こういったご相談を頂くことが多いので、今日は、「PPC広告の費用の目安」についてお話します。
費用対効果の計算にお役立ていただければ幸いです。
PPC広告の費用の目安:士業・コンサルタントのような「無形サービス」の場合
私の本業は、士業向けのWeb集客コンサルティングです。
なのでここでは、士業・コンサルタントのような「無形サービス」のPPC広告の費用の目安について扱ってみたいと思います。
参考の数値として、無形サービスの場合、「売上のうち、10~30%に広告費が収まる」のが妥当であると言われています。
例を挙げて、広告費の目安を計算してみましょう。
単発サービスの場合(各種手続き系)
- 建設業許可の申請代行
- 相続手続き
- 障害年金の申請代行
- 離婚相談
こういった、単発サービスの場合は、計算が簡単です。
例えば、1件あたりの売上額が「20万円」のサービスを売るとしましょう。
この場合、1件獲得(20万円)の売上のうち、10~30%に広告費が収まるのが妥当なので、
- 10%で収まれば:20万円×10%=2万円
- 30%かかったとすると:20万円×30%=6万円
と計算できます。
つまり、単純計算ではありますが、「2万~6万の広告費で1件獲得(受注)」というのが目安になります。
そのため、概算すると
- ①月1件獲得(受注)したい場合:2万円~6万円の広告費
- ②月2件獲得(受注)したい場合:4万円~12万円の広告費
- ③月3件獲得(受注)したい場合:6万円~18万円の広告費
といった目安になります。
上記の目安から言いますと、仮にこの人が「広告費として月5万円」でスタートしたとすると、おおむね「月1~2件受注」を当面の目標にするのがベターである、と考えられます。
継続サービスの場合(顧問・コンサルティング系)
- 税理士の顧問契約
- 社会保険労務士の顧問契約
- コンサルティングなどの継続課金型
こういった継続サービスの場合、「1年間の報酬額」を基準に計算することが多いです。
例えば、税理士が顧問契約を獲得したい場合。
- 顧問料:月額2万円
- 決算料:12万円
とすると、年間で「2万円×12ヶ月+12万円=36万円」が1年間の報酬額になりますね。
なので、この1年間の報酬額(36万円)のうち、10~30%に広告費が収まるのが妥当なので、
- 10%で収まれば:36万円×10%=3.6万円
- 30%かかったとすると:36万円×30%=10万8000円
と計算できます。
つまり、単純計算ではありますが、「3.6万~10万8000円の広告費で1件獲得(受注)」というのが目安になります。
そのため、概算すると
- ①月1件獲得(受注)したい場合:3.6万円~10万8000円の広告費
- ②月2件獲得(受注)したい場合:7.2万円~21万6000円の広告費
- ③月3件獲得(受注)したい場合:10万8000円~32万4000円の広告費
といった目安になります。
上記の目安から言いますと、仮にこの人が「広告費として月5万円」でスタートしたとすると、おおむね「月1件受注」を当面の目標にするのがベターである、と考えられます。
PPC広告(リスティング広告)の費用対効果を高めるには?
- 上記の計算を元に目安を出して、実際にPPCをやってみた
- 数ヶ月やってみた結果当初の、計算結果より獲得数が少なかった
こういった場合、考えられる改善としては、次の3つです。
(1)PPCの設定を改善する(クリック単価の減少を目指す、など)
一番最初に思いつくのは、「PPCの設定を改善しよう」ということでしょう。
- キーワード
- 広告文
- 広告表示オプション
- 配信する地域、時間帯
- 新たな配信手法を試す(検索広告だけでなく、リマーケティングもやってみる、など)
などなど、こういった設定を改善することで、費用対効果を高め、目標の獲得数に近づくようにしていきましょう。
広告文やキーワードを改善することで、クリック単価(CPC)を下げ、より多くのクリックを集められるようになっていきます。
(関連記事はこちら)
>> PPC(リスティング広告)の運用のコツ10個 & 3つの心構え
>> 【保存版】PPCキーワードのマッチタイプの違いと、お勧め設定を解説
ただ、PPCの設定だけを見直しても、上手くいかないケースもあります。
なぜなら、次のような要素も関連してくるからです。
(2)ホームページの中身(主に文章)を改善する
ホームページの集客力は、次の公式で決まります。
PPCは、言わば「アクセスを増やすための手段」でしかありません。
これ以外に、「ホームページの反応率(問合せ率)」と「受注率(受任率)」も関わってくるのです。
この公式は掛け算なので、1つの要素だけ改善しても、効果は薄くなってしまいます。
3つの要素全体を改善していくことで、成果が最大化されていきます。
(文章改善の参考記事)
>> ホームページの集客力UPに効く文章の書き方。ポイントは「3つのNot」です
>> コピーライティングの基礎中の基礎。師匠に教わった、売れる文章を書くコツとは?
「クリック単価(CPC)」を加味した考え方
(3)受注率(受任率)を改善する
- 電話相談への対応
- メール問合せへの対応
- 対面相談(無料相談)の時の対応
こういった、「お客様とのやり取り」の場面で
- 何を話すか?
- どの順番で話すか?
を改善することで、受注率(受任率)をアップさせることができます。
(受注率アップの参考記事)
>> あなたは大丈夫?「検討します」を防ぐ営業の心得×3+1
まとめ:PPC広告の費用は「逆算」して考えよう
いかがでしたでしょうか。
PPC広告の費用を決める上で大事なのは、ここで解説したように「逆算して考える」ことです。
広告を出すのに慣れていないと、「今出せる広告費はこれくらいだから、この金額でスタートしよう」のような考え方でスタートしがちです。
しかし、これだと、「この広告費で、どれくらいの成果が目指せるのか?」「何件獲得できれば、費用対効果が良いと言えるのか?」が分かりません。
そうではなく、
- これくらいの売上を目指したいから、これくらいの広告費が必要だな
- そのためには、ホームページの反応率(問合せ率)は、これくらいは必要だな
のように、逆算して考える必要があるのです。
あなたもぜひ、ここでご紹介した計算方法を参考に、PPC(リスティング広告)にチャレンジしてみてくださいね。