても幸せな毎日を過ごしています。
一方、それを見ていたS君のお母さんは、息子のS君にこう言いました。
「T君は、お医者さんになったから幸せになれたのよ。あなたも頑張って、お医者さんになりなさい!」
そしてS君は、お医者さんになるために猛勉強を始めました。
そして見事、お医者さんになれたのです。
しかし、いざお医者さんになっても、まったく幸せではありません。
毎日の経営に必死で、仕事を楽しめたことなんて一度もありません。
S君は思いました。
「お医者さんになれば、幸せになれるって思ったのに…」
このように、結果には幸せはありません。
そのプロセス(過程)を楽しめるか?
そこに幸せのヒントがあります。
(3)「今ここ」に集中する
幸せは、過去にも未来にもありません。
私達が生きられるのは「今この瞬間」しかなく、幸せを感じられるのも「今この瞬間」しかないのです。
「今ここに集中する」というのは、禅の考え方や、最近流行りのマインドフルネスの考え方ですね。
多くの場合、人は、今ここに集中できていません。
目の前のことに集中せずに、思考は過去に戻ったり、未来を心配していたりします。
例えば、ご飯を食べながら昨日の失敗を思い出したり、明日の仕事の心配をしたりしています。
それを紛らわすために、スマホを見ながらご飯を食べていたりします。
これでは、今に集中できているとは言えません。
ご飯の香りにホッとし、甘さを味わい、噛み締めて食感を楽しみ、目の前の人との会話を楽しむ。
このように、今この瞬間に集中できている状態を「マインドフルな状態」とも呼びます。
今に集中できるようになると、気持ちが落ち着き、プラスの出来事を引き寄せやすくなります。
有名な、引き寄せの法則ですね。
ある意味、幸せというのは「なる」ものではなく、「そう在るもの」とも言えます。
幸せになる、のではなく、今幸せであることを感じ取る。
気持ちを落ち着けて、今ここに集中してみましょう。
(4)いいな!をメモする。行動する。(理由はいらない)
「コレ良い!」
「ここ行ってみたい!」
そういうプラスの気持ちが湧いてきたら、すぐにメモしておきましょう。
そして、できれば1ヶ月以内に行動に移しましょう。
先ほど、子供の頃の「好き」をヒントにする、という話をしましたが、この「いいな!」という気持ちも、あなたの内側から湧いてきた正直な感情です。
そこに理由は必要ありません。
いいな!と思うなら、そこには何かあなたにプラスになるものが隠れているのです。
例えば私の場合、大学生時代に、本屋さんで月刊ボディビルという本を見つけました。笑
私は理由もなく、「なんか良い!かっこいい!」と思い、本を手に取りました。
そして、読めば読むほど「筋トレすげーーー!」という感情が強くなっていきました。
それから10年以上、筋トレは私の趣味になっています。
筋トレが好きです、という話をすると、よく「そんなに筋肉つけて、なんの意味があるの?」とか言われますが、意味なんて関係ないんです。
筋トレを継続していること、コレそのものが私にとって幸せなので、それで良いのです。
他人からの評価なんて、全然関係ないのです。
あなたは最近、いいな!と感じたものはありましたか?
それをぜひメモし、行動してみてください。
(5)優劣を持ち込まない
幸せに、優れている・劣っているという基準はありません。
- 収入が多い人は、少ない人より幸せだ
- 売上規模の大きい会社の社長は、そうじゃない社長より幸せだ
そういうものではないのです。
食べ物だって、沢山食べれば健康か?と言うと、そうではないですよね。
人によって適量があります。
アスリートに適切な量が、一般人にも適切な量というわけではありません。
大切なのは、自己ベストを更新することです。
常に自己ベストを目指していれば、そこに比較はありません。
(6)「~~すべき」を手放す
世の中には、「~~すべき」が溢れかえっています。
- 親なら、こうすべき
- 大人なら、こうすべき
- 男なら、女なら、社会人なら、社長なら、所長なら、税理士なら、弁護士なら…
こういった「~~すべき」は、脇においておきましょう。
極論すれば、すべきことなんてありません。
男性だから仕事すべきとか、女性だから家事をすべきとか、そういうものはありません。
単なる役割であり、義務ではないのです。
世間の「~~すべき」に振り回されないで、あなたがやりたいことかどうか?にフォーカスしましょう。
(7)常識を疑う
常識とは、「その時代、その地域、その人達の中では、当たり前だと思われていること」に過ぎません。
実際、海外に行けば、常識なんてガラッと変わります。
時代が変われば、常識も変わります。
お金がないと幸せじゃない?
いいえ、お金がなくても幸せに暮らしている人は、たくさんいます。
例えば、アフリカに今でもいる原住民族の人たちとか。
時代や地域で、善悪や正しさすら変わります。
幸せを考える時に、善悪や正しさを持ち込んでも、良いことはありません。
「常識で考えたら、こんなこと望んだら嫌われそう」とか、そういう気持ちは不要なのです。
「幸せとは●●だ」のような常識に振り回されないようにしましょう。
幸せの基準は、変わっても良い
幸せは、自分の成長によって、感じ方が変わってきます。
子供の頃の幸せと、今の幸せと、30年後の幸せは、きっと違うでしょう。
なので、幸せの基準を変えることを恐れないで下さい。
数年おきに、自分の幸せ観を見直してみると良いと思います。
まとめ
今回、「幸せって何?」というテーマで書きましたが、これを考えるのは、今の時代、とても大事なことだと感じています。
なぜなら、世の中が大きく変わっていく可能性があるからです。
例えば、ある専門家の中では、「資本主義社会が終わるかもしれない」という意見が出ています。
つまり、経済的な価値観がなくなるかもしれない、ということです。
事実、急成長している人工知能や、高度なIT技術の発達によって、将来は人間の労働がなくなるだろう、という予測も出ています。
そうなると、世の中の価値観そのものが大きく変動することになります。
この時、自分の幸せを明確に掴めていれば、振り回されないで楽に生きられます。
あなたにとっての幸せとは、何でしょうか?
ぜひ考えてみてくださいね。
編集後記:「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を見て
今回、この記事を書くきっかけになったのが、映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」でした。
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」公式サイトはこちら
主人公は、一流レストランのコックさん。
そのコックさんが、レストランオーナーと衝突してしまい、お店を追い出されてしまいます。
そして、ひょんなことから、サンドイッチの移動販売車をやることになるのです。
その中で、家族のつながりや、幸せを見つけていく…
そんなストーリーになっています。
この映画を見ると、「幸せになる」のではなく「幸せである」が大事なんだな、と感じます。
要するに、なり方ではなくて、在り方の話だ、ということです。
よく「幸せになる方法」とか言われていますが、先ほど書いたように、「~~になったら幸せ」とか、そういう訳ではないんですよね。
この映画が、あなたにとってもの幸せに気付くキッカケになったら嬉しいです。
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