先日、当社のお客様から、上記のようなご相談を受けました。
結論から申し上げますと、このお客様の場合、「パッと見ると、直帰率が高いように思えるが、実は心配しなくて大丈夫」という状況でした。
(実は、こういった「実は心配しなくて大丈夫」なケースは、以下にご紹介するように、結構あるのです)
今日は、
- 直帰率の正しい見方
- 直帰率が高くても、安心していいケース(ホームページ自体には、問題がないケース)
について、解説します。
直帰率とは?
確認の意味も含め、直帰率とは何か?について、最初に説明しておきます。
直帰率とは?
まず、直帰率の平均値(目安)を知っておこう
直帰率が高いのか?低いのか?を判断するには、まず、平均値(目安)を知っておく必要があります。
一般的に、ホームページの直帰率の平均値は、以下のようになっています。
ブログ | 70~90% |
---|---|
ランディングページ | 70~90% ※LPの場合、サイトの構成上、90%超えもザラ。 |
通常のホームページ | 50~70% |
詳しくは後述しますが、この表にあるように、
- ブログ機能が含まれるホームページ
- ランディングページ
というのは、構造上、直帰率が高くなりがちなのです。
あなたが見ている「直帰率」、実は間違っています
多くの人は、グーグルアナリティクスで、ホームページの直帰率を計測しているものと思います。
ここで注意してほしいのが、「グーグルアナリティクスでパッと見えるのは、全ページの直帰率の平均値である」ということです。
どういうことか?
具体例を挙げて見てみましょう。
当社クライアントの場合(直帰率89%と表示されているが、実は…)
例えば、以下は、当社クライアントのグーグルアナリティクスのデータです。
多くの人は、これと同じように「オーディエンス⇒概要」の箇所の直帰率を見ていると思います。
確かに、ここの値だけ見ると、「88.82%」になっていて、直帰率が高い気がしますよね。
しかし、ここの値は、「自分のホームページ内の、全てのページの直帰率を平均した値」なのです。
各ページの直帰率を個別に確認するには、「行動⇒サイトコンテンツ⇒すべてのページ」を見てください。
すると、以下のような画面が出てきます。
上図を見ると、ブログページ(モザイクになっているページ)は直帰率が高い(90%以上)になっていますが、例えばトップページは、「49.05%」になっていますよね。
このように、ページごとに見てみると、「なんだ、トップページは直帰率が低いんだ」ということが分かるのです。
あなたも、直帰率の平均を見て焦るのではなく、各ページの個別の直帰率を見る癖をつけていただければと思います。
直帰率が高くても、安心していいケース×5
それでは、ここからは、「直帰率が高くても、安心していいケース」をご紹介します。
(1)反応(コンバージョン)が取れている場合
ホームページから、
- 問合せ
- 無料相談の申込み
- メルマガ登録
- セミナー参加申込み
など、反応(コンバージョン)が取れているのであれば、直帰率が高くても、安心して大丈夫です。
ホームページの最大の目的は、「反応を取ること」です。
直帰率は、1つの判断基準に過ぎず、「直帰率を下げること」が目的ではないですよね。
直帰率よりも大事なのは、「文章で、あなたの価値が伝わっているか?」
当社では、クライアントのホームページに何かしらのアドバイスをする時、「直帰率が高いか?低いか?」を、あまり気にしません。
(もちろん、1つの判断基準として見ることはありますが、「直帰率が下がる=問合せが増える」とは一概に言えないため、あくまで参考程度に見ている感じです)
では、どこを重点的に見ているのか?と言うと、「文章内容」です。
具体的に言えば、「文章で、あなたの価値が伝わっているか?」です。
人間は、「得られる価値 > 支払う値段」と感じた時に、行動を起こす(つまり、買う)ものです。
つまり、文章で、あなたの価値を最大限伝え、「お値段以上ですよ」ということを伝える必要がある、ということです。
詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご参照ください。
>>コピーライティングのコツ。「すごそうに見えるか?」 という考え方が大事。
>>ホームページに何を書くべき?商品(サービス)説明より大事なこと
(2)ランディングページになっている場合
ランディングページというのは、「縦長1ページだけのホームページ」のことを指します。
上図にように、ランディングページは、1ページしかありません。
そのため、ランディングページを見に来た人の行動としては、
- 何かしらの申込みをするか?(問合せ、無料相談の申込み、メルマガ登録、など)
- ページを閉じるか?(つまり、直帰)
のいずれかしかない、ということになります。
これはつまり、直帰率が高まりやすい、ということです。
(これは、ランディングページの構造上、仕方のないことなのですね)
前述したように、ランディングページの直帰率は、70%~90%、あるいは90%を超えることもザラにあります。
そのため、あなたのホームページがランディングページ型になっているのであれば、直帰率が高くても心配しなくてよい、と言えます。
ランディングページから問合せが来ない時は?
文章の書き方(コピーライティング)のコツは、以下でも解説していますので、ご参照ください。
>>その文章、顧客に刺さってる?HPのターゲティングを尖らせる方法
>>強みの書き方:誰でも5ステップでできる実践例を紹介
(3)ブログを更新している場合
ホームページにブログが組み込まれている場合、直帰率が高くなりやすいです。
なぜなら、ブログページを見る人というのは、そのページだけ見て「タメになった!」と思ってページを閉じてしまう人が多いからです。
そのため、ブログページだけ見ると、直帰率が90%以上、ということも、よくあります。
検索してブログページに辿り着く人というのは、一般的に「情報収集したい人」であることが多いのです。
つまり、まだ「申込み(問合せ、無料相談、メルマガ登録、セミナー参加、など)を検討していない」段階なので、他のページも見てくれる確率が低いのです。
しかし、ブログページは直帰率が高くても、他の主要なページ(例えば、トップページなど)の直帰率が低いのであれば、心配しなくていいケースと言えます。
以下の記事も、参考になると思います。
>>ホームページとブログは、役割が違う。集客に効く使い分けを解説。
ブログページから、主要ページへの導線を作ってあげよう
(4)ディスプレイ広告を使っている場合
PPC(リスティング広告)のうち、「ディスプレイ広告」を使っていると、直帰率が高くなってしまう場合があります。
※PPCについては、以下の記事も参考になると思います。
>> PPC(リスティング広告)って何?な人もすぐ分かる!初心者向け解説
ディスプレイ広告とは?
PPC(リスティング広告)には、「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類があります。
検索広告の特徴
「検索広告」は、「何かしらの目的をもって検索してきた人に対して、広告を出す」手法です。
つまり、「申込む(買う)気がある人」であることが多く、ホームページをよく見てくれる傾向にあります。
結果、直帰率が低くなりやすいのです。
ディスプレイ広告の特徴
「ディスプレイ広告」は、広告配信の設定時に、自分でターゲットを決めます。
(例)「相続関連のページを見ている人に、広告を出す」など
前述の検索広告とは異なり、こういった人は、「その時点では、まだ情報収集段階であり、専門家に相談したりする気持ちがない」こともあります。
そのため、仮に広告をクリックしてホームページに訪れたとしても、すぐ帰ってしまう(つまり、直帰してしまう)ことも多いのです。
結果、直帰率が高まりやすい、ということです。
(注意!)ディスプレイ広告がダメだ、ということではなく、性質上そういうものだ、ということ
上記の説明だけを見ると、「検索広告のほうが良さそうだ」と思われるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。
ディスプレイ広告も、設定しだいで、以下のように、検索広告よりも高い反応を獲得できるのです。
前述しましたが、ここでも大事なのは、「直帰率が高いかどうか?」ではなく、「反応が取れているか?」です。
ディスプレイ広告は、性質上、どうしても直帰率が高くなりがちですが、反応が取れていれば、その広告設定は正しい、と言えるのです。
意図せず、ディスプレイ広告が出てしまっている場合があるので注意
(5)Google広告の「スマートアシストキャンペーン」を使っている場合
Google広告(旧:Googleアドワーズ)には、「スマートアシストキャンペーン」という機能があります。
簡単に言えば、「リスティング広告の設定に慣れていない、初心者向けの機能」です。
スマートアシストキャンペーンだと、勝手にディスプレイ広告が表示されてしまうことがあります。
前述のとおり、ディスプレイ広告は上手く使いこなせないと、反応(コンバージョン)が取れず、直帰率が高まりやすかったりします。
Google広告の画面右上の「ツール」の箇所で、「エキスパートモードに切り替える」をすると、スマートアシストキャンペーンを解除できます。
スマートアシストキャンペーンは、その性質上、細かな設定ができず、分析や改善がしづらいので、当社はお勧めしていません。
Google広告を使う時は、「エキスパートモード」に切り替えてから使うことをお勧めします。
まとめ
何度もお伝えしますが、直帰率は、「反応を取るための、判断基準の1つ」です。
直帰率も確かに大事な数値の一つではありますが、そこだけにとらわれず、「反応を高めるには、どうすればいいか?」という視点を、常に忘れないでくださいね。
参考になれば幸いです。