「最近、問合せが減ってきてる。競合サイトの影響だろうか?」
「アクセス数が減ってる…。ライバルのホームページが上位表示されてきてる?」
もしあなたのホームページの反応が落ちてきているなら、ライバルも分析し、対策を考える必要があります。
ここでは、競合サイトが現れた時の分析手順と、ケース別の改善策をご紹介します。
ライバルが出てきても、いきなり値下げしてはいけない!
ライバルが出てくると、多くの人が最初に考えるのが「値下げ」です。
「値段を下げれば、ホームページの反応を上げられるのではないか…?」
そう期待して値下げされる方もいると思いますが、ちょっと待って下さい。
確かに値段は、顧客の検討要素の一つです。
値下げによって、一時的に問合せ数がもとに戻ったり、増えることもあるでしょう。
しかし、あなたがあまりにも法外な値段をつけていない限り、また、ライバルがあまりにも極端にダンピングしてこない限り、値段だけで大きな差がつくことは多くありません。
さらに、値下げには3つのデメリットがあるのです。
値下げによるデメリット×3
(1)利益率が下がり、自分の首を絞めることになる
値下げすることで、当たり前ですが、利益率が下がります。
一時的に集客できるようになっても、利益率の低いサービスを売り続ければ、薄利多売になります。
特に、士業やコンサルタントのような労働集約型のビジネスの場合、値下げによる利益率悪化は、極力避けたいところです。
労働集約型ビジネスは、薄利多売になればなるほど、「働けど働けど、暮らし楽ならず」状態に陥るからです。
負のスパイラルに陥ってしまうので、値下げはお勧めできません。
(2)サービスの質が下がる
士業やコンサルタントのような労働集約型ビジネスの場合、値下げした時には、サービスの質に影響が出ます。
いくら「自分は、値下げしてもサービスの質は落とさない!」と思っていたとしても、です。
現実問題、サービス単価を下げれば、その分、1件あたりにかけられる労力や時間にも制限が出てしまいます。
一時的にはこれまでと同じサービスの質が保てても、長期的に見て、それをずっと続けるのは、とても難しいものです。
要するに、値下げは、あなたにとっても、お客様にとっても、良くないことなのです。
(3)既存のお客様に申し訳ない
この感覚は人それぞれだと思いますが、値下げすると、既存のお客様に申し訳なくなります。
例えば、今までは10万円でサービスを提供していた。
既存のお客様は、10万円支払って、そのサービスをご利用いただいていた。
しかし、あるタイミングで、8万円に下げた。
となると、先に申し込んでいた既存のお客様は10万円払っているわけなので、2万円損した気持ちになります。
もちろん、サービスの内容や質などを削っているのかもしれませんが、既存のお客様には、そんなことは分かりません。
単純に「値下げした後に申し込めば、もっと安かったのか」と思われかねません。
値下げするのではなく、「価値」を伝えよう!
では、どうすればいいのか?
その答えは、「価値を伝えること」です。
人間は、「得られる価値よりも、価格のほうが安い!」と感じた時に行動する生き物です。
額面だけを見て、高いか安いか?を判断しているのではないのです。
極論すれば、人間は「価格よりも良さそうに見えた商品・サービスを買う」生き物なのです。
ここで大事なのが、「本当に良い商品・良いサービスかどうか?」ではなく、「良い商品・良いサービスに見えるかどうか?」で判断している、ということです。
良い商品か?良いサービスか?は、依頼前には分かりませんよね。
例えばあなたも、初めて行くレストランでメニューを注文する時、「美味しそうに見えたメニュー」を注文するはずです。
実際に美味しいかどうか?は、食べてみなければ分からないからです。
つまり、「価値を伝える努力をちゃんとする」ことが大事なのです。
この後、競合サイトが出てきた時の分析手順と、対策方法をご紹介しますが…
頭に入れておいてほしいのは、「お客様に、商品・サービスの価値をちゃんと伝えられた方が勝つ」ということです。
これを忘れずに、以下の手順を実践して頂ければと思います。
競合サイトが出てきた時の分析手順
では、ここからは、実際の分析手順と、状況別のホームページ改善方法をご紹介します。
(分析1)まずは、自分のホームページの状況を知ろう
最初に分析すべきなのは、あなた自身のホームページです。
自分のホームページの状況が分からない状態では、効果的な対策はできません。
分析項目は多々ありますが、一番重要視したいのは、「ホームページのアクセス数の推移」です。
なぜ、アクセス数の推移が重要なのか?と言いますと…
単純に考えて、「アクセス数が減っていれば、その影響で問合せ数が減っている」「アクセス数が減っていなければ、アクセス数以外の要素が影響して問合せ数が減っている」と推測できるからです。
ホームページの集客力は、以下の公式で決まります。
このうち、アクセス数は、グーグルアナリティクスなどを使えば、すぐに分かります。
つまり、「アクセス数が減っているなら、その影響で問合せも減っている」「アクセス数が減っていないなら、反応率の方に問題がある可能性が高い」のように、改善策の目星が付けやすくなるのです。
グーグルアナリティクスを見てみよう
アクセス数を分析する上で、最も簡単なのは、グーグルアナリティクスを見ることです。
ログインして、「ユーザー⇒概要」をクリックし、右上の期間を3~6ヶ月くらいに指定してみて下さい。
すると、以下のように、その期間のアクセス数の推移を見ることができます。
この推移が減っていれば、アクセスアップ対策を行うことで、問合せ数を増やせる可能性があります。
逆に、推移が減っていない(横ばいか、増えている)状況であれば、アクセス数以外の影響が考えられます。
PPC(リスティング広告)の管理画面を見てみよう
グーグルアドワーズや、Yahooプロモーション広告といった、PPC(リスティング広告)を使っていれば、その管理画面も確認してみましょう。
ここでも、アクセス数の推移が分かります。
グーグルアナリティクスでは、セキュリティの関係で、検索キーワードの閲覧に制限がかかってしまいます。
そうなると、「どんな検索キーワードで検索されているのか?」といった分析ができないのです。
一方、PPCの管理画面では、検索キーワードの情報も見れます。
これにより、「あれ?このキーワードでの流入が減ってる!?」のように、検索キーワード単位でアクセス数の推移を見ることができます。
これは、グーグルアナリティクスには無いメリットなのです。
(分析2)ライバルのホームページを知ろう
次に、ライバルのホームページの状況を調査しましょう。
こちらも、分析しようと思えば、いくらでも調べる項目が出てきますが、正直、そこまで時間をかけていられませんよね。
そこで、最低限チェックしておきたい2項目をご紹介します。
ライバルのホームページをチェック
まずは、競合サイトの中身を見ていきましょう。
この時、チェックすべきポイントは、以下の4点です。
分析すべきポイント | |
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キャッチコピー | ・顧客が得られるメリットを明確に伝えられているか? ・キャッチコピーを見るだけで「ここに相談すれば、悩みが解決できそう!」と感じられるか? |
強み・特徴 | ・特徴が分かりやすく書かれているか? ・強烈な強みを持っていないか?(そこしかできないサービス、など) |
料金 | ・料金表は、目立つところにあるか? ・料金表は、分かりやすいか? |
サービス内容 | ・どんなサービス内容が含まれているか? ・顧客から見て、サービス内容が分かりやすく書かれているか? |
上記のようなポイントをチェックしましょう。
アクセスアップ対策をチェック
ライバルのアクセスアップ対策を分析するには、以下のような専用のツールもあります。
- SearchMetrics:SEOやPPC(リスティング広告)の状況を分析できる
- Moz:SEOに重要な「どのサイトからリンクを獲得しているのか?」を分析できる
- Ahrefs.com:SNSで拡散されているかどうか?などを分析できる
ただ、小規模サイトの分析には不向きだったり、使い方が分かりづらかったり、有料だったりして、場合によっては実用的でないケースもあります。
ライバルのアクセスアップ対策を調査するのに最も手軽な方法は、「あなたが狙っているキーワードで検索してみる」ことです。
狙っているキーワードで検索して、競合サイトがあなたよりも上位表示されているのであれば、アクセスを奪われてる可能性があります。
パソコンとスマホで検索結果が異なるので、パソコンだけでなく、スマホでも検索してみましょう。
分析した結果を元に、あなたのホームページを改善する方法
ここまでで、自分のホームページと、競合サイトの状況を調査してきました。
ここからは、状況別のホームページ改善策をご紹介します。
(改善策1)アクセスを奪われているなら
分析した結果、「アクセス数の推移が顕著に減ってきている」のであれば、アクセスアップ対策をテコ入れしましょう。
具体的には、例えば以下のような方法が考えられます。
- ブログ更新の頻度を高めて、SEO対策の効果を上げる
- PPC(リスティング)広告をやっていないなら、始めてみる
- PPCの予算額を増やしてみる
ただ、私がこれまでにサポートしてきたクライアントを見ると、アクセス数が減っていることが直接的な原因ではない場合の方が多いです。
そうなると、もう一つの対策は、次に挙げる「反応率を高める」という施策になります。
(改善策2)反応率で負けているなら
「アクセス数は減っていないのに、問合せが減っている」のであれば、考えられるのは、「競合サイトと比較された時に、反応率で負けている」ということです。
つまり、「競合サイトと比較された時に、あなたのサービスの価値がちゃんと伝わっていないので、負けている」ということです。
ホームページの反応率は、多くの要素が絡み合って決まってきます。
主に以下の部分を改善することで、あなたの価値を見込み客に伝えられるようになります。
(1)キャッチコピーを変えてみる
キャッチコピーは、ホームページの反応率に大きな影響を与えます。
実際、キャッチコピーを変えただけで、問合せ数が2倍になったりするケースもあるのです。
キャッチコピーの作り方のポイントは、以下の記事でまとめていますので、ご参照下さい。
(2)ライバルを無力化する
「ライバルを無力化する」という方法も有効です。
例えば、あなたのライバルが、「格安で会社設立します!」と謳っているとしましょう。
つまり、このライバルの強みは、価格面なわけです。
それに対してあなたが、「実は、多くの会社が5年以内に廃業している事実をご存知ですか?」「当事務所は、会社設立手続きだけではなく、その後の経営もサポートします」と謳ったら、どうでしょうか?
こうなると、たとえライバルと比較されても、見込み客は「そっか、安く設立できても、廃業してしまったら意味が無いから、こっちの事務所に頼もう」と思ってくれやすくなるので、ライバルに勝てます。
ライバルの強みである価格面の安さを、無力化できた、ということです。
(3)見込み客に接近する
人間には、「一度でも会ったことのある人のほうが、信頼できる」という心理があります。
ホームページは、基本的に「会ったことのない状態」です。
会ったことのない人に相談するのは、心理的に抵抗があるのです。
そのため、見込み客は、そこに書かれている情報を鵜呑みにして信頼してくれるわけではありません。
そこで、例えば、セミナーなどを開催して、一度でも見込み客に会ってしまうと、ライバルから一歩抜きん出ることができます。
セミナー集客のポイントは、以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
>> ホームページで売りづらいサービスは、【セミナー⇒個別相談】で売れる
(4)料金表を分かりやすくする
料金表は、必ず見られるコンテンツです。
だからこそ、ここの書き方ひとつで、反応が大きく変わってきます。
料金表の作り方のポイントは、「見込み客がパッと見ただけで、自分が申込むべきサービスと、おおよその金額がわかること」です。
料金表の作り方のポイントは、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
>> 料金表の作り方:ポイント12個まとめ。顧客心理を捉える事例もドサッとご紹介!
(5)選ばれる理由を明確化する
最近、コンテンツマーケティングという言葉が、いろいろなところで叫ばれています。
「コンテンツを増やせば、集客できます!」と言われていますが、これは、半分正解で、半分間違いです。
コンテンツを増やすことで増えるのは、アクセス数です。
コンテンツを増やしても、ホームページの反応率は高まらないのです。
そうではなく、「あなたが選ばれる理由(強み・特徴)をしっかり伝えること」が大事なのです。
つまり、「価値を伝える努力をちゃんとする」ということです。
(6)お客様の声を増やす
お客様の声を増やすことで、ホームページの反応率を高めることができます。
お客様の声を集めるのは、手間になるので、多くの事務所は、あまり積極的に取り組んでいません。
しかし、この地道な積み重ねが、ホームページの反応に大きな差を生みます。
一点、お客様の声は「ただ単に、あればいい、というものではない」ので、注意して下さい。
ポイントは、「そのお客様のビフォーアフターが分かること」です。
詳しくは、以下のページで解説していますので、ぜひご覧ください。
>> お客様の声のベストなまとめ方は?必要な5つの要素を解説
まとめ
いかがでしたでしょうか。
競合サイトが出てきても、まずは落ち着いて、冷静にこれらの分析を行ってください。
決して、焦って値下げしたりせず、まずは原因を特定しましょう。
そして、それに合わせた対策を行ってください。
ビジネスを続けていれば、競合は必ず登場します。
その都度、焦らず、しっかり対応していけば、恐くはありません。
参考になれば幸いです。
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