コピーライティングを勉強していると、いろいろな「文章構成の型」が見つかると思います。
代表的なものだと、以下のようなものですね。
- PASONAの法則
- BEAFの法則
- QUESTの法則
確かに、これらの型に沿って書くことで、成果が出ることも多々あります。
特に、コピーライティングを勉強し始めたばかりの初心者の方には、これらの型は、魅力的に見えるでしょう。
しかし、「コピーライティング=型通りの流れで書けば成果が出る」というものではないのです。
今日は、コピーライティングの型よりも大切な、原理原則をお伝えします。
最も大事なのは、「悩みの理解」
極論すると、人間は、「この商品(サービス)なら、私の悩みを解決してくれそう!私をバラ色の未来に連れて行ってくれそう!」というものを買います。
つまるところ、コピーライティングというのは、
- 自分が助けてあげたい人(ターゲット)を決める
- その人が、何に悩んでいるか?を理解する
- 「その悩み、この商品(サービス)で解決できますよ」と伝えてあげる
ということなのです。
コピーライティングとは、このように、すごくシンプルなのですね。
では、「悩みを理解して文章を書く」とは、具体的にどういうことなのか?
分かりやすく解説しますね。
コピーライティングの型に縛られず、反応のいい文章を書く手順
(手順1)まずは、「悩みの理解」
兎にも角にも、「顧客の悩みの理解」が、最重要です。
顧客の悩みを理解する方法としては、例えば次のようなものがあります。
- 既存客に「購入前、どんな悩みを抱えていたのか?」をヒアリングしてみる
- 見込み客に、「今、一番解決したい悩みは何か?」をヒアリングしてみる
- Yahoo知恵袋などを使って、「顧客が何に悩んでいるのか?」をリサーチしてみる
往々にして、「売り手側がイメージしている買い手の悩み」と、「実際の買い手(顧客)の悩み」は、ズレていることが多いです。
売り手側は、勝手に「顧客は、これに悩んでいるんだろう!」と決めつけていたりします。
これでは、刺さる文章は書けません。
実際、ヒアリングしてみると、「え、そこに悩んでたの!」と気付かされることが多々あります。
ここは、面倒がらずに、しっかりヒアリング&リサーチすることを、強くお勧めします。
(手順2)悩みに合わせて、文章を書く
実際の文章を例にあげて解説したほうが分かりやすいと思うので、
ここでは、「税務顧問サービスを提供している税理士」のコピーライティングの例にして解説したいと思います。
同じサービスを売る場合でも、ターゲットとなる顧客の悩みによって、文章の内容は全然違ってきます。
それを感じていただけたら幸いです。
(パターン1)「会社をガンガン成長させたい!」と考えている顧客を集客するためのコピーライティング例
右肩上がりで、増収増益を目指していきたい!
数年後に上場も視野に入れている!
そんな、超拡大思考の顧客を集客したいとしましょう。
そして、ヒアリング&リサーチの結果、こういう顧客は
- 業績へのコミットメントが強い。(逆に、業績が上がらないのは、すごく不安)
- 採用、社員教育に関心がある
- 人事などの面倒なことは苦手
といった悩み(気持ち)があることが分かったとします。
ここからコピーライティングしようとすると、例えば次のような文章になるでしょう。
※ここでは、BEAFの法則の型で書いてみます。
※実際には、もっと長い文章になりますが、ここでは解説のために、簡略化して書きます。
Benefit (顧客が得られるベネフィット) |
「今の税理士は、何も提案してくれない…」とお悩みの社長様へ。 「1年半で、売上2.3倍になりました」など実績多数。 記帳代行・税務手続きだけではない。 御社の数字をもとに、業績アップをサポートします。 |
---|---|
Evidence (証拠) |
まずは、増収増益に喜ぶ、お客様の声をご覧ください。 ※ここで顧客の声を紹介※ |
Advantage (競合優位性) |
なぜ、業績アップにコミットできるのか? それは、独自の●●という手法を用いて、決算書の数字から業績アップのポイントを見つけ出し、それをアドバイスできるからです。 |
Feature (特徴) |
経営計画の作成も、 採用支援・社員教育も、 人事制度の構築もお任せください。 |
このように、「業績を上げたい!」と思っている人には、それに合わせた書き方をしてあげる必要があります。
(パターン2)「ワーク・ライフ・バランスを大事にしたい」と考えている顧客を集客するためのコピーライティング例
一方、「ワーク・ライフ・バランスを大事にしたい」と考えている顧客を集客したいなら、どうでしょうか。
当然ですが、先程の拡大思考の顧客向けの文章では、刺さりませんよね。
ヒアリング&リサーチの結果、こういう顧客は
- 家族との時間を大事にしたいので、面倒なことはしたくない
- ビジネスだけでなく、人生全体の相談ができる人を探している
といった悩み(気持ち)があることが分かったとします。
ここからコピーライティングしようとすると、例えば次のような文章になるでしょう。
※先程の文章を比較しやすいように、BEAFの法則の型で書いてみます。
※実際には、もっと長い文章になりますが、ここでは解説のために、簡略化して書きます。
Benefit (顧客が得られるベネフィット) |
「面倒な記帳・税務手続きに、時間を取られたくない」という方へ。記帳代行も税務手続きもお任せ。 「大好きな本業に集中し、ライフワークバランスも実現したい」。 そんな希望を叶える税理士事務所です。 |
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Evidence (証拠) |
「仕事と家庭を両立できました」など、お客様の声をご覧ください。※ここで顧客の声を紹介※ |
Advantage (競合優位性) |
なぜ、お喜びいただけるのか? それはひとえに、私自身も「ワーク・ライフ・バランスを大切にする」という働き方を実践しているからです。 |
Feature (特徴) |
領収書を送るだけ。あなたの大切な時間を確保。学資保険など、代表様の生活面もサポート。 |
先ほどの文章も、この文章も、同じ「BEAFの法則」で書かれています。
しかし、内容は全く違いますね。
なぜなら、ターゲットとなる顧客の悩みが、全く違うからです。
ワーク・ライフ・バランスを大事にしたい顧客に、「業績アップ!人事制度!採用支援!」などの訴求をしても、「それを求めているんじゃないんだよな~」と思われてしまうだけです。
この2つの例のように、顧客の悩みを理解し、「それを解決できます」と伝えてあげること。
これこそ、コピーライティングの原理原則と言えるのです。
まとめ:小手先の文章テクニックを勉強するより、顧客心理に集中
いかがでしたでしょうか。
実際私も、以前は、コピーライティングの「型」にばかり、こだわっていました。
- どの型が、一番効果的なんだろう?
- なんだか反応が悪いな、コピーの型を変えてみようかな…
- もっと、いろいろな文章テクニックを勉強しなきゃ…
でも、本質はそこではなのですね。
いくら小手先のテクニックを磨いても、「顧客の悩み」を理解できていなければ、的外れな文章になってしまいます。
先ほど言ったような、「なんか違うんだよな~、それを求めているんじゃないんだよな~」という文章になってしまいます。
顧客の悩みを理解できると、コピーライティングはもちろん、クロージングのセールストークなども大きく変わってきます。
兎にも角にも、「悩みの理解」。
ここに注力してみてくださいね。
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