先日、上記のようなご相談を受けました。
お話を伺ったところ、この順位下落には「検索意図」が強く関連していました。
- SEO対策をしているのに、なかなか上位表示できない
- 上位表示していたのに、順位が落ちてしまった
そんなお悩みを抱えている方に向けて、今日は「検索意図」について、詳しく解説します。
実際に順位が落ちたキーワードは、「新宿区 税理士」ではない、別のキーワードでした。
Google公式見解:コンテンツと検索キーワードの関連性が重要
2018年8月。
グーグルの検索順位に、大きな変動がありました。
この際のGoogleの公式見解は、以下のようなものでした。
(参考URL) https://www.web-planners.net/blog/archives/000301.html
コンテンツと検索キーワードとの関連性をターゲットにしたものだ。
この傾向は、2018年8月だけでなく、今後ますます拍車がかかってくると思われます。
ここで重要になってくるのが、今日お話する「検索意図」なのです。
検索エンジンは、検索ユーザーの検索意図(インテント)に合う検索結果になるように、進化し続けているのです。
検索意図(インテント)とは?
検索意図(インテント)とは、簡単に言うと、以下のような意味合いです。
検索意図(インテント)とは
検索キーワードの裏にある、検索ユーザーの気持ち。
これだけ言っても分かりづらいので、例を挙げましょう。
例:「新宿区 税理士」の検索結果は、どうやって決まる?
ここでは、最初にご紹介した「新宿区 税理士」で検索順位が下がってしまった税理士事務所を例に挙げて、解説してみます。
検索エンジンの考え方としては、以下のような感じで、検索順位を決めているのです。
時系列でいうと、以下のような感じです。
- 誰かが「新宿区 税理士」で検索した。
- Googleは考える。「新宿区 税理士」で検索するということは、「新宿区にいる税理士を探している」わけだ。
- この人はまだ、特定の事務所に決め打ちで相談したい訳ではなく、複数の事務所を比較したい段階であると考えられる。
- つまり、「特定の事務所のHP」を上に出すよりも、「ポータルサイトなどの、比較に役立つサイト」を上に出したほうが、検索ユーザーの役に立つだろう
- であれば、「税理士ドットコム」のようなポータルサイトを上位表示させたほうが、検索ユーザーに役立つだろう
以上のような流れで、検索順位を決めているわけです。
- 本文の中に含まれているキーワードが何個か?とか
- 文章の長さが長いか?短いか?とか、
- メタキーワードやメタディスクリプションがどうなっているか?とか、
SEO対策と言うと、そういった細かい部分を気にされる方も多いですが、本質はそこではないのです。
上記でお伝えしたように、「検索ユーザーの検索意図に合うサイトが上位表示される」だけのことなのです。
以上が、検索意図の意味合いです。
検索意図には、3種類ある
ちなみに、GoogleのSEO責任者:Matt Cutts(マット・カッツ)氏は、「検索意図には、3つの種類がある」と語っています。
その3つとは、以下のものです。
1.ナビゲーショナルクエリ(案内型)
意図が明確な検索を、「ナビゲーショナルクエリ(案内型)」と呼びます。
例えば、以下のようなものが該当します。
- アマゾン
- Yahooニュース
- ディズニーランド
- ●●税理士事務所
- ▲▲行政書士事務所
簡単に言えば、「指名検索」ですね。
「特定のホームページを見たい」という意図が明確で、そこにたどり着くための検索、と言えます。
そのサイトに行く(Go)ことが目的なので、Googleでは「Goクエリ」とも呼ばれています。
2.インフォメーショナルクエリ(情報型)
情報収集を目的とした検索を、「インフォメーショナルクエリ(情報型)」と呼びます。
例えば、以下のようなものが該当します。
- ハワイ 気温
- 相続税対策 土地
- 障害年金 書類 書き方
- 会社設立 必要書類
知る(Know)ことが目的なので、Googleでは「Knowクエリ」とも呼ばれます。
3.トランザクショナルクエリ(取引型)
何かの取引(売買など)を目的とした検索を、「トランザクショナルクエリ(取引型)」と呼びます。
ここで言う「取引」とは、例えば以下のような行動を指します。
- 購入
- ダウンロード
- 資料請求
- 会員登録
キーワードとしては、例えば、以下のようなものが該当します。
- 古本 買い取り
- アイフォンケース 通販
- 障害年金申請 代行サービス
- 会社設立 必要書類 ダウンロード
行動(Do)が目的なので、Googleでは「Doクエリ」とも呼ばれます。
上記のように、一口に「検索する」と言っても、いろいろな意図を持って検索されていることが、お分かりいただけたかと思います。
要するに、自分のホームページを上位表示させたいのであれば、「ユーザーの検索意図を把握し、それに合うページを作る必要がある」ということです。
※複数の意図をもつキーワードもあります
例えば、「会社設立 必要書類 ダウンロード」というキーワードを例に挙げてみましょう。
このキーワードは、ダウンロードページにアクセスするための「案内型」とも言えます。
合わせて、書類をダウンロードするための「取引型」とも言えます。
検索意図(インテント)を把握するには?5つの方法
ここまでで、検索意図の重要性は、お分かりいただけたかと思います。
では、次は「どうやって、ユーザーの検索意図を見極めればいいのか?」ですよね。
方法は、主に以下の5つがあります。
(1)実際に検索して、検索結果を見てみる
一番簡単なのが、「検索結果を見てみる」ことです。
ここでは、2つ例を挙げて解説します。
(例1)「ハワイ 気温 8月」の検索意図は?
例えばの例ですが、あなたが、自分のホームページを、「ハワイ 気温 8月」で上位表示させたいとしましょう。
この「ハワイ 気温 8月」で検索するユーザーの意図は、何でしょうか?
「ハワイの8月の気温を知りたい」だけなのでしょうか?
これは、実際に検索してみれば分かります。
試しに「ハワイ 気温 8月」で検索してみると、以下のような検索結果が出てきます。
検索結果を見てみると、「服装」に関するコンテンツが上位表示されていることが分かります。
つまり、「ハワイ 気温 8月」で検索する人は、ただ単に「気温」だけが知りたいのではないのです。
「その気温に合った服装は何なのか?」が知りたくて検索している、というのが、真の検索意図なのです。
であれば、仮にあなたがコンテンツを作る場合にも、「服装に関するアドバイスを入れてあげたら、上位表示できそうだ」と予測できる、ということです。
(例2)「遺産相続」の検索意図は?
もう一つ。
「遺産相続」で検索する人の検索意図を考えてみましょう。
このキーワードだけを見ても、検索意図が判断しづらいですよね。
実際の検索結果は、以下のようになっています。
「遺産相続」の検索結果は、
- 相続の流れ
- モメない方法(トラブル回避)
- 手続きの期限
- 相続順位
といったコンテンツが、上位表示されていることが分かります。
つまり、仮にあなたがコンテンツを作る場合にも、「相続の流れや、トラブル回避、相続順位などの情報を盛り込んであげると、上位表示できそうだ」と予測できる、ということです。
(2)サジェストキーワードを見てみる
Googleの検索フォームに単語を入力すると、その下に、候補となる単語がズラッと表示されますよね。
これを、サジェストキーワードと呼びます。
このサジェストキーワードを見ることでも、検索意図を把握できます。
例えば、上記の画像は、「建設業許可 申請」のサジェストキーワードの例です。
出てきているのは、以下のようなものですね。
- 必要書類
- 条件
- 期限
であれば、「建設業許可 申請」で上位表示させたいなら、これらのニーズ(必要書類、条件、期限)に応えられるような記事を書けばいい、ということです。
(3)共起語を見てみる
SEOで重要なものとして、「共起語」というものがあります。
共起語とは?
(関連語句、のようなイメージ)
共起語については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照下さい。
この共起語を見ることでも、検索意図を予測できます。
例えば、「障害年金 申請」の共起語を調べてみると、以下のような結果が出ます。
出てきているのは、以下のようなものですね。
- 書類
- 初診日の証明
- 要件
- 診断書
であれば、「障害年金 申請」で上位表示したいなら、以下のようなコンテンツを盛り込むと良さそうだ、と判断できますね。
- 障害年金の申請に必要な書類
- 初診日を証明するには、どんな方法があるか?
- 受給要件は?
- 診断書を用意するには、どうすればいいか?
(4)Q&Aサイトを見てみる
ヤフー知恵袋や、教えてGooといったサイトを、Q&Aサイトと呼びます。
これらのQ&Aサイトを見ることでも、検索意図を見極めることができます。
例えば、「離婚 親権」で検索してみると、以下のような結果が出ます。
ここにある質問内容を見ていくことで、「悩んでいる人の意図(何を知りたいのか?)」を掴むことができます。
少し手間のかかる方法ですが、効果は高いので、お勧めです。
(5)検索キーワードを、会話調にしてみる
「検索キーワードを、会話調にしてみる」という方法も、お勧めです。
「検索する=ユーザーがGoogleに質問している」とも言えますので、この方法でも、検索意図を推測できます。
例えば、「会社設立 必要書類」というキーワードについて考えてみましょう。
「会社設立 必要書類」で検索するということは、この人はGoogleに「会社設立に必要な書類って、何があるんですか?」と質問しているのと同じ、ということです。
これを会話風にすると、例えば以下のような感じになります。
あ、でも書き方がわからないな…
次にこの欄は、このように書きます。
で、これらの書類をどこに提出すればいいんでしょうか?
上記のように、会話風にして考えてみると、例えば
- 必要書類を羅列するだけではなく、「書き方」も解説してあげよう
- 「書類の提出先」も書いてあげたほうが親切だ
のようなアイデアが出てきますよね。
検索意図に合うコンテンツの作り方:「悩みの先の悩み」も解決しよう
ここまでの方法を使うことで、ユーザーの検索意図を把握できます。
そして、次はいよいよ「検索意図に合うコンテンツを作る」段階になるわけですが…。
検索意図に合うコンテンツを作るには、「悩みの先の悩み」も解決する、という意識が大事になります。
例えば、先ほど、「ハワイ 気温 8月」の検索事例を出しましたね。
この事例では、「気温」だけでなく、「服装」のほうが真の検索意図だった、という解説をしました。
このように、「悩みの先の悩み」も解決してあげられるようなコンテンツ作りを目指しましょう。
(補足)自分が狙ったキーワードで上位表示させたいなら、どうすればいいのか?
最初にお伝えした税理士事務所の例です。
もしこの税理士さんが、自分のホームページを「新宿区 税理士」で上位表示させたい(アクセスを集めたい)なら、どうすればいいでしょうか?
方法としては、2つ考えられます。
(方法1)PPC(リスティング広告)を使う
1つ目の方法は、「PPC(リスティング広告)を使う」ことです。
PPCであれば、狙ったキーワードに広告を出して、アクセスを集めることができます。
最も手っ取り早く、確実な方法と言えます。
PPCは、「検索エンジンのアルゴリズム変更の影響で、順位が急に変動する」といったことがないので、安定してアクセスを集めることができますので、私もお勧めしています。
SEOもPPCも、それぞれのメリットを理解して使いこなせるといいですね。
(方法2)検索意図に合うページ(コンテンツ)を作る
もう一つの方法は、ここでお伝えしたように、「検索意図に合うページ(コンテンツ)を作る」ことです。
コンテンツ作成にかかる労力や、出来るできないは置いておいて。
もし自然検索で上位表示させたいなら、もう「検索意図に合うページを作る」しかないのです。
例えばですが、先ほどの税理士さんの例で言えば、
- 新宿区の税理士事務所を、ポータルサイト並か、それ以上に詳しく解説する
- 新宿区の税理士事務所の選び方を、第三者目線で公平に解説する
といったコンテンツを作れば、上位表示される可能性は高まるでしょう。
検索エンジンが目指す未来を、一緒に目指そう
検索結果の「バリエーション」について
ただ、そうは言っても、「検索結果がポータルサイトばっかり」だったら、どうでしょうか?
これでは、検索ユーザーも、「なんだか似たような情報ばっかりだな…」と感じて、満足しなそうですよね。
なので、検索エンジンは、「似たような情報ばかりにならないように、検索結果には、いろいろな情報を出してあげよう(バリエーションを豊富にしよう)」と考えます。
そのため、ポータルサイトではない、通常の事務所サイトも、もちろん表示されます。
例えば、「新宿区 税理士」で検索されると、「新宿区にある税理士事務所のホームページ」も、検索上位に表示されます。
そこで気になるのが、「ライバルのサイトよりも、自分のサイトを上位表示させるには、どうすればいいのか?」ですよね。
検索エンジンの判断基準は多々ありますが、2つ、主な方法をご紹介します。
方法1:コンテンツを充実させる
「コンテンツを充実させる」というのは、お勧めの方法の一つです。
「コンテンツが充実している=検索ユーザーの役に立つだろう」と判断され、上位表示される可能性が高まります。
方法2:検索意図を考え、必要な情報を見やすくする
ここでも、検索意図はとても重要です。
例えば、「新宿区 税理士」で検索した人の意図は、「新宿区にある税理士事務所を探している」であろうと予測できますよね。
この人は、すでに「税理士を探している」わけですから、例えば、以下のような項目を気にしている可能性が高いと考えられます。
- 料金表
- サービスの内容
- 他の事務所との違い
であれば、上記のような内容にたどり着きやすいように、ホームページ内のメニューを工夫する、というのも、大事なことです。
このように、常に「検索ユーザーが求めている情報」にたどり着きやすいように配慮してあげる、という姿勢が大事なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
すごく簡単に言うと、検索ユーザーが「そうそう!これを求めていたんだよ!」というページを作ること。
これが一番大事である、ということです。
参考になれば幸いです。
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