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経営理念(企業理念)の作り方。明確なWhyで差別化しよう!

経営理念(企業理念)の作り方。明確なWhyで差別化しよう!

「経営理念」と聞くと、大企業のもの、と思われる方もいるのではないでしょうか。

しかし、実は経営理念は、大企業だけのものではなく、中小企業はもちろん、士業事務所のような自営業者や、個人においても必要不可欠なものです。

ビジネスにおいては、経営理念があることで、他との圧倒的な差別化要因になります。
(理由は後でお話します)

個人の理念は、その人の目標達成に役立ち、人生をより良くしていきます。

今日は、そんな「経営理念」の作り方を解説します。

※便宜上、「経営理念」という言葉を使っていますが、士業事務所であれば”事務所理念”、個人であれば”自分の理念”に置き換えて読むと、理解しやすいかと思います。
※経営理念という言葉は、人によって、企業理念、ミッション、ミッションステートメント、ビジョン、などの別の言葉で解説されることがありますが、ここでは分かりやすいように”経営理念”という言葉でお話します。

経営理念(企業理念)とは?

経営理念とは、いろいろな書籍やコンサルタントによって、その定義が異なりますが…

ここでは、経営理念とは「企業の存在価値のこと」としてお話します。
もっと簡単に言うと、「なぜ、その企業が存在しているのか?」「何のために、その会社があるのか?」ということです。

このお話をする上で、Whyから始めよ!という書籍で解説されている概念が非常に役立つので、簡単に紹介します。

Screenshot

Whyから始めよ!

「なぜ、その企業が存在しているのか?」「なぜ、自分が存在しているのか?」Why?を考えることで、圧倒的な差別化を実現することができます。

この書籍の中では、以下の3つの言葉が出てきます。

  • What:何を売るか?(商品やサービスのこと)
  • How:どのように売るか?(マーケティングや価値観のこと)
  • Why:なぜ売るか?(存在価値、存在理由のこと)

この内のWhyを、経営理念として理解すると分かりやすいと思います。

この3つの要素が、会社の命運を分けると言っても過言ではないのです。

どういうことか?
詳しく説明していきましょう。

多くの企業は「What」から考え始める

ビジネスにおいては、多くの人が、Whatから考え始めます。

例えば士業で言えば、「相続税対策のサービスを提供しよう」「離婚相談のサービスを提供しよう」のような感じですね。

そして、Whatが決まったら、それをどのように売るか?つまり、Howを考え始めます。
ホームページを作ったり、広告を出したり、などのマーケティングをやり始めるわけです。

これを図にすると、以下のようになります。

多くに人は、Whatから始めてしまう…

しかし、多くの場合、Whatそのものでは差別化は難しいものです。

革新的な技術力があったり、特許を取得できるくらいの商品であれば、一時的にはWhatそのもので差別化できるかもしれません。
しかし、技術革新が進むにつれて、ライバルに必ず真似されるようになります。

士業事務所でも同じことで、自分にしかできないサービス、というのは、ほぼ存在しないでしょう。

なので、Whatから始めると、最終的には、価格競争に陥ってしまう可能性が高くなるのです。
他と比べても差がないのであれば、人は安いところから買おうとしますので、当然と言えば当然です。

「Why」から考え始めることで、圧倒的な差別化になる!

では逆に、Whyから考え始めたら、どうでしょうか?
つまり、経営理念から考え始めたら、どうでしょうか?

参考になる事例としては、アップル(Apple)が挙げられます。
iPhoneやiPodで有名な、あのアップルです。

Appleは、「Think different」というスローガンを掲げています。
「他と違うことをやること」が、Appleの理念であり、Whyなのです。

このWhyを元にして、iPhoneやiPod、Macなどの商品(What)が生み出されているのです。

これを図にすると、以下のようになります。

Whyから始めて、HowやWhatを具現化していく!

よくよく考えてみると、iPhoneやiPodやMacは、全く別分野の商品です。

iPhoneはスマートフォン(携帯電話)ですし、iPodは音楽プレイヤーですし、Macはパソコンです。
iTunesに至っては、形のある商品ではなく、Web上の音楽メディアです。
このように、商品のジャンル自体は、てんでバラバラです。

また、商品力という意味ではどうでしょうか?
例えばiPhoneは、他のスマートフォンに比べて、圧倒的に機能が優れているのでしょうか?

違いますよね。
こう言ってはアレですが、iPhoneでしかできないこと、というのは、ほぼありません。
他のスマートフォンも、機能的には大差ないはずです。

しかし、根底にあるWhyを一貫して守り続けているからこそ、顧客にはすんなり受け入れられ、選ばれるのです。
売上も、右肩上がりで伸びています。
そして、熱狂的なファンが生まれます。

「Appleは、クールだ」
「Appleを使ってると、なんだかかっこいい」

こういった、見えない価値を生み出しているのは、他でもない「Think different」という考え方に、ファンが知らず知らずのうちに影響されているからなのです。


このように、Why(経営理念)が明確になっていると、圧倒的な差別化要因になるのです。

経営理念の作り方と注意点

では、経営理念の作り方について解説していきましょう。

作り方のみならず、作る上で気をつけるべき注意点についても、合わせて解説します。

経営理念の作り方:ポイント2つ

経営理念を作る上で大事なのが、「感情にフォーカスすること」です。

誰の感情か?と言うと、その組織の代表の感情です。
会社であれば社長、士業事務所であれば所長の感情です。

経営理念は、マーケティングのように、理屈をこねくり回してできるものではありません。

感情をヒントにして、そこを深掘りしていくことで、経営理念が具現化されていくのです。

(1)自分の「好き!」をヒントにする

一つ目のポイントは、「好き!」という感情をヒントにすることです。

好き!という感情には、理由がありません。

例えば、異性を好きになる気持ちの理由を説明できますか?
理屈を言えば「顔が良かった」「性格が良かった」など言えると思いますが、それだけではないはずです。

理由は分からないけど、なんか好き。
感情というのは、そういうものです。
そして、そこに経営理念のヒントが隠されています。

やり方としては、「自分自身の感動体験を探る」のは、良い方法です。
これまでに、あなた自身が感動した経験を深掘りしていくのです。

例えば、私自身の例で言うと、次のように深掘りしていけるようになります。

私(大林)の事例

私は、ディズニーが大好きです。
ディズニーランドに行くのも好きですし、映画を見るのも大好きです。
大好きすぎて、ハロウィンの時には、仮装してしまうくらい大好きです。(笑)

ハロウィンには仮装しちゃうくらい、ディズニーが大好きです。(写真左が私、右は妻です)

では、なぜ私は、ディズニーに惹かれているのか?

深掘りしていくと、ディズニーの中の「夢を実現する」という部分に強く惹かれていることが分かってきます。
そして、夢を実現しようと頑張っている人を、心の底から応援したい!という想いが自分にあることに気付きます。

つまり、自分の理念は「夢見る人の夢を実現させること」なのでは?というように気付ける、といった感じです。

「好き!」という感情は、漠然としているものです。
なので、それだけでは経営理念に落とし込むことはできません。

この漠然とした「好き!」という感情を深掘りすることが必要不可欠なのです。
深掘りしていくと、その中の特にある部分に強く惹かれていることが見えてきます。

そこに、あなたの経営理念のヒントが隠されています。

(2)自分の怒り・悲しみにヒントにする

もう一つは、先ほどの逆で、「自分の怒り・悲しみ」にフォーカスすることも、ヒントになります。

何かに怒ったり、何かに悲しんだりする、ということは、そこにあなたの感情が動く何かが隠されている、ということでもあります。

  • 漠然とした怒りの感情があるけど、その中の何に特に怒りを感じているんだろう?
  • 漠然と悲しい感情が湧いてきたけど、悲しみの真の要因は何だろう?

このように深掘りしていくことで、経営理念のヒントを手にすることができます。

経営理念を作る時の、3つの注意点

(1)自分一人で考えない

先ほど、「感情にフォーカスして、そこを深掘りしましょう」というお話をしました。

しかし、多くの場合、普段から感情を意識している人は稀なので、自分一人でやろうとしても、上手くいきません。

例えば私の場合だと、「自分はディズニーが好きだ!……………で?」のように、深掘りしようとしても、上手くできないのです。

経営理念を考える時には、コーチなど、感情の深掘りをサポートしてくれる人と一緒にやることをお勧めします。

ちなみに私も、コーチの方にサポートしてもらっています。

コーチのサポートがあることで、感情を深掘りしていける
(上記画像の右側の女性が、私のコーチの伊藤エリさんです)

コーチングというものは、コンサルティングと違って、答えを与えてくれるのではなく、答えにたどり着けるように導く役割を果たしてくれます。

コーチの質問によって、漠然とした感情の余計な部分を削ぎ落として、感情の核心部分を見極めていくような、そんなイメージです。

コーチは、言うなれば「彫刻家」のようなものです。
彫刻家は、石や木を削って、素晴らしい彫刻を仕上げていきますよね。
コーチは、質問というアプローチを使って、クライアントの感情を深掘りして、答えへと導いてくれるわけです。

なお、コーチングのメリットについては、以下の記事でも解説していますので、ご参照下さい。

>> 【図解】コンサルティングとコーチングの違い。効果など比較してみました。

(2)今の自分の仕事を元に、Whyを考えない

経営理念(Why)を考える時に、今の仕事をベースにして考えてはいけません。

今の仕事をベースにして考えようとした時点で、What(商品・サービス)に縛られていることになります。

例えば私は、ホームページ制作会社の代表ですが、「ホームページ制作」というサービス内容に縛られて経営理念(Why)を考えようとしても、上手くいきません。

せいぜい、「●●なホームページ制作会社になる」的な、毒にも薬にもならないような、当たり障りのないものしか出てこないでしょう。

あなたが税理士なら、「税理士」という業務を、いったん忘れてください。
あなたが行政書士なら、「行政書士」という業務を、いったん忘れてください。

「税理士」「行政書士」という仕事は、Whyを実現するための、単なる手段です。
極論を言えば、Whyが実現する上でもっと良い手段(仕事)があるなら、税理士や行政書士でなくてもいいのです。

例えば、ライザップの理念は、こちらです。

「人は変われる。」を証明する
~ライザップ~

ライザップと言えばダイエットですが、理念には「ダイエット」という言葉は1つも入っていません。
逆に、入っていないからこそ、業種の枠を飛び越えた発想ができるのです。

実際、「あなたの料理上達にコミット!」という、ライザップ・Cookというサービスも出ています。
また、「スコアにコミットする」という、ライザップ・ゴルフというサービスもあります。

ライザップは、ダイエットに縛られないからこそ、制限なく価値を提供できる
画像引用:
https://www.rizap-cook.jp/pc/
https://www.rizap-golf.jp/

今の業務に縛られると、感情を深掘りできなくなりますので、注意しましょう。

(3)作って終わり、ではない

経営理念(Why)は、作って終わり、ではありません。

以下の記事でも解説しているように、作ったら、それを組織内に浸透させ、お客様にも伝えていく必要があるのです。

>> 経営理念を浸透させるには?6つの方法

綺麗な額縁に入れて、社長室の壁に飾っておけばいい、というものではないのです。

経営理念は、進化する

経営理念は、時代の流れや、会社・組織の成長とともに、進化していくものです。

経営理念だからと言って、変えてはいけない!というものではないのです。

より明確になっていったり、より先を目指すようになったり。
進化の仕方はそれぞれです。

なので、節目節目で見直してみると良いでしょう。

まとめ

最初にもお伝えしたとおり、経営理念(Why)は、「会社の存在価値(なぜ、その企業が存在しているのか?)」です。

よく、「企業の目的は、利益の最大化である」と言われますが、企業の存在価値は、利益の最大化にあるのではありません。

利益や売上は、企業が目指す場所にたどり着くための、燃料のようなものです。

旅行に例えて言えば、企業が目指す場所が「旅行の目的地」で、利益や売上は会社という車を動かすための「ガソリン」と言えます。
ガソリンを手に入れるために旅行しているわけではありませんよね。

このように、利益や売上自体を追求することが目的ではないのです。

かの有名な経営学者のフィリップ・コトラー氏も、マーケティング3.0の中で、こんな言葉を残しています。

企業は、世の中をよりよい場所にするために存在する
~フィリップ・コトラー~

もっと噛み砕いて言うと、「企業は、世の中をより良くするためにある」とも言えます。

つまり、「世の中をより良くするために、自分の企業に与えられた役割は何なのか?」を具現化したものが、経営理念と言えます。

  • 自分の会社は、何のために存在するのか?
  • 自分の事務所は、何のために存在するのか?
  • 突き詰めて言えば、あなた自身は、何のために存在するのか?

なぜ?なぜ?なぜ?

このように、Whyを突き詰めていった先に、ブレイクスルーが待っています。

ぜひ、あなたのWhyを探求し続けていってくださいね。

これまでに寄せられたコメント一覧

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1.  はじめまして、こんにちは
    私は大阪で工務店を営んでいます。
    妻と4人の子どもを持つ45歳のゴツめの男です(^o^)

     今年はじめ家業の工務店から独立して、まだ自営で一人ですが将来的には会社にしていきたと考えています。

     同業から進められた経営セミナーで、「願望」「思い」「ストーリーが大事」「怒り、悲しみにヒントがあるかも」など、ここに書かれてあることを学びました。そして私も自身の「Why」を探すべく、深いところに潜ったまま今だに潜りっぱなしです(*^^*)。なにかヒントは無いかなとネット検索でここにたどり着きました。

     この記事を読んで、頭の中が少しスッキリ整理出来たと言うか、少しだけ息が出来たと言うか、そんな感じがしました。改めて「Why」の大事さに気付かされ、また頑張って潜って探してみたいと思います。
    参考になる記事をありがとうございました。
      

    • tak様

      嬉しいコメントをありがとうございます!
      ご縁頂けたこと、嬉しく思います。

      「Why」は、自分の判断軸とも言えるものなので、私も重要視しています。

      takさんの次の一歩の後押しになれたのなら幸いです。

      今後ともよろしくお願いいたします。

      大林亨輔

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