企業(事務所)の生存率は、
- 5年後に、15.0%
- 10年後に、6.3%
- 20年後に、0.3%
と言われています。
>> (参考)企業の生存率「10年で6.3%」を乗り越える3ステップ
つまり、多くの企業は、「起業(独立開業)して数年で廃業してしまっている」ということです。
そして、このような短期間で廃業している企業には、共通点があります。
今日は、起業(独立開業)時のよくある失敗をご紹介します。
起業(独立開業)時の、よくある失敗×10
(1)無料相談をしない(有料相談にこだわる)
私はプロとして、最初から有料相談にします!
こういった想いを持たれている方をお見かけすることがあります。
お気持ちは分かるのですが、これは、上手くいかない典型的なパターンです。
「無料相談をする = 問合せがたくさん来て困ってしまう」のように思われている方もいるようですが、これは勘違いです。
やってみれば分かると思いますが、無料相談にしても、問合せなんてほとんど来ません。
実際、世の中のほとんどのホームページは、問合せゼロなのです。
そのような中で、有料相談に来てもらうのは、至難の業です。
今の時代、同じようなサービスを提供しているライバルは、山程います。
無料相談を行っているライバルも、山程います。
であれば、お客様から見れば、わざわざ有料相談に行く必要はないのです。
(2)何でもかんでもやりすぎ
そして、TwitterにYoutubeにメルマガに…これらのツールを総動員して、自分をブランディングして、集客はバッチリです!
上記のように、起業(独立開業)の時から、多くのWebツールを使いたがる方がいます。
しかし、結局、どのツールも中途半端になり、上手くいかないことが多いものです。
Web集客の基本中の基本は、
- 反応率(問合せ率)の高いホームページを作る(そのためには、後述の「コピーライティング」が必須)
- その後、SEO対策やPPC(リスティング広告)でアクセスを集める
- そして、継続的に改善していく
ことです。
最新のSNSや集客ツールが出てくると、そちらを使いたくなりがちですが、何事も土台が肝心。
土台がグラグラしているのに、いろいろなことに手を出してしまっては、まさに「砂上の楼閣」と同じです。
まずは、土台となる「ホームページ+SEO、PPC」に注力することをお勧めします。
(3)オリジナルデザインのホームページに執着しすぎ
ホームページは、オリジナルデザインで、かっこよくしたいんです!
このような意見をお聞きしますが、こと「集客」においては、オリジナルデザインでも、テンプレートを使ったデザインでも、大差はありません。
「オリジナルデザインかどうか?」なんて、お客様は気にしていません。
気にしているのは、そのホームページを作った本人だけです。
実際、以下のような調査結果もあります。
Web デザインってどれも似たようなもの? そんな疑問に答える調査結果が。
10,000 の web サイトの色、レイアウト、機械学習による分類をして解析したところ、だいたい同じということが判明したそうです。しかも類似しているところは年々増えているとのこと。(引用)https://twitter.com/yhassy/status/1260722808033669121
(ソース情報)https://www.fastcompany.com/90501691/science-confirms-it-web-sites-really-do-all-look-the-same
上記の調査結果からも、オリジナルデザインの重要性は低いと言えます。
(告白)当社のこのブログも、公式サイトも、テンプレートです
なぜなら、工数がかかりすぎるからです。
今の時代、ホームページのテンプレートは、数え切れないほどあります。
実際、今あなたがお読みのこのブログも、当社の公式サイトも、テンプレートをもとに作っています。
そのほうが工数を削減でき、デザインより大事な「オファー」を考えるのに時間を使えたり、後述する「コピーライティング」に注力できるからです。
(4)いいサービス=集客できる(分かってもらえる)、という勘違い
独自性があり、お客様のためを思って考えた、特別なものです。
なので、お客様は必ず分かってくれるはずです。
上記のようにおっしゃる方がいます。
しかし、結論から言えば、サービスの良さというのは、「使ってみるまで、分からない」のです。
極論すれば、「その商品(サービス)自体が、良いものかどうか?」は関係なく、それ以上に「その商品(サービス)自体が、良さそうに見えるかどうか?」のほうが大事なのです。
以下のページでも、詳しく解説していますので、合わせてご参照下さい。
>> コピーライティングのコツ。「すごそうに見えるか?」 という考え方が大事。
(5)コピーライティング(セールスレター)への偏見
コピーライティング(セールスレター)とは、簡単に言うと、「商品(サービス)を売るための、文章テクニック」のことです。
こう聞くと、「コピーライティング(セールスレター) = 売り込む文章」だと思われる人がいたりしますが、それは違います。
コピーライティングの真髄は、「顧客の悩みを理解し、自分のサービス(商品)がそれを解決できますよ、と伝えてあげる」ことなのです。
つまり、あくまで「顧客目線(顧客の悩みの解決)」が本質なのです。
>> (参考)コピーライティング勉強中の方に注意。「型」にハマると失敗する、という話。
(後述しますが)逆に、自分の想いばかり書いているほうが、自分本位と言えます。
(6)熱い想いは必ず届く!という勘違い
代表の理念や、独立開業に至った経緯などを、事細かに書いているホームページをお見かけすることがあります。
確かに、理念などは、差別化のための1要素にはなります。
しかし、顧客が最優先で知りたいのは「自分にメリットがあるか?」のほうなのです。
これ(顧客が得られるメリット)を伝えずに、理念や想いばかり伝えても、ただの「熱い人(熱苦しい人)」で終わりです。
(参考)理念の伝え方
要するに、伝える順番が大事なのです。
(7)広告を出し惜しむ(広告費ゼロへの執着)
こういう方もいますが、SEO対策だけ、というのはお勧めできかねます。
確かに、SEO対策は、効果的なアクセスアップの手段です。
しかし、上位表示されるまでには、早くても数ヶ月、遅いと数年かかることも珍しくありません。
また、あるキーワードで仮に上位表示されても、それで問合せが増える保証は無いのです。
今の時代、月1万円でも、広告を出せます。
これを利用しない手はないのです。
詳しくは、以下のページでも解説しています。
>> 広告費は絶対削減するな!?「広告費ゼロ」に潜む罠
>> PPC(リスティング広告)の広告費の目安は?費用対効果の計算法
(8)複雑過ぎる(入念に計画しすぎ)
このように、サービス設計などを「これでもか!」というくらいに複雑に考えている人がいますが…
多くの場合、計画したとおりにいくことなんて、ほとんどありません。
やってみて初めて「あ、これはお客様には刺さらないんだな」「こっちのほうがお客様の需要が大きいのか!」のように気づけるのです。
であれば、最初は、可能な限りシンプルな設計にしておくべき。
スティーブ・ジョブズも、以下のような言葉を残してます。
シンプルにするっていうのは、複雑である事よりずっと難しいんだ。
シンプルなものを生み出すには、思考をシンプルにしなければならないからだ。
しかしそうする価値はある。
そこに到達できれば、山をも動かせるからだ。
複雑にするよりも、シンプルにするほうが、大事なのです。
(9)MBA=集客できる、という思い込み
誤解を恐れずに言うならば、「MBAを持っていても、起業(独立開業)には、なんの約にも立たない」です。
MBAとは、「Master of Business Administration(日本語では、経営学修士)」の略です。
実は、「経営」と「集客」は、まったくの別物です。
そして、起業(独立開業)時に大切なのは、「集客」のほうです。
極論すれば、経営できなくても、集客できれば、ビジネスは回ります。
逆に、集客できないと、経営は回りません。
実際、MBAを学ぶくらいなら、コピーライティングを学んだほうが、集客には遥かにプラスになります。
(補足)要するに、フォーカスの違い
要するに、「フォーカスが違う」のです。
MBAは、ある程度できあがっているビジネスを成長させるためには、効果的です。
(例えば、今10の規模のものを100に成長させる時には、MBAは効果的です)
しかし、独立開業したばかりのときというのは、ゼロスタートです。
この場合、集客できないと話にならないのです。
(つまり、集客は、0から1を作り出すテクニック、とも言えます)
(10)異業種交流会に行き過ぎ
これは、私自身への戒めでもありますが…
起業当初は、本当によく異業種交流会に参加していました。
異業種交流会で名刺が増えると、「なんだか仕事している(起業している)」感じがするものです。
しかし、そこから仕事になったのは、皆無でした。
考えてみれば当たり前ですが、異業種交流会には、基本的に「仕事が欲しい人」しか来ません。
「仕事を依頼したい人」は、異業種交流会には来ないで、検索して専門家を探しているのです。
(あなたも、誰かに仕事を依頼したい時に、異業種交流会には行かないですよね、検索しますよね)
結局、
- 仕事した気になっている
- 人脈が増えた気になっている
- 起業(独立開業)した気になっている
だけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
もしかしたら、少し不安を感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、私がこの記事を書いたのは、「起業(独立開業)する人を、不安がらせたいから」ではありません。
「起業(独立開業)の失敗の典型例、つまり、地雷を知っておいていただくことで、あなたに同じ失敗を繰り返してほしくない」という思いから、この記事を書いています。
アメリカ建国の父とも言われる、ベンジャミン・フランクリンの言葉に、こんなものがあります。
賢い者は、他人の失敗に学ぶ。
愚かな者は、自分の失敗にも学ぼうとしない。
あなたにはぜひ、前者の生き方を実践してほしい。
そのために、典型例な失敗例をシェアさせて頂いた次第です。
この記事が、あなたの独立開業成功のキッカケになれたとしたら、とても嬉しいです。
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