もしあなたが、売上アップに悩み、モンモンとしているなら。
その状況を解決するには、「何かをする」よりも、「考え方(見方)を変える」ほうが、効果的だったりします。
今日は、売上アップの悩みを打破する、5つの思考転換のポイントをご紹介します。
行動だけが、解決策ではない
泥水も、そのままにしておくと綺麗な水になる。
これは、老子が残した格言です。
行動ばかりしているのは、泥水の中で、ジタバタもがいているのと同じです。
行動すればするほど、泥水はどんどん濁っていき、周りが見えなくなっていきます。
そうではなく、まずは一旦立ち止まりましょう。
そして、自分の考え方(ものの見方)を整理しましょう。
そうしていると、自然と泥が沈殿していき、周りが見えるようになってきます。
結果、解決策も見つかりやすくなる、ということです。
売上が上がらない…と悩む人にお勧めの、5つの思考転換法
(1)今あるものに目を向ける。整理する。
売上アップで悩んでいるときこそ、今持っているものに目を向けましょう。
マーケティングの格言に「ゼロから産まない」というものがあります。
「やったことないことをゼロベースで始めるよりも、今あるものに目を向けたほうが上手くいく」という意味合いです。
(例1)今持っているものを、全て書き出してみる
例えば私は、定期的に、今持っているものを全て書き出しています。
ここで言う、「持っているもの」とは、例えば以下のようなものを指します。
- Web媒体(ホームページ、ブログ、Facebookページ、など)
- アクセスアップ対策(SEO、PPC、Facebook広告など)
- 紙媒体(チラシ、DM、など)
上記のように、各媒体のつながりが分かりやすくなるように、矢印で顧客の流れを書いてみるのもお勧めです。
(カスタマージャーニーマップ、とも呼ばれます)
(例2)既存客に目を向ける
マーケティングの巨匠:フィリップ・コトラー氏は、こんなことを言っています。
1:5の法則
あなたの既存客は、つまり、「あなたのサービスの価値を、一度でも体験したことがある人」とも言えます。
つまり、新規客よりも、圧倒的にあなたを信頼してくれていますので、いわば「買ってくれやすい」のです。
だからこそ、既存客に目を向けるべきなのです。
- 既存客は、今、何に悩んでいるのか?
- その悩みを、解決してあげられないか?
こういった考え方でいると、追加提案できるサービスが見つかったりします。
(2)「奪う」思考ではなく、「与える」思考に切り替える
人間は、悩んでいるときほど、「奪う」思考になりがちです。
- なぜ問い合わせが増えないんだ!
- 売上が増えないんだ!
- なんでスタッフは、自分がこんなに苦しんでいるのに、のほほんとしてるんだ!
上記のような、「奪う」思考に支配されると、一気に停滞してしまうので、要注意です。
そうではなく、考え方を反転させましょう。
「奪う」のではなく、「与える」思考に切り替えるのです。
- お客様は何を求めているんだろう?
- 何をしてあげたら、もっと喜んでくれるだろう?
- スタッフの皆は、仕事に何を求めているんだろう?何を実現したくて、うちの事務所に入ってくれたんだろう?
上記のような思考の転換が、新たなアイデアを引き寄せます。
(寓話)三尺三寸箸のお話
私が好きな寓話に、「三尺三寸箸」という話があります。
天国と地獄のお話です。
天国も地獄も、三尺三寸(約1メートル)もある箸で、食事をしています。
地獄では、それぞれの人が、自分が食べたいものを奪い合っています。
しかし、箸が長いので、自分の口に食べ物を運ぼうとしても、なかなか上手くいきません。
結果、皆がイライラしています。
一方、天国では、「相手が食べたいものを食べさせてあげる」ようにしています。
長い箸なので、相手の口まで届くのです。
こうして、皆が幸せに、ニコニコ暮らしています。
どちらも、環境は全く同じです。
しかし、考え方の違いで、地獄にもなれば、天国にもなるのです。
与えるものは、与えられる
この寓話からも分かるように、「与えるものは、与えられる」というのは、真実です。
- 引き寄せの法則
- 鏡の法則
- 宇宙のパワーが導いてくれている
表現の仕方はいろいろありますが、どれも「与えたものが返ってくる」という意味で、同じです。
与える思考になれば、できることは無限にあるのです。
(3)「完了していないこと」を、完了させる
完了していない(気になっている、引っかかっている)ことがあると、無意識にそちらにパワーが使われてしまいます。
結果、あなたのエネルギーを無駄にすることになります。
ここでいう「完了していないこと」というのは、例えば以下のようなものです。
- 振り込んでいない請求書
- 連絡をもらって、返事をしていないメール
- デスクの上に山積みになっている、目を通していない書類
また、ビジネス面だけではありません。
プライベートの面にも、以下のような完了していないことがあったりします。
- 買おう買おうと思って、まだ買っていない、妻への誕生日プレゼント
- 片付けよう、と思って手を付けられていない部屋の片付け
- 使っていないのに放置されているモノ、コト
小さなことですが、積み重なると、あなたのパワーをどんどん奪っていきます。
これらを一つ一つ完了させていくと、不思議と事態が好転していったりします。
(4)「量」ではなく「質」の向上に目を向ける
ここでいう「量」とは、例えば以下のようなものです。
- 売上
- 顧客数
- 客単価
「量」は、数字などで表せるので、目で見て判断しやすく、気にされがちです。
しかし、一方で、「質」の向上が見落とされてしまっているケースがあります。
「質」とは、例えば以下のようなものです。
- 顧客との関係性
- 顧客満足度
- 自分のワーク・ライフ・バランス
- 自分が心から売りたいサービス・商品を提供できているか?
これらの「質の向上」は、すぐに数字になるようなインパクトはありません。
しかし、長期的に見ると、客単価アップや、リピート率アップ、紹介増など、数字に現れてきます。
「量」ばかり見て、「質」の向上を見落としていないか?
気をつけてみて下さい。
(5)そもそも、なんのための売上なのか?
売上とは、「売上そのもの」が大事なのではありません。
「その売上を使って、何をしたいのか?」のほうが、よほど重要です。
売上だけに目を奪われると、「売上のための売上」になっていたりします。
ゲームで言えば、「一生使わないアイテムを探して、ゲームクリアを先延ばしにしているようなもの」です。
売上は「目的」ではなく「手段」の1つ
売上は、売上そのものが「目的」ではありません。
売上は、何かを達成するための手段の1つでしかないのです。
あなたにとって、その売上で達成したい「何か」は、何でしょうか?
よくよく考えてみると、「あれ、なんで、こんなに売上アップばかり求めていたんだろう?」と気づくこともあります。
そして、不思議なことに、売上を求めない(執着を手放す)と、売上が上がってきたりするものです。
不思議ですが、売上も「追いかけると逃げる」もののようです。
終わりのない拡大地獄に注意
世の中は、「増収増益」「急激な売上アップ」をもてはやす傾向にあります。
しかし、自然界を見ていると、「無限に大きくなり続ける生き物」は、いないのです。
必ず、ある程度成長したところで、大きさの成長は止まるものです。
ある意味、自然界の法則で考えると、「大きくなり続ける=不自然」とも言えるかもしれません。
私は、「量的に拡大しなくても、提供できる価値(質)をどんどん増していけるような、循環型の事務所・組織が生き残っていく」と感じています。
終わりのない拡大地獄に陥らないよう、注意して下さい。
まとめ:売上アップのヒントは、意外と近くにある
いかがでしたでしょうか。
売上アップに限らず、なにかに躓いたときに大事なのは、「行動」ではなく、その前の「考え方(ものの見方)」だったりします。
「考え方(ものの見方)」が変わると、売上アップのヒントが、意外と近くにあることに気づけます。
参考にしていただければ、嬉しく思います。
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