「事務所の強みの書き方が、よく分からないんです…」
先日開催したグループコンサルティングで、上記のような質問を頂きました。
そこで今日は、「強みの書き方」についてご紹介します。
「強み」に関する、よくある誤解×2
(1)「強みを伝える=誇張する」ではない!
よく、「自分を必要以上に大きく見せるのはちょっと…」と言って、強みを書くのをためらう方がいます。
しかし、誤解しないで下さい。
実は、「強みを伝える=誇張する」ということではないのです。
例えば、100あるものを、120だよ!と言ってしまうのは、誇張です。
これは、やってはいけません。
そうではなく、100あるものを、ちゃんと100伝えるのが、正しいコピーライティング技術です。
強みを上手に表現できないと、せっかく100ある魅力が、30くらいしか伝わっていないことになります。
そうなると、ライバルと比較された時に、選ばれなくなってしまうのです。
「伝えなければ、ないのと同じ」なのです。
(2)「実績数が少ないと選ばれない」ではない!
「実績数が多くないと、強みを書けない」と思われる方も、結構います。
しかし、実績数というのは、お客様にとっては「安心材料」でしかなく、「選ぶ理由」ではないのです。
実際、実績100件のところと、実績1000件のところがあったとして、後者のほうが選ばれるか?と言うと、そうではありません。
私のクライアントでも、実績ゼロなのに集客できている事務所も多々あります。
実績数を気にしているのは、多くの場合、事務所側だけ。
そういうことです。
お客様が本当に知りたいのは、「自分が得られるメリット」だけ
極論すると、人間というのは、「自分にどんなメリットがあるのか?」しか興味がありません。
いろいろな事務所を比較しているお客様は、「その事務所に依頼すれば、自分にとって、一番メリットがあるだろうか?」と考えているのです。
つまり、簡単に言うと、「当事務所に依頼して頂けると、こんなメリットがあります」と伝えればいいのです。
強みの書き方の王道:ベネフィットライティングとは?
そこで役に立つのが、ベネフィットライティングというテクニックです。
ベネフィットライティングとは、「私は、あなたにこんなメリットを提供できますよ」と書く文章術のことです。
これだけだと分かりづらいと思うので、実例をあげて解説しますね。
(例)iPodを買いたい顧客に向けた、ベネフィットライティングの事例
携帯音楽プレイヤーの「iPod(アイポッド)」ってありますよね。
この良さを顧客に伝えたい時、多くの人がやってしまうのは、以下のような書き方です。
これは、これは、最新のMP3プレイヤーです
小型で軽量です。
容量は30GBもあります。
実働時間は、連続50時間です。
上記の文章を見て、欲しい!買いたい!と思いますか?
おそらく、ほしいとは思わないでしょう。
なぜかと言うと、これを読んだ多くの人は、「30GBの容量って、結局何ができるの?30GBあると、私にどんなメリットがあるの?」と思っているからです。
上記の文章だと、スペック説明(機能説明)だけで、メリットが分からないのです。
では、どうすれば良いのか?
正解は、以下のような文章です。
iPod。1000曲をポケットに。
これは、スティーブ・ジョブズが、iPodを発売した時に語った一言です。
つまり、「このiPodは、30GBの容量があります。これによりあなたは、1000曲もの音楽を持ち歩くことができるのです」ということです。
顧客が得られるもの(メリット)を完結に表現していますよね。
多くの士業は、スペック説明(機能説明)だけになっている…
そう。
多くの士業は、スペック説明(機能説明)だけになっているのです。
例えば、以下のように。
当事務所は、経営革新等支援機関です。
これだけ読んだ人は、「経営革新等支援機関だと、私にどんなメリットがあるの?」と思っているわけです。
これを、ベネフィットライティングに書き換えたのが、以下の文章です。
当事務所は、経営革新等支援機関です。
補助金申請などもサポートできるので、資金調達がしやすくなります。
こう書くことで、「なるほど、資金調達しやすくなるのか!」ということが伝わって、顧客も納得するわけです。
- 「私には、こんな特徴があります!」だけではダメ。
- 「私には、こんな特徴があります。これにより、あなたにこんなメリットがあります!」と伝える
これが、ベネフィットライティングなのです。
ベネフィットライティングの5ステップ
(Step1)自分の特徴(強み)を書き出す
最初に、あなたの特徴を、どんどん書き出していきます。
この時、綺麗な文章にする必要はありません。
まずは、箇条書きでいいので、どんどん書き出していきます。
特徴を書き出すヒントとしては、以下のような項目について書き出していくとスムーズです。
- 実績数
- 信念(自分が仕事上、大切にしていること)
- 立地
- 資格・認定
- 関わっている団体
- 何かに特化している
以下に、実際に書き出してみた一例を載せますので、参考にしてみて下さい。
(Step2)その特徴があることによるメリットを書く(最初は箇条書きでOK)
次に、「Step1で書き出した特徴があることで、顧客にどんなメリットがあるのか?」を書き出していきます。
これも、この段階では綺麗な文章にする必要はありません。
箇条書きでOKです。
例えば、以下のような感じです。
(Step3)メリットを文章化する
Step2で書き出したメリットを、綺麗な文章に整えていきます。
例えば、以下のような感じです。
(Step4)メリットを含めて、見出しを書く
最終的に、ホームページに強みを載せたい場合には、各強みに「見出し」があった方がいいです。
なぜなら、結局お客様が知りたいのはメリットの部分だからです。
見出しにメリットを書くことで、より分かりやすく、魅力が伝わる文章になります。
見出しの文章には、メリットを完結に含めることをお勧めします。
例えば、以下のような感じです。
(Step5)ホームページに強みを載せる
ここまで書けたら、あとはホームページに載せればOKです。
以下に示すように「見出しを太字で大きめに」「その下に詳しい文章」を載せると、読みやすくなります。
また、その強みをイメージできる画像があれば、それも載せておくと効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
文章というものは、いきなり全文を書こうとすると、途中で手が止まってしまうものです。
そうではなく、最初は箇条書きでどんどん書き出すだけでOK。
最後に、きれいな文章に整えてあげればいいのです。
いきなり上手に書こうとせず、ステップを踏んで実践してみてくださいね。
参考になれば幸いです。
あわせて、以下の記事もよく読まれています