「すぐやる習慣は、人生を好転させます!」
「成功者の多くは、すぐやることを習慣にしています!」
「言われたらすぐやる人は、仕事ができる人であると評価されます!」
上記のような、「すぐやる信仰」が、よく語られますが…
実は、すぐやる習慣には、あなたを苦しめる落とし穴があります。
今日は、すぐやる習慣のデメリットと、逆転の発想で仕事を効率化する方法を、ご紹介します。
すぐやる習慣が、自分を邪魔する!?デメリット×3
(デメリット1)自分の「大事な仕事」が、後回しになってしまう…
顧客の要望に、すぐ応えようとしたり。
上司からの依頼に、すぐ対応したり。
確かに、これらは素晴らしいことのように思えますが、実際には、あなたの「大事な仕事」を先延ばしにしてしまっています。
ここでいう「大事な仕事」とは、
- 売上に直結する仕事
- あなたの目標達成(自己実現)に直結する仕事
- あなたしかできない仕事
のことを指します。
何でもかんでも、すぐ対応しよう!としてしまうと、仕事時間がどんどん細切れになっていきます。
結果的に、大事な仕事に集中できなくなってしまうのです。
(デメリット2)段取りがなく、仕事の効率が悪くなる
「段取り八分、仕事二分」という言葉もありますが、仕事の成果を決めるのは、仕事前の「段取り」にあります。
何故かと言うと、人間の脳にとって、「考える」ことと「作業する」ことを同時にやるのは、ものすごく大きな負担だからです。
すぐやろうとすると、段取りなく作業をスタートしてしまうので、「考えながらやる」ことになります。
これが、仕事の効率を下げてしまうのです。
(デメリット3)ミスが増え、仕事のクオリティ(質)が下がる
上述のデメリット2にも関連しますが、段取りがないと、余計な失敗が増えます。
- アレをやるのを忘れてた!のような二度手間
- 普段はやらないような、小さなミス。そして、その修正のための追加作業。
- 行き当たりばったりで仕事するので、全体のクオリティ低下
- 仕事を前倒しで終わらせた!と思ったら、クライアントから変更希望があり、ほとんど直すはめに…
このように、すぐやる習慣によって、逆効果になっていることも多々あるのです。
では、どうすればいいのか?言いますと…
「すぐやらない」という、逆転の発想がポイント
ずばり、この解決策は、「すぐやらない(意図的に、後回しにする)」ことです。
実際、私自身も、そしてこれをアドバイス差し上げた当社のクライアントも、
- すぐやらないことで、仕事の効率が一気に上がった!
- いつも残業ばかりだったが、定時で終えられるようになった!
- 仕事の質が上がり、お客様にも喜ばれた!(←ここが大事。すぐやらないことで、顧客にもメリットがあるのです)
という、とてもいい変化を実感しています。
実際、すぐやる習慣とは逆で、すぐやらないことで、
- 後で、まとめて処理できるので、短時間で終わる
- 作業するまでに、頭が勝手に段取りしてくれるので、ヌケモレやミスも大幅に減る
- 結果、自分の大事な仕事を中断せずに済み、集中できる!
という、メリットが山ほどあるのです。
すぐやらない習慣の活用法
では、具体的にどんな活用法があるのか?
いくつかご紹介します。
(1)これが最重要!顧客や上司からの依頼は、明日のタスクへ。
(その日はやらない)
顧客や上司から依頼されたことは、その日はやらないでください。
すぐやらない習慣の中で、これが一番重要です。
スケジュール帳に、明日のタスクとして書いて、明日やればいいのです。
実際のところ、「その日のうちにやらなければいけない」仕事は、ほとんどありません。
多くの場合、「早くやったほうがいいだろう(仕事が遅いと思われたくない)」という、自分の勝手な思い込みです。
(私も、すぐやらないことで問題になったことは、今までに一度もありません)
明日やることで、顧客にもメリットがある
例えば、顧客Aさんから「この資料を送ってほしい」と言われたとしましょう。
その日にやろうとすると、その資料を送って終わり、になってしまいますが…
明日のタスクに入れると、あなたの脳が無意識に動き始め、勝手に仕事を段取りしてくれます。
(人間の脳というのは、不思議なもので、そのタスクをこなしていない時に閃くことが多いのです)
例えば、
- そう言えば、前に顧客Bさんにも、同じような資料を送ったな。それ、使えないかな?
- 顧客Aさんは、こんな要望も持っていたから、この別の資料も一緒に送ってあげたら喜ばれそうだ
- おっと、ここの部分は、顧客Aさんには不要だから、削除しておいたほうがよさそうだ
のように。
これが結果的に、顧客Aさんの満足度を高めてくれるのです。
(2)作った資料は、その日に送らず、翌日送る
顧客や上司に送る資料は、その日に送らずに、翌日送ると効果的です。
1日時間を置くことで、改善点が思い浮かんだり、抜け漏れに気付いたりします。
これにより、「資料を作り直して再送する」などの二度手間が省けます。
相手には、「ただいま準備しており、明日にはお送りできるかと思いますので、今しばらくお待ちください」と一報しておけば、相手を不安にさせることもありません。
(3)思いついたアイデアは、その日はやらずに、翌日以降にやる
こういうふうに、何かしらのアイデアを思いつく時ってありますよね。
でも、そのアイデアを即実行するのは、ちょっと待ってください。
これも、少なくとも1日、寝かせておいたほうがベターです。
- そのアイデアがさらにブラッシュアップされて、より良いものになったり。
- 逆に、「思いついた時は、すごいアイデアだ!と思ったけど、実際そうでもないな」と、やる必要のないことに気付いたり。
(余談)夜書いた手紙を出すな
夜書いた手紙を、朝になって読み返すと、恥ずかしいことを書いていたり、見当違いなことを書いていたりするものです。
私は、アイデアもこれと同じのようなものだ、と感じています。
使えるアイデアは、全体のごく一部。
それをふるい分けする意味でも、時間を置く(すぐやらない)のは有効なのです。
(4)確認メールは、翌日送る
これは、私が先日、セミナーを開催しようとした時のことです。
セミナー会場にある備品を確認したくて、担当者さんに「ホワイトボードと演台はありますか?」という、確認メールを送ろうとしたのですが…
ふと、「今送らずに、明日送ろう」と思い、その日は送らずにおいたのです。
すると、その後に
- あ、プロジェクターとパソコンを繋ぐケーブルって何があるんだろう?Mac用の変換ケーブルはあるかな?
- 備品は、最初から会場に設置されているのかな?セミナー当日に、自分で設置するのかな?
- 席の配置は、最初どうなっているんだろう?先に伝えておけば、事前にその配置で準備してくれるのかな?
のように、追加で確認したい事項がポンポン思いついたのです。
結果、その日に確認メールを送信していたら、何度もやり取りしなければいけなかったところ…
翌日に(意図的に)後回しにしたことで、1通のメールですべて確認することができ、手間が大幅に減ったのです。
このように、何かしらの確認メール(顧客はもちろん、上司や部下、同僚、取引先などに送るメール)も、翌日に送るとベターだな、と身を持って感じた次第です。
逆に。すぐやるべきこと
なお、すぐやったほうがいいことも、もちろんあります。
パッと思いつくもので言うと、
- 謝罪
- 御礼
- 締切が今日の仕事(←この場合、締切に追われるような、普段の仕事のやり方そのものを変える必要があるとも言えます)
- 何かしらのトラブル対応(例えば当社であれば、当社はHP制作会社なので、お客様から「HPを編集していたら、間違えて表示が崩れてしまった」などの問合せが稀にあるので、そういった対応など)
などは、すぐにやったほうがいいです。
ただ、これら以外のことは、正直、翌日でも全く問題ありません。
まとめ:すぐやる習慣で、自分を苦しめないで下さい
すぐやる習慣は、確かに素晴らしいものです。
しかし、すぐやることで、逆に自分を苦しめている人も多いように思います。
(実際、私自身がそうでした)
ぜひあなたも、「すぐやらない」習慣を実践してみてください。
最初は、少し違和感を感じると思います。
- すぐやらないで大丈夫かな?
- 顧客や上司に、早くしろ!って思われないかな?
- 仕事が遅い人、って思われたらどうしよう…
でも、それらの不安は、杞憂です。
妄想です。
逆に、大事な仕事に取り組む時間が増え、仕事のクオリティや効率も上がり、良い変化を感じることばかりだと思います。
参考になれば幸いです。
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